去年の夏のこと。


隣の奥様によく声をかけて頂いていたんです。
「子育てのいい話が聴けるから、是非、inasaさんも聴きに来て。」って。


その随分前から、隣の奥様には、ある噂が流れていました。
「あの人、何か宗教やってるんじゃない?」
「隣の地区に友だちいるんだけど、ピンポーンってチャイム鳴らされて誘われたらしいよ。」



隣の奥様は、上品な感じで優しい人。うちの一番上が赤ちゃんだった時は、よく行き来して仲良くさせて頂いてました。そういえば、行き来しなくなってから、月に一度くらいのペースで、たくさんの車がお隣の家に集まってきているようでした。そんな様子をお散歩ママたちが噂するんです。
「何?あれ。」
「何の集まり?ダスキンじゃないよね?宗教?」

そんなこんなで、私も少々、気になっていました。そして、何回も誘われ続けたある日、意を決しました。


”よし、本当に変な宗教に入ってしまっているのか、確かめてみよう。”



その日、誘われるままに隣の家に入っていきました。庭も部屋もきれいに片づけられ、とても明るい雰囲気でした。そして、通された和室の部屋には、何枚も座布団がひかれて、前には、机があって、その上にカセットデッキが置いてあります。


”カセットデッキは怪しいわ。何か唱えるのかしら。”


ふと、前の机の横に偉い人らしき熟年の女性が座ってみえるのに気が付きました。その方と目が合い、思わず笑顔で頭を下げてしまいました。(私のくせです。)その方にもにこやかな笑顔を返して頂きました。


悪い人には見えないなあ。”


そして、隣の奥様の挨拶が始まりました。
「来て頂いて、ありがとうございます。まず、最初にテープを30分聴いてください。これは、去年の名古屋での講演会のものです。その後で、疑問とか相談事を話してください。よろしくお願いします。」


テープの内容は、今まで、誰も教えてくれなかった、本当にすばらしいとしかいいようのない、これが本当の人間の生き方なんだなっというものでした。