リコーダーの運指について =Fingering for Recorder= | カタギリノエンレイソウ広報

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皆さん、この楽器はご存知ですか。

リコーダーです。
 
このたび、リコーダーの運指表を作成してきました。書籍等に頼らず、様々な指づかいを試し、実際に(自分で)音を出して確かめました。自作運指表です。
 
* ソプラノとソプラニーノの実音はそれぞれテナー・アルトのオクターブ上、グレートバスとバスの実音はそれぞれテナー・アルトのオクターブ下となります。
 
バロック式 (イギリス式) 用の運指表 (1) (C管:B♭3-C5,F管:E♭4-F5)

全ての指孔を塞いで吹くと、ソプラノ・テナー・グレートバスではド (C) 、ソプラニーノ・アルト・バスではファ (F) の音が鳴りますが、実はこれよりも低い音を出す方法があります。下のシ/ミ (B3/E4) は全ての指孔を塞いだ運指のまま管尻を太ももに近づけて吹き、シ♭/ミ♭ (B♭3/E♭4) はド#/ファ#の運指 [T123|4567] (小さい7はダブルホールのうち大きいほうを塞ぐ)で管尻を塞いで吹くと出せます。
換え指は主に標準的な運指とピッチが合うものを選んで掲載していますが、ピッチがわずかに高くなるものは Sharper 、わずかに低くなるものは Flatter の文字を入れてあります。換え指は管尻を太ももに近づけるものや、管尻を塞ぐものも含めています。
 
バロック式 (イギリス式) 用の運指表 (2) (C管:C#5-B5,F管:F#5-E6)

裏孔を狭めて隙間を作る手法 (サミング) は高い音を出すための重要な手法で、2オクターブ目のミ/ラ (E5/A5) からソ/ド (G5/C6) の各音は裏孔を親指で半分狭めて、ソ/ド (G5/C6) より高い音には裏孔を親指で狭めてわずかに隙間を作って運指します。この手法は高い音を出すうえで重要なものですが、裏孔を狭める代わりの手法として1孔の半開 (上の示指の孔=1孔を狭めて隙間を作る) があり、例えば2オクターブ目のソ/ド (G5/C6) を [T½23|----] (½は指孔を半分狭める)、ラ/レ (A5/D6) を [T¾2-|----] (¾は指孔を狭めてわずかに隙間を作る) の運指で出すことができます。
 
バロック式 (イギリス式) 用の運指表 (3) (C管:C6-A6,F管:F6-D7)

製品に付属している運指表には、3オクターブ目のド#/ファ# (C#6/F#6) は [t1-3|45-7]、レ/ソ (D6/G6) は [t1-3|4-6-] とあるが (tは裏孔を狭めてわずかに隙間を作る)、これらの指使いの場合は管尻を太ももに近づけて吹かないとピッチがかなり高くなりますのでご注意ください。ド#/ファ# (C#6/F#6) の場合は管尻を塞いで [t1-3|4-6-] 又は [t1-3|4-67] の運指をするのが有効で、レ/ソ (D6/G6) を強い音(ff)で吹く場合は [t1-3|4-6-] の代わりに [t1-3|4--7] 又は [t1-3|4-67] を使うとよいでしょう。
3オクターブ目のレ/ソ (D6/G6) よりも高い音には、
ミ♭/ラ♭ (E♭6/A♭6) [t-23|-56-]
ミ/ラ (E6/A6) [t-23|-56-](管尻を塞ぐ)
ファ/シ♭ (F6/B♭6) [t-2-|45--](管尻を塞ぐ)
ファ♯/シ (F#6/B6) [t-2-|45--]
ソ/ド (G6/C7) [t1--|4---],[t1--|4--7]
ソ♯/ド♯ (G#6/C#7) [t1-3|--67](管尻を塞ぐ)
ラ/レ (A6/D7) [t1-3|-56-]
を使えばよいでしょう。
 
ジャーマン式用の運指表

ジャーマン式のリコーダーはソプラノにおけるハ長調の運指が容易になるよう、下の中指の孔が小さく、そのすぐ上の指孔が大きく作られています。その反面、半音の運指が煩雑になり、高音域を安定して出せないという欠点があります。実際、半音の運指でバロック式と異なるものは

  • F#4/G♭4 [T123|-567]
  • A#4/B♭4 [T1--|4567][T-23|4---] ([T1-3|4---]ではピッチが低めになる)
  • F#5/G♭5 [t123|-5-7][t123|-56-] (小さい6はダブルホールのうち大きいほうを塞ぐ)
  • G#5/A♭5 [t12¾|----] (3孔を狭めて隙間を作る。[t12-|4---]ではピッチが低くなる)


の4つです。

 

* 四分音運指についてはこちら
(最終更新:2017年2月5日)