賃金の下限である最低賃金について、時給687円の全国平均額を15円程度引き上げることで決着した。最低賃金と生活保護との逆転解消を目指す改正
最低賃金法により、来年度も2ケタの引き上げが続く見通し。低所得者の生活の下支えになるが、物価も上昇しており消費拡大効果は限定的とみられる。生産性
向上や価格転嫁が進まないと中小・零細企業の雇用に悪影響を与える懸念もある。
中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)が4日から5日に開いた小委員会で決めた。6日の審議会で都道府県ごとの引き上げ額の目安を答申し、これを
受けて都道府県ごとに正式な金額を決定。10月中に適用する。全国平均の上げ幅は昨年の14円を超え、初めて700円を上回ることになる。地方企業の負担
増に配慮し地方は上げ幅を抑えており、昨年に続き地域間の差が広がる。