前回の第3回では、ざっくり磨きを説明しました。
磨きまでは思った通りにやれば特に問題はないのですが、問題はこの後の組立ての作業です。
「磨いたら色を塗って、組立てじゃないの?」
…と思うかもしれませんが、色まで塗ったのに、うまく組み立たないとショックですよね。
また、塗装をするにも持ち手が必要になったりするので、ここで仮組みを行っていきます。
■Step1.パーツに穴を開け、真鍮線を通す
└必要なもの:真鍮線(2mm、1mm、0.5mm)、ピンバイス(2mm、1mm、0.5mm)、ニッパー(金属用)
ガレージキットは、ただパーツ同士を瞬間接着剤でくっつけるのではなく、真鍮線をパーツ間に通して強度を出します。
この真鍮線だけで、ほとんどのパーツを仮で組み立てることができるんです。
ピンバイスでこの真鍮線を通す穴を開け、ニッパーで程良い長さに切り、パーツ同士をくっつけていきます。
このとき、ニッパーは必ず金属用のものを使ってください。
磨きの時に使った、工作用の精密ニッパーで真鍮線を切ると、一発で歯がダメになり使えなくなってしまいます。
また、2mmの真鍮線はそれなりに太いので、切断の際も十分に気を付けてください。
【足/袴の接続】
通常、「ここに真鍮線を通す穴を開けてください」と印があるのですが、足パーツにだけそれがありません。
写真を参考に、穴を開け、真鍮線を通して下さい。
真鍮線の太さは1mmです。
(右足)…オレンジ□囲いの部分。
右足の袴にはガイド穴がありますので、ガイドに沿って、斜めに穴を開けてください。
(左足)オレンジ□囲いの部分
袴の接続の際、隙間が出てしまうので、袴に真鍮線を通します。
ガイド穴はありません。
貫通しないよう、垂直に穴を開けてください。
ここから先は、全てガイド用の穴が開いています。
穴に沿ってピンバイスを差し、真鍮線を入れるだけの深さにして下さい。
袴の右と左の接合部です。
1mmの真鍮線を4本で接続します。
90度返して裳装側、こちらは2mmの真鍮線を2本で裳装と接続します。
この2本で身体と鳥居、台座を接続する形になっています。
表に返すとこんな感じに接合されます。
下から見たところ
【上半身の接続】
袖のパーツが重いため、真鍮線を長く・深く差し込んで強度を出します。
文章にすると難しいので、上の画像を参考に穴を開けてください。
2mmの真鍮線をパーツに通す時、勢い余って手に刺さることがあるので、十分気を付けてください。
また、2mm真鍮線は『袖部から頭部パーツまで連続した1本』として通して下さい。
どこかで分割すると、組立の際、袖のパーツが重さで垂れ下がってしまいます。
①、パーツNo.23、24「襦袢(肩部左右)」を、ガイド穴に沿って、1mmと2mmの穴を貫通させます。
どちらか一方からのみで穴を開けるとズレてしまうので、表と裏、半分ずつ開けて貫通させてください。
②、パーツNo.23、24「襦袢(肩部左右)」それぞれに2mmの切断していない状態の真鍮線をそのまま差し、
パーツNo.25、26「袖」のガイド穴に真鍮線の先端を合わせます。
真鍮線の角度を覚えておき、その角度で袖に2mmの穴を深めに開けます。
③、②で開けた2mmの穴と同じ角度で、1mmの穴を深めに開けます。
④、真鍮線を袖の穴まで差し込みます。
⑤、パーツNo.1~3「頭部・襟/胸」を組立て、マスキングテープでしっかり固定します。
⑥、接続した状態の「襦袢」と「袖」からの真鍮線をパーツNo.2、3の肩部に当て、角度を決めます。
⑦、決めた角度で2mmの穴を、パーツNo.1の頭部パーツに届くまで穴を開けます。
⑧、頭部パーツの安定感を出すため、頭部パーツ下部にあるガイド穴に沿って穴を貫通させ、左右の襟/胸パーツを接続します。
⑨、下半身から出る1mmと2mmの真鍮線を受けるための穴を、ガイド穴に沿って開けます。
◆上半身・下半身の接続
続いて上の2本の真鍮線は、上半身と接続するためのものです。
写真向かって左側が2mm、右が1mmです。
腰の帯のパーツ3つを写真の要領で差し込んでください。
上から見ると凸状になっていて、上から差すだけになっています。真鍮線は不要です。
上半身と下半身をドッキングさせます。
帯パーツを付けないとこのような形に。
一度この状態で仮合わせしてから帯を付けた方が、穴の位置が把握しやすいかもしれません。
◆マグネットパーツ
前掛けのパーツは薄いので、磁石を利用します。
ネオジム磁石(円柱型10mm、高さ1mm)を購入して戴き、ガイド穴にはめ込みます。
まだ仮なので、マスキングテープをガイド穴の上に貼り、その上に磁石をはめ込むと外しやすくなります。
パーツNo.27、28「襦袢(袖口)」と袖の接合も、磁石で行います。
というのも、手・扇子は持ち運びの際に破損しやすいので、別途外せるように…という狙いです。
お好みで真鍮線接続にして下さい。
長くなりましたが説明が必要なのはここまでで、あとは思った通りにはめて戴ければ仮組みが終わります。
まだ真っ白とはいえ、形になると達成感と喜びがこみ上げてきます(笑)
塗装については、また9月に入ってから。
長くなりましたが、この辺で。