1980年代、浪人時代に、西早稲田にある湖南寮という早稲田ゼミナールの寮で生活していました。
今は早稲田ゼミナールはなくなっているようですが、当時、大隈講堂の隣りに予備校の校舎があり、名門大学と予備校が隣り合わせで存在し、予備校生は複雑な気持ちで街を歩いていたと思います。
寮で生活する仲間はみんな仲が良く、一緒に銭湯や定食屋に通い、苦しくも思い出深い青春時代を過ごしました。
そんなある日、寮の仲間と歩いていて、ある川に差し掛かった時、友達から「この川が、南こうせつが歌った神田川で、ちょうどこの辺りが歌の舞台になった所みたいだよ。」という話を聞き、自分が今神田川(面影橋)にいることに凄く感動したことを覚えています。
それから数十年が経過した2023年、NHKの番組で神田川をテーマにしたドキュメントを偶然観ました。その中で、レポーターの壇蜜と南こうせつが面影橋で、歌ができた時のエピソードを話しているのをみた時、急に浪人時代の思い出が蘇り、また面影橋に行きたいという衝動に駆られました。
静岡と東京は、遠いようで近く、近いようで遠い微妙な距離感であり、でもやっぱり、行くにはそれなりの思い切りが必要です。
大学を卒業して何度も東京には行っていますが、神田川を見るのは何十年振りでした。
川沿いには、今では高層マンションが並んでいますが、当時は確かに、木造の風呂無しアパートが多く、まさにあの「神田川」の世界でした。
今じゃグーグルマップで、どこにでも仮想の旅行ができますが、空気感や実感だけは、実際に行ってみないと味わえません。
東京には1年間の浪人時代を含めて5年間おりましたが、この時から急に学生時代を懐かしく思うようになりました。
その後、半年に一度のペースで、青春時代を振り返る旅をしています。