〇きっかけ

 香りとサステナブルは一見して関係のないように思える。しかし昨今では、香りとの付き合い方もサステナブルなものにしていこうという取り組みがあるようだ。

 

〇香りのエチケット’香害’

 本来香りは気分をよくするものだ。しかし、かえって香りによって人々の健康を害してしまうことがある。このことは「香害」と呼ばれ、昨今注目されている。香害の原因は香りに含まれる化学物質や香りの長時間楽しむためのマイクロカプセル(非常に微細なプラスチック)ではないかと考えられている。

 

 一説によれば、柔軟剤や洗剤の香りというのは年々強くなっているという。最近では服に香りをつける目的のアロマビーズもドラッグストアでみかけるようになった。私の実感としても、香りの楽しみ方が広がると同時に、もっと強い香りを求めて日に日にエスカレートしているように感じる。いい香りの追求はすてきなことだと思う反面、どんどん強い香りを求めていくことにはちょっと心配がある。

 

〇香りと環境負荷

 香りも環境問題に影響を与えている。

 

 まず、芳香剤の容器。多くがプラスチックで作られており、芳香の効き目がなくなると、廃棄されてしまう。ガラス瓶などのくりかえし使用できる素材のものの方が、環境負荷が小さいと言える。香水のメーカーの中には中身でだけ入れ替えてくれるところもある。

 

 そして、芳香剤。芳香剤の多くは石油から抽出された化学物質でできている。この方法は植物から香りを取り出すよりも、安定した品質で安価な芳香剤を作ることができる。しかし、化学物質が人体に影響を及ぼしたり、有限資源の石油を使用して環境負荷をかけたりといった問題もある。過信や依存をせず、上手く付き合っていきたい。

 

〇ふりかえり

 とはいえ、長時間強く香る芳香剤は便利だ。私はトイレの芳香剤をいろいろ試したが、自然の素材を使ったやさしい香りでは満足することができなかった。よって、消臭と芳香の役割をしっかりと果たしてくれる化学物質による芳香剤を使用している。トイレは長居をする場ではないので、これでいいかなと思っている。

 その分、玄関やリビングなどでは、より環境負荷の小さい方法で香りを楽しみたいと考えている。

 

アップサイクルフレグランスといって、廃棄される植物を用いて作った香水もある。