〇きっかけ

 前回は落葉樹の手入れについて学び、お礼肥えの重要さに気付かされた。今回は常緑樹の生育リズムに応じた手入れについて学んでいく。

 

〇常緑樹の手入れ 春に強剪定、肥料は控えめでOK

春 成長期

 落葉樹より少し遅れた5、6月頃に最も枝葉が成長する。切られた分も成長できるこの時期が最も剪定や植えつけに適している。花が咲くものは花前に植えつけを行う

 常緑樹は一年中葉をつけているため、葉が密集してしまい、かえって光合成が阻害されることがある。夏を迎える前に強めの剪定をして、日当たりが風通しがよくなるようにする。花が咲くものは花後に剪定とお礼肥えを行う。

 

夏 蓄積期

 落葉樹同様、この時期は栄養を蓄え、花芽分化をする時期なので剪定はNG。中には花の咲く時期が遅いものもあるため、夏にずれこんでしまっても花後に剪定を行う。その際は盛夏を避けるために、花後すぐに作業をする。

 

秋 第二次成長期

 葉を落とすことがないので、春ほどではないが、涼しくなるとまた成長を始める。生育が旺盛な品種はこの時期に整枝剪定を行うことも可能。しかし、花芽分化後なので、花芽を切ってしまうおそれもある。

 

冬 半休眠期

 葉は落とさずに、細々と光合成を続けている。落葉樹と一緒にこの時期に剪定をすると、十分なエネルギーを作れない時期にも関わらず、切られた分をリカバリーしようと無理に成長してしまい、株が弱ってしまう。よって剪定NG

 ゆっくり成長する分、基本的にあまり肥料を必要としない。よって、花を楽しみたい品種以外は寒肥はあたえなくてもよい。

 

 落葉を終え、光合成をせずに休眠をしている。剪定をしてもリカバリーしようと養分を浪費しない。よって強剪定や移植はこの時期に行うようにする。来春の芽出しをよくするために油粕等の遅効性の肥料を施肥しておく。(寒肥え)

※花芽分化が済んでいるので、この時期の剪定で花芽を落としてしまうことがある。葉芽と花芽をよく見分けるようにする。

 

〇ふりかえり

 うちで育てている常緑樹はローズマリー。常緑樹も冬は休眠すると勘違いしていたため、冬に強剪定や移植を行っていた。この作業は株にかなりダメージを与えていたに違いない。花が咲かないのもそれが理由かもしれない。次の冬には植え替えをせずに安静に過ごしておくと、花が見られるかもしれない。

ローズマリーの新枝。いじめられても健気に出てきた。