〇きっかけ

 これまでに柚子チンキやヨモギ滲出油でスキンケア用品を手作りした。その際、エタノールやグリセリンなど、よく知らないものも材料に加えた。これらはスキンケアにおいてどんな役割を持っているのか、詳しく知りたくなった。

 

〇スキンケアに必要な成分

 化粧品や乳液などは、ざっくり言うと3つの成分でできている。

 

◆水に溶けやすい水性成分

◆油に溶けやすい油性成分

◆水と油を混ざった状態にする界面活性剤

 

 それぞれについて以下に詳しくみていく。

 

◆水性成分

 

【水】

 そもそも肌は水分と油分でできている。保湿という言葉があるように、肌への水分を補う役目を持つ。温泉水や、フローラルウォーターが用いられることもある。

 

【エタノール】

 注射の前に消毒されるのと同じように、塗布することで肌を清浄に保ったり、さっぱりさせたりする効果がある。(効果)清涼、収れん、殺菌、溶解、浸透促進

 たくさんいれすぎると保湿感が弱くなったり、肌への刺激になったりすることがある。よって、手作りスキンケア用品に用いる際は全体の10%の量を上限とした方がよい。

 

【水性保湿剤】

 水とゆるく結合して、肌表面で水分をつかまえておく。砂糖水をこぼすと、べたべたしていつまでも残っているのと同じ感じ。

 

・グリセリン

 ヤシ油などの油脂から作られる水性保湿剤である。薬局でも購入できる。たくさん入れ過ぎると肌への負担が大きくなってしまうので、手作りスキンケア用品に用いる際は全体の10%の量を上限とした方がよい。


◆油性成分

 

 肌の油分を補う役割を担い、水分蒸発抑制、皮膚の柔軟性向上、保護、ツヤ調整などの様々な役割を担う。多すぎるとテカリやべたつきが強くなってしまったり、ニキビの原因になってしまったりする。

 

【ミネラルオイル、ワセリン、植物油 等】

 肌から水分が蒸発することを妨げる保湿作用をもつ。

 

【ミツロウ】

 保湿作用があり、アクネ菌のエサになりにくいので、ニキビ対応によいとされる。

 

◆界面活性剤

 

  水分だけ、油分だけをそれぞれ肌に塗布すると、肌なじみが悪かったり、落ちやすかったりする。そのため、界面活性剤を用いて乳化(水分と油分が混ざりあった状態)をさせて、クリーム状になったものを塗布した方が効果が高い。

 

 界面活性剤ときくと洗剤がイメージされて、肌に塗布をして大丈夫かな?と思ってしまう。化粧品の界面活性剤は洗剤に用いられるものとは種類も濃度も異なる。

 しかし、たくさん入れれば美容効果があるというものではない。添加の際には上限となる量が決まっているので守るようにする。

 

【パーム乳化ワックス】

 

 植物から作られており、水と油を混ざり合わせてクリーム状にする。量を調整することでクリームの固さを調整することができるが、添加の際は全体の5%以内におさまる量にする。

 

〇ふりかえり

 3つの成分について詳しく調べることで、なんのための成分なのか、それぞれの素材のメリットやデメリットなどを知ることができた。これにより、それぞれの素材の特性をいかして、添加の際の上限の範囲内で、自分好みのものに調整しやすくなった。