〇きっかけ

 私はお茶を飲むことが好きで、朝、昼、晩と食事の度にケトルでお湯を沸かして飲んでいる。しかし、先日ケトルの環境負荷についての情報を目にしたので、気になって調べてみることにした。

 

〇ケトルのエネルギー効率

 ケトルは電気を熱エネルギーに変えてお湯を沸かす。その電気の大本は、日本では大半を火力発電が担っている。火力発電では、有限な化石燃料を使用しており、その際に排出される温室効果ガスも問題視されている。

 

 火力発電所はその他に「熱効率」という問題を抱えている。火力発電所では燃料を燃やして蒸気を発生させ、その蒸気がタービンを回すことで発電している。しかし、この方法では燃やした燃料の全てを電気に変換することができない。燃やした燃料に対して、取り出すことのできたエネルギーを「熱効率」という言葉で示すことができる。東京電力の熱効率は49%であり、残りの51%は廃熱として捨てられている。

 

 また、発電所から各家庭まで離れているため、電力が届くまでに一部失われてしまう。そのことを送電ロスといい、東京電力では約4%の送電ロスが生じているとされている。

 

 上記のことから、電気を使ってお湯を沸かすことは、エネルギー効率という点ではよいとはいい難い。

 

〇ガスでお湯を沸かす環境負荷

 ケトルが使えないとなれば、ガスでお湯を沸かすことになるだろう。しかしながら、ガスコンロも有限な天然ガスを使用するし、火を使えば少なからず温室効果ガスは発生する。

 

 また、ガスでお湯を沸かす際にもエネルギーのロスが発生する。ガスで発生した熱の約60%が逃げてしまい、熱効率としては40%と言われている。

 

 ケトル自身の熱効率は80~90%だとされている。火力発電の分を加味すると、ケトルの方が少々効率が悪いと言えるが、そんなに変わらないかもしれない。

 

〇何が一番効率が悪いのか

 そもそも、食事の度にお湯を沸かし直しているのが最も効率が悪い。そこで、給水ポットを購入し、余ったお湯を入れて保温しておくことにした。朝沸かしたお湯で、昼のお茶も問題なく淹れることができた。夜になると冷めてしまうので、もう一度沸かす必要があるが、その残り湯は湯たんぽに使用することにした。

 

〇ふりかえり

 今回、「熱効率」という言葉を学んだことで、自分のエネルギー問題に対する意識がレベルアップしたような気がした。サステナブルなアクションとは、無理をすることでも、あきらめることでもなく、創意工夫を考え続けていくことだと実感した。

 

大活躍の保温ポット。冷たい飲み物の保冷にもなる。