「境界に生きた心子」

「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティー障害の彼女・心子との実体験の物語を、「境界に生きた心子」(星和書店)として描きました。
https://ameblo.jp/inamasa5656/entry-12552222797.html?frm=theme
心子との想い出の地・神宮外苑(銀杏並木)の再開発を見直す訴えもしています。

 神宮外苑 絵画館前の樹木伐採と、バッティングドームなどの解体工事が始まることが分かりました。

 今回はステップ1の伐採,解体で、5月7日以降ここは封鎖されてしまいます。

 5月2日、伐採樹木の記録会が急遽行われ、参加してきました。


 絵画館前の事業は、会員制のテニスクラブを造るためのもので、公共性はありません。
 そのために樹齢百年以上の貴重な大木などが切られてしまうのです。

 なお、これは三井不動産などによる秩父宮ラグビー場と神宮球場の建て替え事業とは別に、明治神宮が個別事業として行なうものだということです。
 
 下記の新宿区の資料で、黄色が伐採、青が移植されるという木です。

 

 以下、伐採される大木の写真です。
 バッティングドーム前の象徴的なヒマラヤ杉。



 軟式野球場横のシラカシ。


 元ショップ横のユリノキ。

 花が見られるのは貴重なタイミングだそうです。


 フォトハウス後ろのユリノキも伐採。


 トイレ前のクスノキです。


 “調整”しているというフェンスの前のコブシ。


 最後にヒマラヤ杉の前で写真を撮りました。

 

 これらの貴重な樹木が切られてしまうというのは、如何ともやり切れません。
 

(前々記事からの続き)
 
○論点5:樹林地の定義と林分密度の検証


 神宮内苑の樹木数は、10㎡あたり0.3本。
 「建国記念文庫の杜」は、10㎡あたり0.29本。


 樹林は木が大きくなると10㎡あたりの本数が減る。

 

○論点6:樹冠投影図の検証


 樹林地では伐採しても50%以上の樹木を残さなければいけない。
 新宿区は樹冠投影図の50%以上を残したと主張。


 しかし私が調べた結果、38%しか残っていなかった。


 強剪定がされて、樹冠は失われている。
 右下の写真:新国立競技場の建設時の移植では、樹冠が残されていた。


 緑道のフウの木は地表に沿って根を伸ばすが、ラグビー場や歩道に遮られて根が伸ばせない。


 クロマツは新ラグビー場の影で日が当たらず、生育できない。


 ケヤキは掘削によっで根の半分が破壊される。

 

○結論

1.樹林地という用語は学術的、法的に存在しないものを使っている。
2.川崎市の樹林地の定義は、昭和56年の文献を参考にしたものを今でも使っている。


3.この定義を使うと、神宮内苑も樹林地ではないことになる。
4.京都議定書の定義でも「建国記念文庫の杜」は森林になる。
5.「建国記念文庫の杜」が森林でないとした新宿区長の判断は誤り。
6.樹冠被覆面積を50%以上残すという新宿区の主張は誤り。


 以上により、「建国記念文庫の杜」の伐採許可は、学術的、法的、政策的にも根拠がなく、取り消されなければならない。
 

外苑樹木伐採に対する、N Hitomi さんの Change.org オンライン署名です。
https://c.org/275XpWJzMg
 本日(5月6日)16時、外苑バッティングセンター前のヒマラヤ杉で集まりを呼びかけています。
よろしくお願いいたします。

(前の記事からの続き)

○論点3:法的内容の検証


 風致地区条例。
 樹林地という言葉は法的な文書の中にない。
 「木竹(ぼくちく)」と記載されている。


○論点4:政策的視点の検証


 樹林地という用語は突然、政策的に登場する。
 川崎市の樹林地の定義と、新宿区長の伐採許可。

 「建国記念文庫の杜」には、10㎡に樹木が0.28本しかないから、樹林地ではないと新宿区長はいう。

 川崎市の樹林地の定義の根拠。
 昭和56年の神奈川県の基準を引用して平成14年に設定した定義を、今でも使っている。

(川崎市の職員がここまで遡って見つけてくれた。)

 昭和56年の神奈川県の、開発許可における樹木保全の基準。

 一団の樹林地で、樹木が十㎡あたり一本以上ある場合を「目標」とする。
 樹林地の定義ではなく樹木保全の目標(昭和50年)。

 これが突然出てくるが、「樹木が十㎡あたり一本」の根拠となる文献は存在しない。
 私は川崎市の環境審議会委員を10年以上務めたが、この定義を使ったことは1度もない。

 

(赤線・稲本)


(続く)

(前の記事からの続き)

○論点2:文化的資産の視点

 内苑は、江戸時代から継承されてきた「400年の杜」。
 外苑は、公衆の悠遊の場。

 内苑は、①井伊家林泉、②永遠の杜、③代々木野自然風景式庭園からなる。


 ①井伊家林泉(内苑の南側、明治神宮御苑あたり)。
 荒地ではなかった。

 内苑は100年前に荒地から造られたと言った、NHKや一部の学者は責任がある。
 渋沢栄一らが明治天皇を祀る場として荒地を選ぶはずがない。

 ②赤い部分が100年の永遠の杜(御社殿(本殿、拝殿)あたり)。

 100年の杜は、広大な内苑の中の一部だけ。


 ③宝殿前の代々木野自然風景式庭園(内苑の北側)。


 内苑は3つの違う様式、歴史が重層する、きめ細やかな意匠で造られた文化的な庭園。


 内苑の植生図。


 内苑と外苑。


 20世紀初頭に都市美運動が起きた。
 ワシントンの首都計画ができ、外苑はそれを手本にした


 ワシントンの国会議事堂。


 ワシントンを反映した外苑の意匠。
 国民が集う広場。


 しかし再開発によって、銀杏並木の真横に球場ができる。


 民主主義の庭にテニスクラブができ、樹木がなくなる。
 破壊の限りを尽くす。


 アメリカの国民が国会議事堂の前に、会員制テニスクラブを作るだろうか?
 超高層ビルを建てたり、イベントを行なったりするだろうか?

 樹林地の「建国記念文庫の杜」。


 今後の文化の喪失。
 クリスマスマーケットとテニスクラブ。


(続く)
 

(前の記事からの続き)

●「樹林地」とは何か?

○論点1:学術的検証
 驚くべきことに、「樹林地」は通称であり、学術的に定義されていない。


 例えば玉川上水。
 ここは誰が見ても草地で、樹林地ではない。


 樹林地は、高木・中木・低木・草本などで「植物群落」が形成されている。


 樹林地には植生調査が必要。
 植生調査(学術調査)とは何か。
 日本学術会議の、東日本大震災後の海岸林の再生に関する学術調査。
(私が委員長)


 植生調査には緻密な調査・分析などが必要。
 海外林の再生はしっかりした学術調査によってなされた。


 植生調査の方法は、植物社会学にもとづく「ブラウン・ブランケ法」。


 東京都 環境影響評価 技術指針。
 神宮外苑の環境評価もこの指針に準拠して行われた。


 群落構造
 群落の全ての植物の名前が分からなければいけない。


 被度、群度
 被度は、それぞれの種がある範囲で占める面積の割合。
 群度は、ある植物がどのくらいまとまって生えているか(集まり具合、群れの程度)。


 外苑の環境影響評価は、素人が行なっており、間違いだらけ。


 私は、環境影響評価審議会に参考人として呼んでもらって正しい評価を行なうよう、何度も訴えたが実現しなかった。
 私を呼ぶと、素人がやったと分かってしまうから、呼ばれなかった。

 外苑の植物群落の調査結果。
 樹林地でないとは書いてない。

 樹林地だから群落調査をした。
 新宿区長が樹林地でないというのは真っ赤な嘘。

 日本イコモスが植生図の見本を示し、新宿区に作成を促した。

 新宿区はさすがにまずいと思って、半年後にやっと出してきたが、それは自分たちの間違いを認めた証拠。

(続く)
 

「樹林地とは?」(オンラインセミナー)
 講師:石川幹子先生(東京大学名誉教授)


 「樹林地」という、単純で曖昧な概念であるがゆえに、そこに思い込みや虚構が組み立てられ、結果的に森がなくなっている。
 それに対して、私(石川)は伐採取消訴訟の意見書を3通書いた。

経緯:神宮外苑の「建国記念文庫の杜」が樹林地でないと新宿区は定義し、伐採した。
 写真の左下は2023年、伐採抗議のヒューマンチェーン。
 右は3年後の同じ場所で、樹木が伐採,移植,剪定されてしまっている。


 伐採を許可した新宿区の定義では、「建国記念文庫の杜」は樹林地ではないということになり、伐採が可能となってしまった。
 その定義によれば、神宮内苑も樹林地ではなくなり、伐採可能になってしまう。

 事業者は「内苑を守るために外苑の森を伐採する」としているが、内苑も樹林地でないと社会に明言できるのか?
 単なる樹林地ではなく、継承されてきた「文化」を顧みない行為。


 伐採取消訴訟では、原告適格,景観,CО2などが争点になっていた。
 「樹林地」はずっと争点になっていなかったが、これは最大の論点だと思う。


 私は、東京都と新宿区の都市計画審議会の委員や、神宮内苑調査委員会の委員などを務めていた。

 伐採許可の基準では、再開発の申請区域に樹林地は存在しない(「建国記念文庫の杜」は樹林地ではない)とされた。
 事業者は環境影響評価書で、ここを森林と言っている。
 それなのに新宿区長は、何故に森林でないと言えるのか。


 京都議定書の森林の定義では、「建国記念文庫の杜」は森林である。


 新宿区が使った定義。
 樹林地は高さ5m以上の樹木が、10㎡に平均1本存在する、300㎡以上の土地。
 その結果、申請区域に樹林地は存在しないとされた。


 この定義は川崎市のものだが、突然 新宿区も採用するとして出てきた。
 私は、川崎市が何故この定義を採用したか確認が必要だと、意見書で述べた。


 私は川崎市の審議委員もしていたので、直接問い合わせた。
 川崎市は、新宿区が伐採の根拠としたことを全く知らず、連絡も受けていなかった。

(川崎市は、この定義の出所を詳細に調べてくれた。【後述】)
 
(続く)
 

(前の記事からの続き)



山下弁護士:
 住民訴訟は財務会計行為に対して訴えるもの。
 裁判長が、損害が発生してる財務会計行為は何なのかを特定してくださいと。
 こちらはこれまでも主張してきたが、新宿区は財務会計行為ではないと言ってる。

 裁判長も変わったので、核となる財務会計行為をもう一度きちっとしたうえで、
 それが法的に財務会計行為と認められるかを含めて、裁判所は審理を検討する。

原告の大澤さん:
 この訴訟は、工事を止めるというより側面的に攻撃し、プランを変えさせるもの。
 伐採取消訴訟や東京都訴訟(再開発全体の取り消し)が本丸。
 住民訴訟がもう1件ある。

 いま不動産鑑定士を急募しているので、紹介してほしい。

     *     *     *

 引き続きQ&Aがありましたが、被告に手の内を明かすことになりそうな内容が多かったため、そうならないようなことだけ記すことにします。

・廃道になった部分は権利変換で事業者の土地になってるので、現在は貸してるのではない。
 権利変換をする前に、新宿区が事業者にタダ貸しで工事させてたことは、別の裁判(住民訴訟)で問題にしている。

・協定書、覚え書きは権利変換のあとの話。
 今回は土地が移ったあとの(神宮球場の下の土地を新宿区が使えない間の)補償料の話。
 

(前の記事からの続き)



○公判後の説明会

本間弁護士:
 外苑再開発で新宿区は、区道だった土地を事業者に提供した。
 権利変換によって別の土地(神宮球場の場所の一部)を新宿区の土地として入れ替えた。

 この訴訟で問題にしてるのは入れ替えた後の土地の補償金。
(権利変換はすでに行われている)
 今は神宮球場の真下に新宿区の土地がある状況。
(今後 神宮球場が解体される予定)

 新宿区の財産である土地が(今は球場として)使われてるので、事業者が新宿区に補償金を払う約束をした。
 それが協定書、覚え書き。

《画像は、区道の土地を権利変換で入れ替えた(付け替えた)部分(赤と緑)。

 左が権利変換前の区道。
 右が権利変換後で、現在は神宮球場がある所。
(新宿区総務委員会の資料より)》

 工事期間が長く、一等地なので、本来の補償料は約32億。
 しかし覚え書きでは、事業者は新宿区に18億しか払わない。
 差額の14億を損害賠償として、新宿区は事業者に請求しなさいという判決を求める裁判。

 新宿区の主張は、18億は仮のもので、権利変換が行なわれるかも分からないという。
 しかし権利変換は行なわれたし、18億を前提に手続きは進められてきた。

 その後 新宿区は改定書で21億に引き上げ(工費が高騰のため)、18億はこの通り仮だったと言ってきた。
 21億の根拠は明らかになってない。

 21億に変えても32億との差額はある。
 差額14億の数字が変わったため、訴えの変更という手続きを取った。
 21億との差額11億を請求しなさいという変更をした。

 裁判官からの要望は、問題とする財務会計行為を特定してほしいということ。
 協定書,18億と書いてある覚え書き,21億とした改定書。
 新宿区のどの行為を問題とするのか特定したうえで、審理を進める。

 こちらは次回までに整理して特定する。
 21億の根拠を明らかにしてほしいが、それも特定した後になり、次回に持ち越し。
 特定して21億の根拠を追及していく。

(続く)
 

 4月22日、外苑再開発の住民訴訟の傍聴をしました。


 この裁判は、新宿区道廃止に関して、三井不動産が新宿区に支払う補償金が格安で、新宿区民に損害を与えているため、新宿区は三井不動産に対して損害賠償を請求するように、と求めるものです。
 新宿区の財務会計行為に問題があるとする訴訟です。

 この日、裁判官の交代があり、裁判長から原告側に要望がありました。

 新宿区と三井不動産が補償金について交わした、覚え書き,協定書,及びその改定書などがあるが、問題の財務会計行為はどの点に対するものかを特定してほしい、ということでした。
 こちらは問題点を整理して財務会計行為を特定し、提出することになりました。

 続いて、原告のKさんから意見陳述がありました。

「新宿区と三井不動産の覚え書きを結んだ経緯の記録がない。
 新宿区は記憶で記録を作ると言ったが、数枚の紙で幕引きを図ろうとしてる。
 吉住新宿区長や職員は、自分の財産でないから構わないというようだ。
 覚え書きは仮定のものだから説明は不要だと、責任をあやふやにしている。

 外苑は百年の歴史がある区民の財産。
 再開発は環境破壊の悪循環。
 工事で市民は不便になる。
 新宿区は区民より事業者の都合を優先している。
 裁判所は厳正な判断を。」

 次回の公判は、6月19日(金)1:40pm.803号法廷

(続く)