空へのあこがれ

 

フライトトレーニング 

 

FRA、PFR、RFA(飛行禁止空域、飛行制限空域、飛行注意空域)


空を飛ぶのは、自由権の一つで、基本的には制限を受けないのだが、社会の運用上制限をかけたい場所が幾つかある.

区分航空図には、そのような場所が表示されている.

また、NOTAM(パイロットへの航空情報 :  Notice for airman)には、臨時に設定される制限区域(TFR)などの情報が随時公表されている.


英語Nativeであれば、フライト前に、Webなどをチェックすることで、直ぐに理解して、気づけるのだろうけれど、Non-Nativeな私には、見落としなどの危険性がある.


そこで、私は、飛行前に必ずFSS(Flight service station)に電話を入れ、予定している飛行経路(フライトプラン)を伝え、何か制限区域などに引っかからないかを確認する.

FSSのオペレーターは、いつもとても親切だし、プロフェッショナルな仕事をしていくれる.

FSSとのブリーフィングで、飛行経路だけではなく、その周辺の情報なども教えてくれる.

また、同時に、気象ブリーフィングもしてくれる.

そして、先ほどチェックしてもらった経路でフライトプランのファイル(登録)もしてもらえるのだ.

最近は、Nativeな人達は、これらをWeb上でチャッチャとやってしまう.

私は、人が相手のFSSと電話で話す方が安心.



米国や日本では、一般の飛行機の飛行が制限(禁止)されている空域がある.

例えば:

(日本 航空法)

・皇居の上空、原子力発電所の上空と周囲(何マイルか忘れたが、それほど広くない)


(米国 FAR)

・ホワイトハウス、国会議事堂上空、原子力発電所の上空(直上)、軍の訓練空域(のうち、進入禁止の空域)

・大統領が移動する車列の周囲32kmの範囲

・化学薬品等の輸送時等で、事故があった場合、被害が広がりそうな事象の周辺(実際に、この制限で飛べなかった事があった)

・人家・建物等の一番高い所より500ft以内の範囲(つまり、建物・人家から500ft以上の距離を取るという意味)

(ただし、この規定は、米国市民に対しての制限であり、植民地である日本人に対しては適用されていない)

(横田基地や厚木、嘉手納などの米軍軍属宿舎の上空は、米国人居住区であるため、この制限が適用されるが、その他の地域、つまり、一般の日本人の家屋・建物等についてはこの法律は適用されていない.よって、米軍は、日本国土の殆どの地域において、住宅地であろうが、どこであろうと、超低空での飛行や訓練が(米国の)法律上、可能となっている.


飛行制限空域:

  これには、

(進入禁止空域)P(Prohibited air space)

(進入制限空域)R(Flight Restricted air space)

の二種類がある.


進入禁止空域は「入ってはいけない」空域で、誤って入ってしまうと「法律違反」となり、後で始末書を提出しなければならない.

普通は、その前に、インターセプト(迎撃)されてしまう場合が多い.


例えば、

  私がベースにしているKFDKの北側には Pー40という空域がある.

ここには、米国大統領の別荘(キャンプ・デービッド)があるので、誰も進入してはならない空域.

この空域は、大統領が不在の時は半径8マイルの円形だが、大統領が滞在する時(あるいはその前後)は、それが半径20マイルの円形に広がる.

そのため、フライト前には、必ずPー40空域が 'Normal' なのか 'Expand' なのかをFSSに問い合わせてから周囲を飛行するようにしている.


P40については、数マイルまで近づいただけで、ガード周波数(遭難信号周波数:121.5Mhz)で警告されるほど、厳密に監視されている.

間違って入ってしまったら、即、F16でインターセプトされ、近所の空港に強制着陸させられる.


その他、

 大統領が遊説や演説・儀式などで米国国内を移動する際、その周辺やエアフォースワンの飛行経路周辺、大統領の車列が通過する道路周辺などが TFR(Temporaly Flight Restriction area : 臨時飛行禁止区域)として設定される.多くの場合周辺15〜20マイルの円型に規制がされ、規制される時間は3〜5時間ほどの場合が多いが、時には、北緯っx°、西経…°  とか、かなり広範囲に制限がかかることもある.




進入制限区域は、「入る事ができない時がある」区域.これは主に軍用機の訓練空域(MOR)などに設定されている.

・軍の訓練空域は、MOA(Military operation air-space)と表示があり、訓練中(Hot)の時は、超音速の飛行機が飛び交っていたり、何万ftもの高度変更を伴うような飛行をしている可能性があり、空中衝突の可能性もある.

   進入が禁止されているわけではないが、よほど注意していないと、これらの飛行機にぶつけられたりする可能性がある.

この空域に入る(横切ったりする)時は、表示されている連絡先に無線(か電話)でコンタクトし、訓練中(Hot)なのか空き(Cold)なのかを問い合わせるのが、一番良い方法.

また、航空路図には、速度制限を超えて、高速で飛ぶ飛行機の航路も描かれているので、その場所を避けるのは、自分を守るために必要な知識とスキルでもある.

超音速の小型機だと、見つけたと思ったら数秒で過ぎ去ってしまうので、回避する時間的なの余裕が殆どない.


これらの情報も、区分航空図やNOTAMに情報が出されるので、飛行前は、FSSから情報をもらうのが良い。


・日本でも、自衛隊の練習空域などがある.

   日本の自衛隊練習空域は、米国のようにHotとColdの時間などがなく、完全に自衛隊が占有してて、それ以外の航空機の進入を制限しているので、MOAという良りP-の取り扱いに近い運用をしているようである(経験上).

・主に、海上だが、自衛隊と海上保安庁が射撃訓練をするときも、その範囲が示された、進入禁止空域として通知されることがある.



この他、特別管制区としてSAFA(ワシントンDC首都空域)と西海岸(ロスアンジェルス空港周辺)も、基本的に飛行(進入)制限空域となっている.


そこに入るためには、二つの方法しかない.


1.パイロットの情報を登録(氏名、連絡先、住所などその他情報)し、フライトプランを出し、さらに現場で、空域に入る時、無線で「進入の許可」をとった場合。

  (登録の要件として、ここに進入するための講習などを受講し、インストラクターから証明をもらう必要もある)


2.計器飛行により飛ぶ場合

  計器飛行での制限区域への進入は、その飛行計画が承認されていれば、問題なくその空域を飛行することが出来る.

  (そもそも、それが承認されているのだから)



ということで、自由の国だからと言って、どこでも飛べる訳ではない.

しかし、首都圏特別区(ワシントン特別区、ニューヨーク特別区、サンフランシスコ特別区)など以外の

殆どの場所は、MORを除いては、大抵の飛ぶ事ができる.

また、計器飛行であれば、特別管制区を通過するのもほぼ問題なく飛べる.


絶対ダメなのは、大統領周辺関係、原発周辺関係、化学工場・コンビナート周辺関係など.