空へのあこがれ

 

フライトトレーニング 

 

Cross Country flight ①

 

クロスカントリーフライト(別の空港までのフライト)

 

フライト訓練、

訓練当初は、ひたすら場周経路を飛び、ひたすら離着陸を繰り返す.

一旦飛び立ったら、無事に着陸しなければならないのだから、着陸ができるようになることは必須事項.

 

場周経路の練習では、

1.離陸と上昇

2.一定の高さを保持して飛ぶ

3.90°の旋回を3回(ファイナルターンは速度が遅い)

4.着陸のアプローチ

5.着陸

の練習をするので、パタン練習でも飛行機を飛ばす基本的な操作が身につく.

 

 

しかし、同じ空港で、同じ経路(パタン)を飛んでいると、操作そのものが、一定のタイミングや、周り・地上の景色などを頼りに、一定の行動をするようになってくる.

そのために、行動自体は、スムーズに流れるように操作できるようになる.

しかし、手がかりがない空港などでの離着陸の際、困ったりする可能性が出てくる.

そういう手がかりが使えない、別の環境(空港)で離着陸を経験することも勉強になる.

 

そこで、近所の別の空港まで出掛けて行って、そこでの離着陸経験を積む.

別の空港まで行くと言うことは、そこまでたどり着くためのナビゲーションの訓練にもなる.

 

 

ベースであるメリーランド州のKFDK(フレデリック郡空港)近所の空港は、

・KMRB:マーティンズバーグ空港(軍と民間と併用)(西28マイル)

・KHGR:ヘーゲルスタウン空港(北西24マイル)

・KDMW:キャロルカウンティー空港(北東21マイル)

などがある.

 

丁度良い場所(50kmほどの距離)に小さな空港が行くつもある.

 

KHGR、KMRBは、複数の滑走路があり、タワーが運用されている中規模の空港.

KDMWは、滑走路が一本だけで、ノンタワーの郡営の空港.

 

 

まずは、ノンタワーのKDMWに行く事にした.

KDMW(キャロルカウンティー空港)は、地元のフライトクラブや個人の離着陸しかなく、トラフィックも少なく、空いているだろうと考えたからだ.

 

 

KDMWは、区分航空図(セクショナルチャート)で、直接、線を引くと、方位 63°、20.7NM と分かる.

 

出発は、KFDK(地図の左下 赤マル).

目的地(KDMW)は、地図の右上、緑マルで囲んだ場所.

 

 

飛行計画を立てるに当たり、情報を収集する.

この空港の詳細な情報は、AirNavなどで、検索すると色々とわかる.

(公式には、AirportsDirectoryという冊子:2ヶ月ほど毎位に更新される冊子、数百円で売られている)

 

 

KDMWに関する飛行場情報等

・目的地: KDMW(キャロルカウンティ地方空港)  KFDKから 63°  20.7 NM

・使用滑走路: 16/34、   5,100 ft  X 100 ft、

・標高: 789 ft

・場周経路高度: 810ft (高度計の数値だと1,600ft)

・場周経路: Rway16 左回り、 Rway34 右回り

・CTAF: 122.7Mhz

・AWOS: 121.25Mhz

などを確認

 

目的地までの巡航高度は、(飛行方向の制限がある3,500ft以上にならないように)3,000ftにする.

 

 

KDMWのAWOSの電話番号に電話を入れ(コンピュータが返事をしてくれる)気象状況を聞いてみる.

この日は北風なので、Rway34がアクティブとわかる.

Rway34の場周経路は右回りなので、場周経路は、空港の東側にあることになる.

 

飛行の計画:

1.KFDK(フレデリック空港)を離陸後、3,000ft で63° で 20NM 先のKDMWを目指して飛ぶ

2.KDMWを3,000ftで(西から東に)飛び越え、220°ほどの左旋回しながら高度をTPA(場周経路高度)に合わせる.

3.高度1,600ftで、Rway34の右回り場周経路のDownWindに45°の角度で合流

4.いつもの通り、Base, Final と飛んで着陸する

 
至ってシンプルな計画. いつもと違うのは、一旦、空港を飛び越えてから場周経路に入る事だった.
 
場周経路に合流する時は、基本的に、45°の角度で合流する事に決められている.
高度を合わせて、同じ方向に飛ぶ飛行機が無いかをチェックしながら、Down Windに合流する

 

 

【実際の訓練】

<離陸前>

・Directional Indicator の HOG(オレンジ色のマーカー)を、目的地の空港の方位(064)に合わせておく(KDMWに向かう時の、方向の目印になる)

・CDIのダイヤル(OBS)を、目的の空港の方位に合わせる

・VORの受信周波数をFDK(KFDK空港内にあるVOR)の周波数に合わせる

(これで、出発空港KFDKからの自機の方位が、CDIに示されることになる)

 

<離陸〜>

・KFDKから離陸(多くの場合、Rway23から離陸)

 

・Up WindでTPAの1,300ftに達するが、Vyを維持し上昇を続けながら、場周経路(Cross wind, Down wind)を飛ぶ.

 

・Down Wind(方位 50°)をVyを維持して上昇をつづける

 

・Base turn を回らず、そのままのコース 050を維持し、場周経路から抜ける

 "Frederick traffic, Archer 415CA departing pattern from Down wind to East. Frederick" と送信.

 場周経路から離脱することを放送する

 

・CDIの針が、垂直(上と真下)になる様に飛行方位を修正する.

(Down windから離脱したばかりでは、空港から、半マイルほどオフセットしているので、方位指示計と合わないが、空港から離れるに従って、方位指示計とCDIの方向が一致してくる)

 これで、FDK-VORから、ベアリング(方位)が64°の直線上に乗ったことになる

 

・上昇を続け、3,000ftでレベルオフ(水平飛行に移行).

 エンジン: 2200~2300rpm、 速度:115KIAS 位、ミクスチャーを少し薄めにセットし、巡航に入る

 

・After take off check list 、Crouse check list を実施

     燃料ポンプOFF、着陸灯OFF、ミクスチャー(適宜薄める)、エンジン回転数(目的速度に合わせる)

 

・エンジン始動後、30〜40分で燃料タンク(左右)を切り替える.

 

・CDIの針がセンターで垂直になっている状態を維持していると、正面に目的地(KDMW)が見えてくる.

 (3,000ftだと、10㎞位手前から空港が見えてくる)

 

・無線機2の周波数をKDMWのAWOS周波数にあわせ、最新の気象状況を得る.

 (風向き、風の強さ、アクティブRway を確認する)

 

・無線機2のスタンバイ周波数にKDMWのCTAF周波数を入力、気象状況確認後、スタンバイ→受信 に切り替える

 

・無線機2を受信し、KDMWのCTAFを聴くことで、現在飛んでいる、あるいはアプローチ中の航空機があるかどうかをチェック

 

・着陸に備えて、着陸前チェックリストを実施

(着陸灯点灯、ミクスチャー最濃、燃料ポンプON)

 

・高度3,000ftを維持し、空港の滑走路の真上を、西から東に横切る

 (横切る手前2~3NMの所で、"Carroll county trafffic, Archer 415CA, fly over the field from west to east at 3,000, Carroll county " と横切ることを送信して周囲に知らせる)

 

・”Carroll county traffic, Archer 415CA dissending for 1,600 3 mils out, and enter 45 degrees Down wind mid field, 34 right traffic, Carroll county " などと送信し、

 3000ftから、1600ftに降下し、Rway34右回りの場周経路の、Downwindの中央部に45°の角度で合流する(予定) と周囲に知らせる

 

・他に飛んでいる飛行機・ヘリコプターなどに注意しながら、左旋回をして、Rway34右回りの場周経路に合流 "Carroll county traffic, 415CA, Downwind midfield Carroll county " と送信

 

・速度は、(着陸に備えて)100KIAS、エンジン回転数は2000rpm辺りにしておく

 

・(右側に見える)滑走路のビーム番号(34)が見えた所で、速度を90KIAS、フラップ15°、エンジン回転数1800rpmにセット。少しづつ高度を下げ始める

 

・滑走路端が右後ろ45°位に見えたら、ベースターンをし、

 速度:80KIAS、エンジン回転数1500rpm、フラップ30°にセット

 

・右前30°位に滑走路が見えてきたら、安全を確認してから、ファイナルターン.

 

これで、滑走路が正面に見えている状態となる.

ここからは、いつもと同じ操作.

滑走路左に設置されているVASIの赤白ランプを見ながら、アプローチ高度が正しいかを修正しながら着陸.

 

KDMW空港は、タクシーウェイが東側にしかないので、着陸後は、右にタクシーアウト.

タクシーウェイをコトコトと戻りながら、帰りのフライトの為の準備をする.

 
帰りは、Rway34から離陸して、高度が充分であれば、CrossWindに曲がらず、左に旋回し、あとは、FDK-VORの電波を追って、KFDKに向かう.