空へのあこがれ
5.FAR(federal aviation rule : 連邦航空法)
これは、米国に渡るまで、まったく知らない知識。
よその国の法律なので、分厚いFARの本を一章づつ読んで翻訳しながら意味を理解しなければならなかった。
ただ、日本の航空法は、このFARの昔の部分(1950年頃?)をほとんど翻訳しただけのものなので、日本の航空法を知っていると、概ね、同じ事を規定している.
ただし、単位系が違うので(日本はメートル単位、米国は、マイル・feet)、その辺の数字の丸め方が違っているので、"あれっ" というものもある。
技能証明を取る際、このFARの勉強がが、一番きつかった。
前の別記事にも書いたが、日本の航空法は、ほぼ、FARの翻訳であるが、FARの内、自家用機に関する所の項目が、なかったり、端折られているような部分もある.
日本では、基本的に、自家用の飛行機が飛ぶことを想定していない規則体系となっている.
一方、FARは、年に何回も改定され、どんどん時代の状況に合わせて内容が新しくなってゆくが、日本の法律は、それほど変わらない.
(基本的に、航空法が出来た時とほとんど変わっていない).
航空法では、
パイロットに付いて
・資格の取得、種類、制限、その他、技能証明に関すること、航空身体検査:米国では、一種、二種、三種と 3つのクラスがある(日本では、一種と二種だけ).
飛行機に付いて
・航空機の種類、登録、認証、耐空証明・耐空検査、定期検査、ADSーB装置、
飛行機の運行に付いて
・装備品、(海上を飛ぶ場合)ライフジャケットなど、非常無線装置の取り扱い、
空港に付いて
・空港の種類、設備、空港内のマーク・記号、照明、運用、管制、管制官、、、
空域に付いて
・エアスペース(空域の種類別、クラスA、クラスB、クラスC、クラスD、クラスG)の定義.
・エアスペースでの決まり(運用、視程、飛行速度、、、、)
・特別管制区域(SARFAや西海岸の特別管制区など 3箇所)の運用
無線のやり取り
・無線通信の方法 (これには、フォねスティックコードや数字の読み上げ方も含まれる)
(A:アルファ、B:ブラボー、C:チャーリー、D:デルタ、、、、、、、、1:ワン、2:ツー、3:スリー、、、、9:ナイナー)
・搭載する通信機の種類、数、義務受信周波数等
空域により、最低限搭載する無線機の種類や数が決められている.
洋上飛行をする航空機は、基本的に国際救難周波数(121.5Mhzを常時受信する義務がある等)
・トランスポンダーのコード
(1200:VFR、、、、 7500:ハイジャック発生中、7700:緊急事態)
FARのルールの中には、飛行場の設置基準も含まれていて、その応用として、飛行場に設置されている ランプ、マーク、記号 等についての知識は、フライト訓練の際にも、インストラクターからもよく尋ねられる。実地試験でも、その時々に、質問されることもある。
飛行場の標識は、ある一定のルール(法則)に則って掲示されているので、そのルールを覚えれば、それほど難しくない。
自家用機の場合には、事業用ではないので、お客に関する問題は出されない.
丁度、日本での各県の公安委員会が発行している自動車運転免許証の一種免許のように、二種免許で出されるようなお客に関する部分の問題がないということによく似ている。
自動車でいう「二種免許」は、技能証明では「事業用」と呼ばれる範疇と、ほぼ同じ.