「木製の12尺ディンギー」 アーサーランサムの作品シリーズに共通して出てくるヨットの通称。
1912年に英国で基本設計された湖沼用のヨット。それが普及してきた頃、アーサーランサムによって書かれた、少年・少女達の冒険物語。「ツバメ号とアマゾン号(岩波少年文庫・神宮輝夫・岩田欣三訳)から始まる一連の物語(ランサムサーガ)に登場する船。子供達が自分で操船している。


小学生の時、お友達から頂いた「スカラブ号の夏休み」(アーサーランサム全集・第11巻)を初めて読み、その後、1巻から順番に読んだ物語。私にとっては、12尺ディンギーは「スカラブ号」。
この同じ物語を、幼稚園の息子に、読み聞かせで読んだあと、小学生になった息子は、自分でもう一度読んでしまった。彼が憧れるのは「ツバメ号」の4兄弟姉妹。
この頃から、ディンギー(船室がない、小型の帆船)に憧れていた。

息子は、小学校の時にYMCAのアクティビティで、オプティミストディンギー(OP)に乗る機会に恵まれ、憧れていたヨットデビュー。


息子が進学した高校に「ヨット部」があり、クラブ活動で、レーザー級・FJ級・420級などのディンギーでヨットレースに参加。


しかし、2019年より流行ったコロナの影響でクラブ活動が停止。クラブ活動で乗っていたヨットに乗ることができなくなった。
そこで、個人でのヨットの入手を検討していたところ、船の雑誌に、それまで憧れていた「12尺ディンギーを譲る」という記事を見つけた。
早速コンタクトし、譲ってもらえる事となった。


2019年 4月 29日
 2.5トン(ロング)のトラックで湘南まで、ヨットを受け取りに出かけた。

早稲田大学ヨット部OB会(クルーザーチーム)の持ち艇だったこの船を譲って頂いた。


我々の根拠地である霞ヶ浦のヨットハーバー(ラクスマリーナ)に運び、早速、艤装してみた。




マリーナのOB(65歳以上の人達)は、皆、高校生の頃にA級ディンギーに乗っていた経験があったので、色々と教えてもらえてよかった。


三角帆のスループリグの最近のレース艇とは違って、ガフ(或いはキャット)リグのこの船の艤装は、初めてで分からない事が多くあった。

兎にも角にも、A級ディンギーの経験があったというヨット部の指導員の方に教えてもらいながら、息子は「ツバメ号」を初帆走させることができた。


この船のセール番号は「82」