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障害のある人たちが働く事業所です。
働く意欲のある障害者を受け入れ、訓練や作業を通じて、一般の企業への就労などを支援するのが目的です。




社会福祉法人 明日佳 小野寺眞悟理事長
「いかに適した仕事をしてもらうかということ。
そうすることで、どんどん能力を発揮できる。
そして成長してもらうことが一番。」



ところが、障害者を支援する事業で今、不正が相次いで発覚しています。
去年(2013年)5月、障害者数十人を受け入れてリサイクル事業を行っていた仙台市の会社が給付金を不正に受け取り、指定を取り消されました。
元従業員は給付金の元となる利用日数の水増しを指示されたと言います。

元従業員
「実質の利用日数、10日だったものを14日にしてとか、利用したことにしてとか、指示を受けていた。」

さらに、利用日数をかせぐために事業とは関係のない、無駄な作業をさせることもあったと言います。

元従業員
「折り鶴ですね。
折り紙を買ってきて折らせるが、延々折るだけなので、実質、その、お金にならない仕事っていうんですかね。
いかに仕事がない状態でも来てもらえるか。」

「障害者のためにという意識は?」

元従業員
「まったく感じなかった。」


核心:福祉が食いものに


給付金ねらう不正 その実態とは

障害者の就労支援の事業を巡る不正は全国に広がっています。
NHKの取材で、全国の38の自治体で不正が見つかり、事業所の指定が取り消されています。
給付金を不正に請求された額は、この5年間で5億1,000万円余りに上ることが分かりました。

“障害者支援” 急増する民間参入

背景には、新たに事業を始める企業の急増があります。
新規参入を目指す企業などを対象にしたコンサルティング会社の説明会です。
平成18年の障害者自立支援法をきっかけに、規制が緩和。
建設業者や不動産会社など、福祉とは縁のなかった企業が次々に事業に参入するようになったのです。

事業所の数は、この5年ほどで5倍以上。
1万か所を超えています。




コンサルティング会社『プリファ』 中川亮社長
「給付金とか助成金頼みの運営になると、本来の目的と違いますから、道徳心ときっちりとしたビジネスの心がないと、この事業は成り立たない。」

給付金制度を悪用 その実態とは

しかし、こうした中で給付金の制度の仕組みを悪用する事業所も出てくるようになりました。

事業所からハローワークに出された求人票です。
目につくのは、労働時間の短さ。
1日わずか1時間というところもあります。
障害のあるこの男性。
通っていた事業所から支払われた賃金は、1日3時間分と決まっていたと言います。

男性
「午前中だけ全員来て、12時に帰るという感じ。
働いた分が(月に手取りで)2万5,000円以上になることはなかった。
かなり生活はきつかった。」



事業所は、利用者が働いた時間に応じて賃金を払います。
国や自治体からの給付金は利用者の労働時間に関係なく、 出勤すれば1日あたり6,000円から7,000円前後を受け取ることができます。
本来は、事業を活発にして収益を上げることを前提にしています。


しかし、逆に利用者の労働時間を抑えて支払う賃金を減らし、給付金との差額を「利ざや」として稼ぐ手口が横行しているとみられています。

男性
「もっと働きたいと、みんな思っていた。
(障害者を)うまく利用しようと思っていたと思う。」

全国の障害者関連団体などが加盟するNPOには同じような報告が相次いでいると言います。

NPO法人『共同連』 斎藤縣三事務局長
「障害者をかき集め、給付金をもうけようという、そういう事業者が増えているので、まったく新手の貧困ビジネスといって間違いない。」



さらに利益を上げるための悪質な手口を指導するコンサルティング会社があることも分かりました。
コンサルティング会社から参入を勧められたという男性です。
耳を疑う説明を受けたと言います。

参入を勧められた男性
「『とにかく利用者を集めなさい』と。
『彼らが事業所を訪れれば、それだけで給付金がもらえる』、『それで、運営できるから』と。
何をやっていればいいんですかと言ったら、『社長の車、洗わせたらどうですか』と。
『道端に落ちているゴミを拾ってもらったらどうですか』と。」

専門家は、事業への参入を増やすことが優先された結果だと指摘します。

埼玉県立大学 朝日雅也教授
「性善説を十分生かして、障害のある人たちの就労機会の拡大を目指していくんだと、こういうことが前提にあったと思う。
当初の予定という部分を超える事態が発生しているのかなと思われます。」


障害者の自立支援という原点に戻り、不正をどう防いでいくかが・・。。


一日一生崖っぷち を 生きて・・・・・。    E N D