「安藤組」結成 | なんでも書いちゃってます

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昭和27年・・・まだ敗戦の名残がくすぶる 

渋谷の宇田川町に「東興業」・・・「安藤組」結成

安藤組・組長「安藤昇」26歳の時である

「安藤組」はあくまで「東興業」であり(たてまえだが)

「安藤昇」は 社長と呼ばせ 呼ばれていた

ドスを持つなら ハジキ(ピストル)を持て

ダボシャツ着るなら スーツを着ろ

全てにおいて粋で現代的であった、

古くから続く代紋を抱えた本格的なヤクザではなかった

大きな特徴は 大学生が大半を占めていた

法政大学の空手部とか国士舘大学の柔道部とか・・・

ちなみに「安藤昇」は(法政大学)

戦後の新興勢力だけに外部からの風当たりも強かった

しかし争いとなれば勝たねばならない、この社会は

実力のともなわない 空いばり など通用しない

斬られたら斬り返す 殺られたら殺り返す

これがこの世界の血で血を洗う<獣の掟>である

それには鉄の団結と統制が必要だった!

「安藤昇」はどうして ヤクザの世界にいったのか


予科練にはいるも 終戦・・・敗戦・・・

日本全土は焼け野が原・・・

親も兄弟も・・・生死さえわからない

先般の「東北大震災」みたいな感じで・・・

家も頼る人も無く食うものも無く・・・

焼け野が原には 進駐軍のアメリカ兵の

腕につかまり昨日まで「大和撫子」だった

日本の若い女性たちがガムをクチャクチャしながら

通り過ぎてゆく・・・

奴隷同様だった 朝鮮人・中国人たちも

一夜にして戦勝国民としてやりたい放題

若い娘を強姦するなど・・日常茶飯事の事だった

警察など 全く無力だった・・・・・

逆にヤクザに応援を求めて来る始末であった

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予科練で敗戦になり「安藤昇」は家族が疎開している
藤沢に帰る事とした

予科練兵の親友「増井」と別れを惜しみ

「天皇陛下にもしものことがあったら集まろう」

「よし!わかってるどうせ一度死んだ身だ
帰ったらハガキでもくれ」

手を握り合った二人の顔はくしゃくしゃに崩れていた
生死を共にと誓った二人の少年兵は
再会を約して別れた・・・・

列車は家族の疎開先藤沢の
「新長後」駅に着いた小さな田舎だった

改札口の表に青々と葉をつけた
プラタナスがキラキラと太陽をはじき返していた

「兄ちゃん」

その木陰に自転車をもたせかけた
少年が笑っていた

4年ぶりに会う弟の嘉郎であった

「なんで俺が帰るのがわかったんだ」

「だって戦争が終わったんだから
昨日もここで待ってたんだ

お母さんも首を長くして
まだだろうか まだだろうかって・・・」

弟には戦争に負けたことより
兄が無事に帰ったことの方がよほど
嬉しかったらしくニコニコしていた

弟の自転車の荷台に荷物を積み弟と歩き出した

たんぼも 畑も荒れ放題 どこも雑草の方が多かった

箱根連山が遠くに霞んで見える 
その上におおきな入道雲が原爆雲のように輝いていた・・

「国敗れて山河あり」

そんな実感がしみじみと湧いた・・

・母は涙を流して喜んでくれた

「お帰りよかったよかった」

あとは涙で声にならなかった

「ただいま帰りました」

「安藤昇」は予科練式の直立不動の
挙手の礼をつとめて明るくして見せた

夕食は母の晴れ着と交換した
もち米の赤飯が炊かれ

アジの干物の尾頭付き母の心づくしが

「安藤昇」には涙が出るほど嬉しかった

普段無口で温厚な父も多弁だった

夜遅くまで笑いが溢れた


つづく


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