母親ライオン「ローリー」は初産だった
初めての子供「ローザ」が可愛くてしかたなかった
「ローザ」は甘えん坊でいつも母親にまとわりついていた
野生の世界では「父親」は子供には無関心で
ほとんど「母親」が世話をする
しかし「ローザー」は父親が大好きで父親が群れの
縄張りを点検するときなど いつも ついてきていた
父親は「ついてくるな」と威嚇するが
「ローザ」はそんな父親の威嚇など
どこ吹く風と一向に気にせず
ちょこちょこついてまわる
父親もあきらめ気味だ！
時はサバンナの乾期だった
水も食料（動物）も極端に減っていた
ライオンだけでない縄張りの隣り合う
ハイエナ達もそれは同じだった
子供も盛んに親に食べ物をねだる
母親ハイエナはライオンの子供が誕生したのを知っていた
母親ライオンが獲物探しにでた隙をみて
残された「ローザ」を狙った
ハイエナの作戦はまんまと成功した
「ローリー」は隠れ家に帰るが「ローザ」がいない
草原を何時間も探し回ったが見つからない
「ローリー」も初の子供「ローザ」を亡くした事を受け入れ
あきらめた・
乾期の食糧不足の中で大型のヌーを仕留め
食事中ハイエナ軍団が横取りに来た
「ローリー」は愛する「ローザ」を奪われた復讐心に燃えていた
メスライオンがハイエナを殺すことは滅多に無い
それは雄ライオンの仕事である
しかしこの日は違った「ローリー」はハイエナを追った
あとは雄ライオンの出番である
「ローリー」たちからバトンタッチした
父親ライオンはハイエナを追った
縄張り点検に「ローザー」のちょこちょこ付いて来ていた
姿を思いながらハイエナを懸命に追った
前足の爪がハイエナにかかった 父親ライオンの一撃でハイエナの首は へし折られていた
ボス ライオンはハイエナを咥えたまま
我が子「ローザー」の甘えてきていた姿を思い返していた
