ここからが本番の後見人の話に移る。

 

 最初に妹のほうに付いた後見人は司法書士だった。その人に申請をしてもらい裁判所はその司法書士を後見人と審判した。

 

 団子女に妹のほうもお金を盗られていたが、まだ1000万はあると思ってた。後見人に引き継ぐとき800万ぐらいしかありませんよと言われて驚いた。

 

 まだあるか探してみますけれど、とのことだったがそれ以上は出てこなかった。その後見人は複数あった口座を解約し一つにまとめた。

 

 口座は名義は〇〇 〇 成年後見人〇〇 〇男 と長くなった。その日から後見人だけが金銭の管理をすることになる。

 

 何か必要なものを買うときは許可をとり立て替え、領収書を送り私の口座に入金される仕組み。

 

 病院代も介護タクシーも全部立て替えた。入院は10万円の補償金がいり、カードはだめだと医療事務員に言われ持っていく始末。

 

 介護5になっても美容院に連れていく。車いすを押し連れて行くのは私。後見人はそういうことは一切やってくれない。

 

 後見人などと言う呼び方は間違っていると思う。金銭管理者と言うのが当たっていると思う。

 

 後見人は本人のお金を減らさないのが良いとされている。何かで増やすことができたら、1000万以上増やすと100万円を報酬とすることができる。

 

 妹は交通事故にあっていて、私が弁護士事務所に手続きを依頼してあった。事故の調査では何度も病院まで連れて行ったり、事故前の病歴ではないかとの疑いを晴らすため、2か所の通院先の診断書をもらってくるようにと言われ、とても忙しかった。

 

 事故から2年ぐらいでまず半額のお金が振り込まれた。それから1年ぐらいしてから慰謝料の計算ができ全額が振り込まれた。

 

 もう一度言うが、この事故のことは全部私が解決までこぎつけたのです。最後に振込銀行を知らせたのだけが後見人です。

 

 最初は別の口座を指定していて、後見人が一ヶ所にまとめたのでその口座はもうありませんでした。

 

 最初の持ち金1000万に満たない時は、月30000円で年間37万ぐらいが裁判所の認めた後見人の報酬でした。

 

 事故の慰謝料等の2800万ぐらいが入金されると、預金が3000万以上になります

後見人は早速管理費用の報酬を年間60万に引き上げてきたのです。

 

 裁判所が認めて後見人の管理する口座から引かれていました。お金が増えたからって後見人が何をしてくれたでしょう。振込口座を弁護士事務所に知らせただけです。

 

 事故から5年存命したので、4年半ぐらいを後見人に支払ったことになります。二年は年間37万ぐらい、そのあとは年60万とか死後受け継いだ書類を見てわかりました。

 

 後見人の報酬は年間の仕事量により裁判所に提出し、認められると家族の承諾なんかいらなくて、引き出すことができます。

 

 たいていは認められます。後見人が決まったら本人が死亡するまで変えることもやめることも出来ません。

 

 死亡するまで後見人のやったことは、毎月の老人施設の引き落とし、数件の病院の引き落とし、私が請求する立替金を振り込み、借りていた車椅子の利用料の引き落としそれくらいのものです。

 

 最初引き落とし銀行を業者に提出すればあとは自動で引き落とされます。家庭の電気ガス料金の引き落としと同じです。

 

 この程度の仕事で4年半で200万ものお金を支払っています。一年一回ぐらいはホームに面会に来ていました。(交通費も請求しています)

 

 悪い人とは言いません。この制度が問題なのです。今は行政も後見人利用を薦めています。老後の安心のため、知的障碍者を守るためとか言いながら。

 

 後見人の利用はその人の財産額により違ってきます。概ね1000万以下は月1万とか3000万あれば5万とか5000万なら幾らとかで決まってきますが、良心的に安いところもあります。

 

 今姉のほうにも後見人がついています。団子に盗られたお金の9割を取り戻してもらったので2000万はあると思いますが定かではありません。

 

計算書などは親族に知らせる必要がないからです。姉は今年101歳になります。周りには知らない人ばかり、浦島太郎になっています。

                       第五章につづく