何度も行き来して
息を切らした坂道
色褪せた思い出が
走馬灯のように巡る

自転車の荷台に乗るのには
いつも抵抗があって
黙って首振ったまま
隣をとぼとぼ歩いてた

捕まえては逃がした
幼いころの蝶
青空に放った瞬間が
1番好きでした


意味を持たないよ
小さな約束なんて
だけど叶えたいよ

時は過ぎてゆくから
痛みは小さいね
今会えたらきっと
笑って感謝するよ


手を繋いだとき
すぐに離したけど
恥ずかしいと
目を反らしたけど
雑踏の中に
小さく言った言葉
蝶のように
紛れて消えた。