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(続き)

 

 ヒトラーは、この第一グループを次のように判断している。

 

 自分で考えるだけの素質もなければ、そのような教育も受けない人々は、皆このグループに入る。そして彼等の一部は無能から、一部は無知から白地に黒く印刷して、提供されたものを全部信じるのである。更に、確かに自分の頭で考えることが出来るだが、それにも拘らず、単なる考える不精さから、他人は必ず正しく頭を働かしたかに違いなかろう、と慎ましく仮定して、その他人が既に考えた事を、有難く全部其の侭貰ってしまうような、不精者も又このグループに入る。

 

 このような、「他人からの外的影響に還元できる」これらの人々に対して、新聞による「彼等への啓蒙が、真剣に真理を愛する方面から企てられるならば有利であろうが、併し尚、人間の屑や嘘つきがこれに手を出す場合には害悪となる」と云っている。ヒトラーは、この場合自分自身を「真剣に真理を愛する」側に置いているのであり、害悪なものとしての「人間の屑」や「嘘つき」の手に新聞が渡る事に就いては、ユダヤ人を想定しているのだ。そして、イザ彼が新聞を利用する段になった時、「真剣に真理を愛する」等という、おまじないにの側に立って運用したかと言えば勿論そうではなく「嘘つき」の側に立ったのである。

 

(続く)