にほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学・思想情報へ

(続き)

 

 マルクスは、イギリスの産業革命の中から現れた、近代的工業社会の実状に着眼し、蒸気機関を用いる工場が続々と設立され、そこで生産された安価で多量の製品が、鉄道や汽船によって大量に迅速に各地に売り出されるようになって、イギリスの社会は一変した。旧来の身分制度急速に崩壊し、利己的打算が一切を支配するようになった。資本家工場主や有力な市民階級が次第に支配力を持つようになった。こうして資本主義社会が成立した。

 

 甞て、封建社会において町人として抑圧され卑められていた市民階級が、大工場と世界市場が形成されて行くにつれ、その財力による政治への働きかけを強力なものとし、近代的代議政治を確立し、議会政治を通じて、遂に独立的強力な政治的支配権力を得るようになった。工業社会が進展するに伴い農村人口の都市集中が起こり、農村は都市に従属し、未開国は文明国に、農業国は工業国に、東洋は西洋に従属し依存する事になった。

 

(続く)