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(続き)

四 神道は宗道である

 神道は宗道であって宗教ではない。この道は開祖や教祖が創造思案して作ったものではなく、宇宙を掌る法則及び生物(植物・動物・人間)を掌る生命作用をありの侭感受し感得して、これを人間の行為に写し取り、人の道としたものである。

 宗道も宗教も共に、人間の生活様式として存在しているものであるから、宗道の神道も宗教的要素を含んでいる事は否定できない。が然し、宗教はその趣き及び本質が違うのである。固より、神道の中にも教派神道があって、宗教に属しているものが少なからずある。だが、本来の神道はこれと本質を異にするものである。道徳と道義の違いも此処から発しているのである。宗教と道徳、宗道と道義は似て非なるものであり、理性と生命の違いである。

 凡そ、宗教は乱世戦乱の世に宗教的天才の教祖が現れ、救世済民に当った時の教義教典を信じ、礼拝して集まった信者集団組織の救済機能が所謂宗教である。古くは人間の生命を脅かす外的な現象の暴風雨・洪水・噴火・地震・雷・疫病・害虫などを恐れ戦き、その難を免れようと、恐怖の心理がこれらのものを神(仏)の怒りと見て、その怒りを鎮めようと祭礼をし、また神の加護救済を求めて祈祷礼拝をしたに始まる。原子古代人にとって神は全知全能にして人間の運命を支配し、救世済民もするが、罰を加え禍を与えるものと考えた。

(続く)