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(続き)

確かに、此の世の揉め事は〝カネ〟に依るイザコザが大きな原因であると云っても過言ではない。所謂「神様よりは金様、人格よりは金額」である。人々は生活確保の為金銭の所有を第一義として、朝から晩まで額に汗して働かなければならない宿命にある。併し乍らこのヤマギシズム生活実顕地では、驚く勿れ現実に貨幣が流通しておらず、私財(私有財産)を一つの財布に納めているのである。所謂、生活実顕地で暮らす人々は私有財産の全てを山岸会に「無条件委任」している訳である。参画に際し、ヤマギシズム生活調整機関本庁に宛て「物件、有形・無形財産及び権益の一切を、権利書・証書添付の上、無条件委任致します」と書かれた契約書に署名捺印を求められ、更に脱退の時には「ヤマギシズム生活調整機関本庁宛て委任した財産について「今後一切返還請求や金銭請求しないことは勿論、何等の異議も申し立てません」と契約する内容の脱退届に署名捺印する、厳しい取り決めになっている。依って、仮に数千万を委任しても脱退時には数十万しか手渡されなかった、という例もあると謂う。更に参画時の契約書には「本財として『身』と『命』も含まれている」という、山岸会へ参画するには〝全存在〟を賭けて来いと云うことである。

(続く)