手返しと言えば小物や筒🦑系の数釣りを連想される方が多いと思います。
一方、タコ船では手返しを意識して釣りしている方をほとんど見かけません。
これまで書いた記事の中でちょいちょい書いていますが、手返しを早くすることは🐙をたくさん釣る上で極めて重要な位置づけとなります。
大前提として水中にエギが無ければどんなに頑張ってもタコは釣れません。従って、実釣時間内にいかに長い時間水中にエギを沈めておけるかによってタコの前にエギを通せる回数も変わってきます。
1回あたりのロスタイムが仮に何十秒であっても回数を重ねるごとにそれが何分、何十分という単位で変わってきます。
水中にエギを沈めておく時間が短くなるほど、
本来釣れたであろうはずの🐙が減っていきます。
手返し速度を速くするためには各工程における作業速度を速めるとともに船中に取り込んでから①取り外し→②キープ→③再投入までの工程を
最小限にする必要があります。
タコの場合、ぬるぬる、張り付き、脱走対策をしつつ手返しを上げなければいけないため、他の釣りものよりもハンドリングに神経を使います。
私が実践している方法は以下の通りです。
①取り外し
タコの取り外し操作は全て空中で行います。
釣り座や足場に置いたり近づけたりするとタコが張り付いてロスタイムが生じる可能性が高くなります。
取り込み後はまずリールのクラッチを切ってロッドを置きます。
次にロッドを持っていた手でタコの首根っこを掴みます。
※利き手が逆の場合はエギを持ち替えてもOKです。
次にエギを持っている手で針を外します。
タコが暴れて外しにくい場合は首根っこを強く握りしめてください。
針が外れれば取り外しは完了です。
②キープ
キープ用の網は主に以下のものがあります。
1.貝網、野菜網
多くの船宿で配られる標準的な網です。
タコを入れた後は投入口の紐を引っ張って口を閉じてから網そのものを1度縛る必要があります。
紐を引っ張って口を閉じるだけだとタコが投入口に腕を突っ込んでこじ開けて脱走します。
工程
網を解く→網の口を開ける→タコを投入→網の口を締める→網を縛る
工数5
工数が多いこととタコを入れる際にタコを掴んだまま縛った個所を解く必要があるため手返しは非常に悪くなります。
2.洗濯ネット
一般的によく使われている網です。チャックで開閉出来るため使い勝手は良いのですが、チャックの締め込みが甘いとその隙間にタコが腕を突っ込んでチャックを開けて脱走します。
工程
チャックを開ける→タコを投入→チャックを締める
工数3
貝網、野菜網より工数は減りますが手返しよく釣るのには向いていません。
3.ランドリーバスケット
網状の折り畳み式洗濯カゴです。開口部が大きくタコをそのまま放り込めるため工程数は少なく出来るのですが、高さが50cm弱しかないためタコの数が溜まって来た場合や2kg、3kgサイズのタコを入れた際に腕を伸ばして船べりにタッチされると脱走される可能性があります。
メーカーによってサイズがピンキリです。
私の知る限りではダイソーのホッピングバッグカラーL がもっと高さがあって脱走されにくくおススメです。
工程
タコを投入
工数1
4.タコビク、タコスカリ
タコ専用に販売されているビク、スカリです。投入口に返し網がついていたり網の底がチャックになっていてタコを取り出しやすい構造になっていたりと各製品ごとに工夫が施されています。
上記を試してみましたがいずれも網底のガイドリングの形状調節が出来ません。また、投入口が円形かつ吊るすタイプなので固定が困難です。そのため、船べりのロッドスタンド穴に何かしらを刺して吊るすしかないのですが、そうするとビクの高さが生かせない、船べりにタコの腕が届きやすくなって脱走のリスクが高くなるという理由から両方お蔵入りしました。
※タコパラビクはイイダコ釣りに使用しています。
アジ釣りで使うコマセリングのようなものを噛ませ、投入口を船べりから離して固定できれば使えるかもしれません。
工程
タコを投入
工数1
手返しを上げるにはランドリーバスケットもしくはビクorスカリの使用が必須と考えます。これらのメリット・デメリットを考慮して試行錯誤した結果、私は以下を組み合わせたカスタムビクに落ち着きました。
スカリの投入口には返し網代わりに安全ピンで帽子に被せる虫よけネットを固定しています。
ハンドキャリーの荷台部にはすべり止めテープを張っています。
ハンドキャリーを組立後、スカリの端部を折ってハンドキャリーの持ち手部分に乗せてパイプクランプで固定します。
スカリのボトム部は形状調整が難しいため、船宿のバケツに入らない場合はクーラーボックスをバケツ替わりに使います。
ハンドキャリーを収納できる大きさのクーラーボックスであればスカリも収納できるため持ち運びも便利です。
タコを外したら・・・
ポイっとスカリに放り込む。
以上です。
※虫よけネットにタコが引っ掛かって腕がスカリ側面まで届いていしまうと脱走されることがありますが、一度底に落ちてしまえばいつでもどこでも高さ、壁面との距離があるので脱走される心配は皆無に等しいです。
タコにとっては真に奈落
このスカリ上部はばっちり吸盤が効くため、船べりに括り付けると高確率で脱走されます。使用する場合はご注意ください。
ハンドキャリーはALL樹脂製かつ耐荷重50kg以上あるものを使う必要があります。まず、荷台部が金属製のものだと船底を傷つけます。船宿に迷惑が掛かりますので絶対にやめてください。
次にバケツなりクーラーボックスに水を張るとその容積分の重量が加わります。35Lクーラーボックスであればタコを入れていない状態で約40kg(海水36kg+クーラーボックス4kg)の負荷がかかりますので耐荷重30kg台のものだと短命に終わる可能性が高くなると考えられます。
ハンドキャリーは海水で腐食しやすいので下船後の水洗いは必須です。それでも腐食して固着してしまい、実用上1シーズン持つか持たないかというところなので基本的に消耗品として考えています。
2023年6月までこちらをメインに使用していました。しかし、1点だけ想定外の欠点が発覚しました。
ブログ用の写真を撮ろうとすると
🐙が綺麗に写らない
そのため、現在はランドリーバスケットと貝網を併用しています。
釣れたらとりあえずランドリーバスケットに放り込み、数が溜まる、もしくは大型が釣れたら流し変え時に貝網へ移しています。
ちょい手間ですが、それでやりくりしています。
③再投入
タコを放り込んだら手を拭いて投入準備完了です。手を拭かずに焦って投入しようとすると手が滑って竿を落とす可能性があります。また、針を手に刺して怪我する恐れもあるので焦らず素早く正確にを意識しています。
投入準備が整ったら即座に投入します。
船下に落とすかキャストするかはタコが掛かったポイントと船の流れ方によって巻き上げている最中に決めています。
仮に針が外れた状態でタコが腕なり釣り座なりに張り付いた場合はエギの投入を優先します。投入から着底まで数秒~10数秒程度の猶予があるのでその間にタコのキープ処理をして着底時に誘いを開始出来るようスタンバイします。
これらを実践してタコを釣り上げてから再投入にかかる時間は
ほぼ
5秒以内
遅くとも10秒以内
※不慮のトラブル、タモ取り時、検量時、写真撮影時除く
2023年6月に横浜白鱚の会でお世話になっているはまゆうさんと🐙釣り動画撮影会に行きました。
乗せてからのアワセ、取り込み、投入までの動作を動画にして頂いたので参考にして頂ければ幸いです。
高速手返しを覚えると🐙を連発出来る可能性が飛躍的に上がります。
釣果を伸ばしたい方は是非ともチャレンジしてみてください。
次回はキャストの使いどころについて書いていきます。