野洲市永原にある宗教法人
菅原神社さんから湖南広域
行政組合主催の事業に関連
し、神社所有の動産損害に
関する市民相談を2月より
継続して受けています。



わが国では、昭和24年1
月26日の法隆寺金堂の焼
失が契機となり、歴史的建
造物を守るため文化財保護
法が制定されました。その
為、毎年1月26日前後は
「文化財防火デー」として
全国的に取組が実施されて
います。

文化財は地域の歴史を理解
する上で欠くことのできな
い貴重な財産であり、後世
に伝えることは現在の市民
の責任です。

野洲市には国・県・市指定
の社寺が多く存在しますが、
野洲市の消防を管轄する湖
南広域行政組合が主催とな
り、防火点検指導「文化財
保護火災予防パトロール」
が実施されています。その
業務は滋賀県電気工事工業
組合湖南支部へ委託されて
います。



今回の市民相談の経緯は1
月25日に実施された菅原
神社への文化財保護火災予
防パトロールの際、配線用
遮断器の中極が接触不良を
起こし、分岐回路先のAC
100Vの機器に異常電圧
が加わり損害が発生したこ
とによるものです。

神社側は主催者である湖南
広域行政組合と話し合いを
重ねてきましたが、主催者
には使用者責任が存在しな
いため、業務委託先である
滋賀県電気工事工業組合湖
南支部と直接交渉するよう
回答し解決に至っていませ
ん。

回答を受け神社側から組合
議員である当職に湖南広域
行政組合の議会に対し「使
用者責任の有無について調
査を求める」請願書の提出
相談があり(請願には紹介
議員が必要)検討の結果、
提出するに至りました。組
合議会事務局によると組合
議会に対する請願は過去に
例がないそうです。



仮に使用者責任があった場
合、神社側は組合に対し損
害賠償に関する交渉を開始
することができます。



今回委託されて行われてい
る文化財保護火災予防パト
ロールは、私経済行為では
なく公共的性質を有してい
ます。本来は自治体が行っ
てもよい事業です。言い換
えれば、自治体のために行
使されているとも理解でき
ます。事故が発生した際に
は湖南広域行政組合職員、
野洲市職員も現場に同行し
ています。



私は専門職ではないので、
個人的な思いになりますが
使用者責任を完全に放棄する

ことはできないのではないか

と認識しています。