■新・野洲市立病院計画の矛
盾について


野洲周辺には成人病センター、
守山市民病院、済生会、近江
八幡市立総合医療センターな
ど比較的設備の整った大きな
病院が存在します。

しかし野洲市民にとって、市
内に総合病院があることは、
緊急時の対応や入院治療を受
ける事が出来るなど、病院が
医療サービスを提供する施設
だけでなく、安心安全な市民
生活を保障する精神的な支え
になっていると私は考えます。



高齢化が進み、在宅医療の重
要性が増す事を考えれば、市
内の医療機関との連携や広域
な医療の役割分担の視点から
「一定の役割を担う病院」は
必要です。


しかし総事業費86億円を要
する病院事業の最新の収支計
画では開院後、市財政から毎
年平均2億5千万円の支出が
必要となります。

病院事業単体では開院8年後
に事業損益が黒字に転換する
ことになっていますが、この
収支計画は仮説を重ねただけ
のものです。公立病院を整備
するにも関わらず民間病院で
ある現・民間野洲病院の最高
単年度収支を係数として採用
しベッド稼働率を異例の90
%と想定したためです。(公
立病院の平均は70%)

理由は公立病院のデータを反
映すると事業計画が破綻する
からです。

本市の命運を左右するこの事
業計画は万が一、予定通りに
進まなかった場合の対応策が
必要です。昨年その意味合い
を理解した担当職員により、
公立病院の平均データによる
試算が行われ議会で公表され
ました。

その内容は市財政から毎年平
均3億円の支出を要するにも
かかわらず、事業損益が開院
20年間全ての年度において
赤字となり、開院20年目の
累積損失は約42億円の赤字
と想定され事業計画が不成立
とするものでした。

山仲市長はその冷静な職員の
進言には耳を傾けず、試算公
表後、この職員は直ぐに更迭
となりました。

物事を決めていくにあたり、
冷静で客観的な意見を封じ込
め責任のあり方を極めて曖昧
にしています。



記者会見翌日の京都新聞  ↑

よって本整備計画は実行する
のであれば市民も相当の覚悟
が必要です。経営が頓挫した
場合、本市の財政負担が急速
に増加し、行政サービスの低
下に繋がります。北海道夕張
市のようになる可能性も決し
て誇張ではありません。

市の計画は希望的観測による
危険性の高い内容です。仮に
実行するのであれば相当の覚
悟が必要です。

【4】に続く