本市の地域医療体制は新・野
洲市立病院整備計画の是非を
巡って賛否が拮抗し厳しさを
増しています。

これまで以上に勤務医確保に
向けた取組みは勿論ですが、
地域医療を志そうとする医師
が、この街を勤務地に選んで
いただき、やりがいや、生き
がいを持って働くことができ
る「にぎわい」を整えること
も重要です。



先日「病院経営」というテー
マで所属会派議員で学習会を
行いました。講師には湖南市
(人口54000人)にある
生田病院(医療法人社団美松
会)の生田邦夫理事長をお招
きし大変わかりやすくユーモ
アを交えながら地域医療につ
いて解説いただきました。

生田氏は昭和23年生まれ。
大阪医科大学医学部出身の外
科医で、大学卒業後、大阪医
科大学付属病院、枚方市民病
院、公立神崎総合病院の勤務
を経て現法人を設立されまし
た。

“医療から介護まで切れ目の
ない医療福祉を”
の理念を掲
げている生田病院は現・民間
野洲病院と同じく病床数19
9床(急性期99床、療養1
00床の総合病院で、



「滅私ご奉公」の気持ちで全
職員が力を合わせて仕事し、
皆さんが安心して暮らせる地
域づくりに貢献されています。



救急搬送患者数は年743人、
入院患者数は、年間約7万人、
外来患者数は、年間約5万人
が訪れ、病床稼働率は90%
代となっています。

冒頭、今後の野洲市の病院計
画の中で地域包括ケアを考え、
地域医療連携をどう作り上げ
ていくかが不可欠であること
を、まず強調されました。

地域包括ケアを実現するため
には在宅医療・介護の面での
連携が確立されているだけで
なく開業医、民生委員や社会
福祉協議会等、協働で急性期
病院と連携を図り「患者主体」
で「切れ目のない医療」を提
供することがカギとなります。



生田氏は医師だけではなく経営者と
しての能力にも優れた、医療分野に
おける数少ない専門家です。


患者が高齢化した時、単身世
帯の際には民生委員や福祉協
議会の役割が大きくなるとい
ったように地域の資源が系統
的に動き、特に介護について
は介護保険を上手に使いこな
すことが求められてきます。

介護保険制度発足時から生田
氏は介護事業所の運営に参画
してきました。介護のプロと
して湖南市の高齢者の暮らし
に寄り添い、そのご家族の暮
らしを守り続けています。



生田氏は野洲市には介護施設
サービスを拡充すべきである
のと同時に現在課題となって
いる中核的医療機関に関して
は野洲市による金融支援が前
提ではあるが

責任ある支援や参入を全国の
医療法人に打診すれば手を挙
げる所が多くあるはずと述べ、
民営による地域医療は可能で
あるとの専門家としての見解
を示しました。



また病院の立地場所としては
野洲駅南口は、にぎわいの観
点から商業を優先すべきであ
り不適当である。市の現在の
収支計画では8年後には黒字
になっているが15年経過し
ようが赤字が続き今の計画は
成立しない。


正午の閑散とした野洲駅南口

それよりも確実に責任をもっ
て市民のみなさんに負担のか
からない状態で地域の医療と
介護を支えられる形が望まし
い。

それには民は民として公は公
として、やらなければならな
い仕事がある。とも述べられ
ました。

介護保険の目的と使命は「高
齢者の自立支援」。いつまで
も自分の意志とカラダで自分
らしい生活を送ることができ
ることが大切です。

そのためにも本市の市議会議
員として地域包括ケアシステ
ムの更なる充実のため微力を
尽くしたいと思います。

※本ブログによる生田氏の見
解は議事録から編集したもの
ですが生田氏の公式見解を必
ずしも保証するものではあり
ませんので、ご了承願います。