1944年、戦局の悪化により、日
本政府が決めた、児童を地方に一時
移住させる「学童疎開」↑


【通告11】
「平和学習、及びそれに
伴う教科間、教員間の連
携について」

答弁要求者:教育長

【問】稲垣発・教育長宛


戦後70年が過ぎ、戦争体験
者は少なくなっています。人
口の8割が、戦後生まれであ
り、いわゆる戦争を知らない
世代です。

平和の時代に生まれた、私た
ちは、社会の中で、様々な困
難を体験しても、戦争の悲惨
を体験することが、ないよう
に、願うばかりです。



1945年「大阪大空襲後」の大阪
市街。左端は「難波」駅  ↑


しかし、このままでは貴重な
戦争体験がますます風化し、
平和の尊さや、命の大切さが
薄らぎ、平和ボケとなり、悲
惨な社会になりかねない。

そこで平和学習について、本
市においては、どのように取
り組んでいるのか、教育長に
伺う。


【答】教育長


ご存知のように、今日は、1
2月8日で、、今から74年
前に、太平洋戦争が始まりま
した。

1945年の8月15日に、
ポツダム宣言を受け入れて終
戦となった。1946年には
日本国憲法が公布され、47
年5月3日に施行されたとこ
ろである。



1947年5月3日に発行された日
本国憲法施行、記念切手  ↑


日本国憲法につきましては、
戦前の天皇主権を否定し、国
民主権を採用し、基本的人権
を強化し、戦争放棄を宣言を
している。

市内小中学校では、小学6年
生の歴史学習の中で、戦争の
悲惨さや平和の尊さを扱って
いる。

中学では、「第二次世界大戦
と日本」、「現在の日本と世
界」について学習し、平和国
家としての基礎を築いた、先
人や戦後の日本について学習
している。



空襲により、荒廃した焼け野原の中、
このような「青空教室」とよばれる
風景は珍しいものではありませんで
した。  ↑


修学旅行では、沖縄、広島を
訪れ、戦争体験をされた方の
話を聞いたり、平和記念館で
実際に戦争中の様子を学習し
ている。

国語科の文学教材、道徳の時
間で、生命尊重や平和に関連
した教材を通し、命の大切さ
の指導を行っている。


【問】稲垣発・教育長宛


沖縄などの、実地学習にとど
まらず、日ごろの道徳、人権
教育、教科学習でも系統的に
取り組まれていると思う。

ただ、社会科の学習内容と授
業時間数のバランスは年々厳
しくなっている。

ベテランの教員でもとにかく
進まないと焦るケースが多く、
そこは教員、教科間の連携や
総合などの弾力的な運用が可
能になるような支援が、必要
かと思うが、教育長に伺う。


【答】教育長


子どもの発達段階や特性を考
慮して、適切な教育課程を編
成をしている。

各教科等の年間指導計画の作
成にあたり、各教科、及び各
学年の関連を図り、弾力的な
指導計画を作成しており、各
学校に対する支援は必要では
ないと、考えている。


【問】稲垣発・教育長宛


必要ないと、言われたが、限
られた時間数の中で、平和に
ついての学習となると、教員
の力量についても、重要なこ
との1つになると思う。

団塊の世代の退職に伴い、若
い世代の教員が増加し、戦争
や人権、道徳についての見解
が、未熟な教員が増加するの
では、ないかと思う。




教科に関する研修は、多数あ
るが、平和に関する研修は少
なく、各校の数少ないベテラ
ン教員から指導を仰ぐしかな
い。

また、学年単位の隔たりで、
低学年ばかりを持つ教員と、
高学年ばかりとでは、意識の
差が生まれるのでは、ないか
と思う。

そのために、人権教育同様、
学校全体で交流する機会をつ
くるなど、意識の差を埋める
何らかの研修が必要だと思う
が、教育長の見解を伺う。


【答】教育長


平和学習等の研修は、設けて
はいないが、各学校において、
指導要領があり、先輩のベテ
ランの教員を交え、若い先生
方が教材研究をしながら、授
業に取り組んでいる。


【問】稲垣発・教育長宛

平和学習は過去の出来事を学
ぶだけではなく、今現在の子
どもたち自身が、生きる現代
社会の課題を見つけ、自分た
ちが平和な社会をつくってい
くために、どうすべきかを問
いかけるものでなければなら
ないと、私は思う。

過去と現在と未来を広い視野
で眺め、子どもたちのやわら
かな感性で考えていけるよう
な平和学習がこれからも必要
だと思うが、教育長の見解を
伺う。


【答】教育長

単に知るだけの歴史学習、或
いは、平和学習ではなく、議
員のご指摘のとおり、幅広く
考えていくことが、重要であ
ると、思う。


【問】稲垣発・教育長宛


最後に、1つ提案だが、子ど
もたちは、何をするにしても、
初めは無知で、家庭環境によ
っては、生活基盤が整ってな
いことから、学習へ向かうス
タートラインが違うことが、
多々ある。




小学校の1年から6年、または
中学校3年までの系統立てた指
導と取り組みは必要ではないか。

小学校と中学校の指導の違いに
より、ギャップが生まれている。
それは指導の差から来るもので
あると思うので、教員の交流や、
授業参観における結果協議も、
それぞれの立場の意見を生かし
て取り入れてはどうか。

教育長に伺う。

【答】教育長



単に授業をするというだけでは
なく、実際にその授業を見て、
ここがうまくいったとか、この
点が、少し課題があるとか、こ
の資料を使えば、上手くいくと
いったような研修というのが、
大事であると、思う。

⑪平和学習、及びそれに
伴う教科間、教員間の連
携について

答弁要旨終了。