【新・野洲市立病院整備を進
めてきた市長サイドに対する
主張】
野洲市議会には、様々な意見
はありますが、市内に病院が
必要ないという考えの議員は、
誰一人としていません。
私は、野洲市には、中核的病
院は必要であり、市長案の新
・野洲市立病院開設に対して、
リスクの低い、現・民間野洲
病院を継続させる対案を、議
会ごとに示してきました。
----------
先に、新・野洲市立病院整備
の政策判断をさせていただく
と、現在、滋賀県内の各市立
病院は、経営難に置かれてい
るのは周知の事実です。
病床数506床の大津市民病院 ↑
代表格の大津市民病院は、深
刻な経常赤字が続き、累積損
益が130億円を突破、大津
市の財政能力では、支えきれ
なくなり、独立行政法人へ移
行することになります。
これまで市職員だった病院職
員については、非公務員とす
ることを想定しています。
新・野洲市立病院整備計画で
は、最重要な収支計画が、最
初から計画ありきで、根拠の
無い作りとなっていました。
計画では、8年後には、経常
収支が黒字に転換することに
なっていますが、将来の患者
動向の予測などを全くせずに、
強引に現・民間野洲病院の最
も良かった年度の数値を反映
させているに過ぎず、
収支計画が変動した場合、市
民がどの程度のリスクを負う
ことになるのか、具体的な提
示がされていません。
基本的に、どの病院も事業計
画の段階において、黒字で収
支が立てられます。それは黒
字でなければ、事業が中止に
なるからです。
市長サイドの「精査する」と
いう言葉それ自体は、建前と
しては「売上を水増する」と
いう意味ではありませんが、
事業費が86億円に上昇する
中、
事業を成立させるためには、
もはや現・民間野洲病院の、
平成26年度の単年度データ
を反映させるしか、他に選択
肢は、無きに等しかったので
す。
それ以外の、例えば近隣の公
立病院等の平均データを反映
させると、経常赤字が慢性化
し、事業不成立が濃厚となっ
てしまいます。
今回、計画を進めるにあたり、
事業を担当する職員が、次々
に異動となる事態、そして、
収支計画の度重なる変遷が発
生した結果、各議員の事業に
対する信用性が、著しく低下
しました。
野洲市の財政見通しによると、
合併10年を経て、地方交付
税の一本算定により、5年間
で最終的に約8億円減額され、
厳しい財政運営を余儀なくさ
れ、最悪の場合、財政危機を
迎える可能性があります。
また、昨年6月24日の都市基
盤整備特別委員会においても、
市の考え方として、医療制度
の変更や社会状況によっては、
不測の事態が生じる恐れがあ
一般質問において、累積赤字
拡大時の対応策を、お聞きし
た際、山仲市長は、一生懸命
やって、いいお薬を使って、
機械もフル稼働して、万が一、
赤字になるとしたら、保健医
療制度が悪い。
累積赤字が拡大していく可能
性は、否定しない。対応策は
健全経営すること、と言われ
具体策が示されず、不安感の
残る答弁となりました。
野洲市立病院に係る県庁の市
町振興課との協議過程や、
平成27年3月31日に発表
された「新公立病院改革ガイ
ドライン」に、新・野洲市立
病院整計画を照らしても、
急性期を減らし、回復期を増
やしていく流れの中では、大
変厳しいものがあります。
----------
財政面では、病院事業へ年間
3億円の繰入が恒常的に必要
とされており、交付税で裏打
ちされた額を含めると、一般
会計から、毎年6億円を病院
に供出しなくてはなりません。
そもそも病院事業債に関わる
交付税は特定財源ではなく、
金額が保証されたものではあ
りません。
病院事業債の起債同意の基準
は、合理的な範囲内における
一般会計繰入金によって、確
実に回収が見込まれると認め
られるものであること。
と規定されていることから、
一般会計から6億円の財源確
保が必要となります。
このような状態では、病院整
備の前提である県の「開設許
可」や「起債同意」を得るの
は、厳しい状況です
最後に、これは確定ではあり
ませんが、新・野洲市立病院
を整備することによる職員増
等により普通交付税の行革関
連分が削減される可能性があ
り、現在の野洲市の財政状況
では、これらを補うだけの余
力はありません。
以上を総合的に考えれば、実
現性に乏しく、賛成できるも
のではありません。
「新・野洲市立病院整備の経
緯、そして、現・民間野洲病
院の支援に向けて」まとめ④
に続く