平清盛の時代「祇王(ぎおう)」
という白拍子がいました。白拍
子とは、流行歌である今様を歌
いながら舞を踊る遊女のことで
す。
祇王の歌と舞いは、それはと
ても美しく、 祇王の美しい容姿
と気品のある舞いに、時の権力
者、清盛は恋心をいだき、二人
は、恋仲に落ちます。
祇王一家は、京の都でたちまち
富み栄え、不自由のない生活を
3年送っていました。
そこへ、仏御前という十六歳の
若い白拍子が現われます。その
仏御前も評判がとても良く、清
盛は心を奪われてしまい、祇王
を、追い出してしまいます。
祇王21歳・妹の祇女19歳・
母の刀自45歳のとき、一家3
人は尼となって、仏道に励み往
生を遂げました。
NHK大河ドラマ「清盛」では、
祇王役を尾上紫さんが演じまし
た。
さて、その「妓王」は野洲市の
生まれです。祇王学区は、生ま
れた地に、ちなんだ地域名です。
清盛から、ある日「何か望みは
ないか。」と尋ねられた時、妓
王は「故郷、江部荘の田畑の水
不足解消のため水路を造って欲
しい」と願い出ました。
これにより、野洲市三上の野洲
川から琵琶湖までの約12㎞の
水路開削工事が行われ、この
水路工事により江部荘の田畑は
潤い、米ところとなります。村
人は故郷に貢献した妓王への感
謝を込めて、この水路を「祇王
井川」と名付けました。
生誕の地、野洲市中北には妓王
と母・妹を弔う「妓王寺」が建
立され、毎年、8月25日の
妓王の命日には法要が営まれて
います。
800年以上を経た現在でも、
祇王井川は農業用水として流
れ地域農業を支えています。