議員は、自分の意見を的確に
表現して、相手に伝えることが
できて初めて、名乗ることがで
きると思う。
しっかり伝えるためには、日々
の学習と、ディベート技術が不
可欠である。よく、市長選挙前
に市民団体が候補者の討論会
をひらきますが、それがディベ
ートです。
身近な例であれば、議会の一般
質問なども、ディベートの場で
あると思っています。ディベー
トというと口論と思われるかも
しれませんが、そうではありま
せん。
ディベートとは、ある論題を巡
って、賛成「肯定側」とその肯
定側に反対する「否定側」が、
議論する討論形態の一つで、論
題には政策を扱うものと、価値
を扱うものがあります。
たとえば「病院整備は、市長を
トップとする市立病院方式です
るべきである」が政策論題
(政策の有効性を議論の対象と
する論題)
「デート代は、男性が出すべき
か、或は割り勘にするべきか」
「朝食は、ご飯かパンか」等が
価値論題(価値判断を議論の対
象とする)です。
まず、肯定側が論題を「提起」
し、否定側が「検証」する。具
体的にはまず肯定側が論題を支
持し、主張・証拠・論拠を主張。
これを「立論」といいます。こ
の立論に対して否定側が「反対
尋問」を行う。
簡単に言えば、質疑応答です。
続いて否定側の立論に対して
も、肯定側が反対尋問する。お
互いに立論と反対尋問を通じて、
争点を浮き彫りにし、その後は
相手への反論、相手からの反論
に対する防御を行います。
ディベートは、問題を賛成・反
対の両面から議論することで、
問題の本質に、早々に迫れる利
点があります。
主張する際には必ず理由が必要
です。丁寧さだけでは評価され
ることはありません。どれだけ
説得的な理由で主張がなされて
いるかが重要です。特に主張を
言い出す側に責任があり、これ
を「立証責任」と呼び、この責
任を果たさない主張は評価され
ないことになります。
ここで注意したいのは、一般的
に、誰でも自分の考えを重視し
て問題解決を図ろうとします。
そのため、自分の立場を擁護す
るため、ある意味バランスに欠
けた議論に陥り、説得性を欠く
可能性が高まってしまうことで
ある。
また一方的な考え方や論理は、
飛躍が多きく、容易に否定され
る危険性がある。
常に、自分の考えに対し、疑問
を呈し、修正することで、より
説得性のある論理が構成できる
ようになりたい。
そういう意味では、まだまだ議
員を自信をもって、名乗る道の
りは遠い…