2月議会が閉会しました。残
念ながら、市立病院整備予算
が計上されている平成26年
度一般会計予算案は11対8
で可決されました。

自身は最後まで抵抗するべく、
本会議の一般予算採決前に反
対討論を行いました。



以下、発言内容です。

「議案第1号平成26年度野
洲市一般会計予算について市
立病院基本計画策定として2
000万円が計上されている
ことから反対の立場で討論し
ます。

前策定予算以外は賛成してい
ることを申し添えます。一般
質問でも申し上げたとおり過
去の野洲病院との経緯を踏ま
えるに、経営者としての当事
者能力に欠ける野洲市による、
地方公営企業法全部適用によ
る市立病院の運営には反対し
ます。

滋賀県の各市立病院はあちこ
ちで火の手が上がっている状
態で経営難に置かれています。
大津市民病院は累積赤字が1
00億円を超えており、すな
わちその赤字が自治体の財政
に多大な影響を与えているこ
とは周知の事実です。

10中、8、9失敗すること
が既に現実として証明されて
いる市立病院経営というその
事実を前にすれば、他会計か
らの繰入が必要な今回の病院
整備計画は現実を無視し、危
険性が高く無茶苦茶な計画で、
再考の余地がないかと言わざ
る負えません。

理論的に、市の事前シュミレ
ーション通りの運営はできな
いものと判断します。

新病院事業費は50億円を超
えるものとなり、また民間病
院と比較しても高いコストが
見込まれています。

また、最も重要な収支計画が、
最初から計画ありきで極めて
根拠の無い作りであることで
す。計画では10年後には累
積損益が黒字に転換すること
になっていますが、基本的に、
どの病院も事業計画の段階に
おいて黒字で収支が立てられ
ます。

つまり最も良かった場合のみ
を載せているに過ぎず修正誤
差が示されず収支計画が失敗
した場合、市民がどの程度の
リスクを負うことになるのか
具体的な提示を一切していま
せん。

野洲市の財政見通しによると、
地方交付税の一本算定の影響
もあり今後さらに厳しい行財
政改革が必要になる中、最悪
の場合、損失が重なり、野洲
市は更なる財政危機を迎える
可能性があります。

また、昨年の都市基盤整備特
別委員会においても、市の考
え方として医療制度の変更や
社会状況によっては、不測の
事態が生じる恐れがあること
を自ら、お認めになっておら
れます。

将来の患者動向の予測などを
全くせずに、強引に良かった
場合の計画のみを提示するの
は、議会に対し的確な判断を
させない為のやり方としか思
えず到底容認できません。

自身の感想では、判断にあわ
せてータを作りこれならなん
とか病院をやれそうだ、とい
うことを議員に納得させるた
めに数字を並べたとしか思わ
れません。

先の一般質問において累積赤
字拡大時の対応策をお聞きし
た際市長は、一生懸命やって、
いいお薬を使って、機械もフ
ル稼働して、万が一赤字にな
るとしたら、保健医療制度が
悪い。累積赤字が重なってい
く可能性は、否定も肯定もし
ない。対応策は健全経営する
ことと言われました。

将来にわたって市民生活にど
のような影響があるか未だ明
らかでない新病院のために巨
額の税を投入することは財政
破綻への第一歩です。

野洲市新病院整備可能性に関
する提言書には、市民の意見
は、十分に反映されておらず、
こんなひどい話はないと思い
ます。

市民病院建設にかかる支出は、
市の財政を窮地に追い込むも
のであり、市民の意見をしっ
かりと受け止める姿勢が不可
欠であることを指摘します。

そのため、計画を進める前に、
民意が反映されているかどう
か、住民投票条例を使用した
意志確認が、不可欠かと思わ
れます。

野洲に育つ子どもたちや、こ
れから生まれていくる子供た
ちに自信を持って、責任を持
って残していける中核病院を
作ることを、我々は今、議論
しています。

この病院は将来まで問題なく
続いていなくてはならないの
です。早く病院を作ってほし
いという声があることは、重
々承知しています。

しかし、だからといって今、
目の前にある不安、疑念、問
題から目をそらしたまま大き
な事業をすすめ、将来を担う
子どもたちに、野洲の未来に
対し一体どう責任をとられる
のか。確かなものを、確実な
ものを残さなくてはいけませ
ん。

出来る限りそのリスクに対応
し、不安を限りなくゼロに近
づけることは必要です。確実
に、堅実に病院事業を進める
必要があるのではないでしょ
うか。

候補地を野洲駅南口に選定す
る際も、他の詳細な候補地の
検討の結果は示されておらず、
他の候補地がありえないとす
る判断をするのに、十分な説
明がされているとは思えませ
ん。

新しく見込める患者が市外か
らもJRに乗って来るとか、
医療スタッフが集めやすくな
るとすることに関し、詳細な
データやアンケート結果もな
い状態では困ります。だいた
いとは、どれぐらいなのかわ
からない。根拠が不明です。
私は野洲市の将来がどうなっ
てしまうのか恐ろしくてたま
りません。

医療スタッフの確保でいえば、
守山市民病院さんでも、成人
病センターさんでも、済生会
さんでも名神高速道路を使っ
て、通勤される方も大勢いら
っしゃいます。

病院そのものは、否定してい
ません。本日の本会議での一
般会計予算の採決では予算常
任委員会での採決と異なる意
思表示を示してくれる冷静さ
と現実感覚に富んだ良識ある
議員の登場に期待します。

新幹線の栗東新駅にように、
一度議会で決まったことでも、
覆る例は全国にいくらでもあ
り、本課題に関しては不退転
の決意で挑むことを表明し反
対討論を終了します。」