<野洲に必要なものは「にぎ
わい」>後編
を書かせていただきます。
≪失敗例が多い第三セクター
の複合施設≫
野洲駅周辺の再開発事業には、
基本的には賛成の立場をとっ
ている私ですが、再開発事業
は、一歩間違えれば大変危険
と隣り合わせであるというこ
とを、茨城県土浦市と、福岡
県北九州市の2つの自治体で
の具体例を元に、書かせてい
ただきます。
◆ウララ(写真下)は、茨城
県土浦市の複合施設です。
駅前再開発によりイトーヨー
カドー土浦店を各店舗とする
複合商業施設として平成9年
に開業しましたが、15年を
経た今年2月にイトーヨーカ
ドーを含む入居していた店舗
のほとんどが撤退・閉店しま
した。
商業施設以外では、県生涯学
習センターが入居するほか、
市民広場があり、別棟に証券
会社などのテナント、7種の
専門科が集積するウララ医療
センター、土浦市社会福祉協
議会、障害者自立支援センタ
ー、高齢者デイサービスセン
ター、老人福祉センター、男
女共同参画センター、青少年
センターなどから構成させる
土浦市総合福祉会館が入居し
ています。
イトーヨーカドーが撤退を決
めてから他企業の入居申し込
みはなく、商業施設跡には、
土浦市役所が移転し、平成2
7年5月に開庁する予定です。
◆次に、コムシティー(写真
下)は、福岡県北九州市の複
合施設です。
上記は、黒崎駅西地区市街地
再開発事業として竣工され、
平成13年に全面開業しまし
た。
筑豊電鉄の駅舎および西鉄黒
崎バスセンター、八幡西区役
所などの行政施設、公共施設、
商業施設、北九州市立こども
の館、西鉄イン黒崎が入居し
ています。
商業施設部分は、開業当初第
三セクターの黒埼ターミナル
ビル株式会社が運営していま
したがテナントが集まらず、
また利益がない場合、家賃を
支払う必要がない変動家賃制
が収益を圧迫する要因となり、
開業からわずか1年半後の平
成15年、約130億円の負
債を抱えた黒崎ターミナルビ
ルは民事再生法の適用を申請
しました。
※茨城県土浦市の場合も、福
岡県北九州市の場合も、最後
は市が尻拭いをしています。
つまり市民が負担を背負わさ
れているわけです。
野洲市が計画している南口周
辺整備のコンセプトである【
6つの機能 ①市民広場 ②交
流施設③図書館分室 ④アリ
ーナ ⑤病院⑥商業サービス】
も、失敗した自治体のものと
ほぼ変わりがなく、説得力の
ある特色もありません。
私は本市の事業の行く末を大
変心配しています。
私の情熱の全てを野洲のために・・・
稲垣せいすけ