月組オーブ公演、「Death Takes  A Holiday」。ひたすら興奮して、笑って泣いてほんとに大変な観劇でしたが、無事に千秋楽を迎えられましたので(ので?)、...感想...書いていきたいと思います。


※サーキの称号を、プログラムでは「王子」ですが、「皇子」としています。


🌙S序
まず。⁡
⁡第一次世界大戦と、その後のスペイン風邪で、数多の魂を「あの世」へ導いていって、心身ともに疲れ果てた...って、死神の設定として面白いなって思ったんです。
「死神は人の魂を欲してる」ものだと思ってたので、それで「疲弊する」って思わなかったです(笑)

ま、それはともかく。

このナレーションと実際の映像で、あっさり世界に引き込まれてしまいましたが...。
おだがナレなんだって一寸驚いたんですよね。
さち花ねーさんか、じゅんこさんちゃうんや~って(笑)
でも、おだの声も聞き取りやすくていいですね。
それにしても、あのシルエット...初見では、「なんだろう?」ってしか思わなかったんですよね(笑)
🌙S1
紗幕が飛ぶと、くらげのグラツィアが浮かび上がって歌う。
声!え?くらげ?歌い方変わった?!ってまず思いました。
可愛い~。
と思って見ていたら、グラツィアの立ってるのは、ひな壇状に座席が配された車で。⁡
盆の回転で進んでる演出にしてるのねって思ったら、方向転換とか自走(というのか?)出来るんや!ってびっくりしました。⁡
バック(ホリゾント)の映像もすごいシンクロ率で...私、スピード恐怖症なんで、それこそグラツィアママのステファニーみたいに「生きた心地がしないわ」って見てました(笑)⁡
グラツィアと、婚約したれんこんのコラード。⁡
⁡二人を祝うためにヴェニスに行った帰りなのね、幸せいっぱいで羽目を外して車暴走させた挙句に事故ったのね。
...って書くとなかなかアレやけど...(笑)
グラツィアが車外に放り出される演出(というか仕掛け?)と、暗転中に分断された車が人乗せたままハケていく様は、見ものでした(笑)

道路に横たわってるグラツィアを見付け切れずにいるコラード。

そこへ現れる死神。

...ほんとに、今回程「まだ伸びんのかよ😨」と思ったことは無い位「伸びしろかなと」っぷりを見せつけられた、登場でした。

タイミングとか、照明とか、拍手とか、色々段取り的なもので、あれがれいこちゃんだとはわかってましたけど、天上から続く階段降りてくる、あの醜いおどろおどろっぷりはなんだ!ガーン
ほぼ顔の見えない、あの恐ろしいペストマスクは...。
ビジュ以上に動きや姿勢、そして声!!!(男声やん)
全てひっくるめて...あー、ほんとに死神来たよって感じるこの鳥肌ものの圧...。

私の知ってる月城かなとじゃない!
誰だ?この男は...。

そんな第一印象でした。

魂を導く事に倦んだ死神は、無鉄砲な死に方をしたグラツィアを目の当たりにして、「なんでやねん!」って呆れ通り越して興味が湧いたのか彼女の死を「見過ごす」。

...ここが、「エリザ」的な所以なんだけど、面白いのは「死神が彼女に恋心を抱いた訳じゃない」って事。

二人の出会いによって何かが始まるけど、この段階では、少なくともそれは「恋」ではない。
逆にね、どうなるんだろうってワクワクしました。
この死神ってどんな人(人ちゃうけど)なんだろうって。

余談なんだけど、ここ(最初の辺り)のメロディーライン、一寸和な感じ受けません?めっちゃ好きなんですけど💕

グラツィア的には、死神と対峙したとか会話交わしたとかないから、「助けてもらった」感覚ないんだろうけど、「何もなかった」と、支えようとする婚約者の手を振りほどく様子に、何かがあって、彼女は既に彼女ではないんだろうなって...うっすら感じました。

大道具の車ないけど、その後の車で家路を急ぐナンバーのフォーメーションがなんか...好きです...(笑)
🌙S2
家で、皆の帰りを待っているのが、コラードの祖母でヴィットリオの義母、ちるちるのエヴァンジェリーナと、その主治医、じゅんこさんのダリオ。
ちるちるが、おばあちゃん役で相手役がじゅんこさんと知ったときは驚いたけど、流石ですわ。めっちゃ可愛いおばーちゃんでした。
ナウオンで「認知症のおばあちゃん」って説明してたけど、...確かにそうなんだろうけど...どちらかというと心の病に見えました。戦争で夫を亡くし、かつての恋人であった人をその人だと思い込んでいるって。
ダリオ的には、なかなか残酷な話やなあ。

エヴァンジェリーナがずっとご機嫌なのがかえって痛々しいです。

皆が帰ってきたのを出迎えた、ヤスの使用人頭のフィデレが…この僅かなやり取りでクセ強めな雰囲気醸し出してるのがすごい…期待値上がりました(笑)
「まず、ヤスを見て」って言われたの、納得(笑)
⁡⁡
⁡🌙S3
「死んでたかもしれない」状況だった自分を心配する婚約者を「一人でって言ったの聞こえなかった?」とバッサリ突き放して、「お月様とお話」しに行くグラツィア。
事故直後にうっすら感じた「何かが起こった」感覚が、確信に代わる。

まるで、恋の予感に心ときめかしているようなグラツィア。

若干無鉄砲な子だなと感じてたんだけど、…例えば、事故起こった時の記憶ってないのかな。
車が木にぶつかって、車外に放り出されて…それこそ道路に叩きつけられるまでは、生きてたんだよね。
恐怖とか…感じてた記憶ないのかなって。
「怖かったけど、怪我もしてないしラッキー」位な感覚…なのかなあ(笑)
そう感じてしまう程に、期待に満ちてるのが面白いなあ。


🌙S4
人の命をあちら側に導き続けて、疲れ果てていた死神だけど、彼女に感じた興味と、人間に於ける「生きる」という事の意味を知りたいという思いで、少し元気に(笑)ヴィットリオの前に現れる。
さっきあんなに闇背負ってたのに、やたらご機嫌ですけどって(笑)

「好奇心なんだ」とか「願いを聞いて欲しい」って...なかなか死神から聞くことなさそうなワードに笑えました。
後、語尾が「~のだ」って言い方がなんだろう…なんか可愛かったです。

あの姿の時、マントのね、背中...盛り上がってて、傴僂みたいに作ってますよね。れいこちゃんも、そういう歩き方してるし。
てか、動きがキャラクター(着ぐるみ)っぽい(笑)表情が見えない分、頭や手をオーバー気味に動かしたり、スローに動いたり…。⁡
れいこちゃん…その技…何処で習得したの?⁡(笑)
話を戻して…右手も大きいので、れいこちゃんの実際の身長より大きいんじゃないかと錯覚させるお衣装だなと思いました。
ペストマスクでほぼ顔が隠れてるのも「人ならぬもの」として効果的だなって思いました。⁡
⁡個人的には、れいこちゃんも「トップスター」である前に役者なんだから、全面隠してもいいと思ったんですよ。その方が、サーキになった時のギャップ出るし、影武者もやりやすいと思ったんですけどね(笑)ま、歌うから、これが最大限なんだと思いますが...。
それにしても、このビジュアルは、ヨーロッパの方々の「死神」のイメージなんだなぁと...なんというか...「へぇ...」って思いました。
古いイメージなのかもなんですけど、私的にはうーん、ハリーポッターの吸魂鬼みたいな...黒いマントのフード目深に被ってて...大鎌持ってる感じ?だったんですけど...。
「...デスノ(DEATH NOTE)のリュークみたい...」と思いました。「BLEACHのホロウみたいじゃない?」と、アニオタ仲間には言われましたが...いずれにせよ、昔よりビジュがかっこいいなぁと感じました(笑)

あの一寸かっこいいけど恐ろしい姿ではにかむ様に人差し指ちょんちょんしてる様は、ほんとにツボでした(笑)

ツボと言えば、右手をヴィットリオに触られて、慌てて振り払った後「(私に触れたらあの世行きなんだぞ!)習わなかったのかっ!」って怒ったのがめちゃくちゃおもしろかった。
人間がそうして自分を知ってて恐れているってわかってる(のはわかってるけど)...そこが面白いなと。

ビビり散らしてるおだも、流石の演技巧者。ほんと面白い。
れいこちゃんとの息も合ってて、なんて楽しいやり取りなんだろうって思いました。

死神が消える時「Addio!」っていったけど、これ、舞台がフランスだったなら「Au revoir」って言ったんだろうなとか、しょうもないこと考えてしまいました(笑)死神はどの国の言語も解せるのよね(笑)

死神が消えてホッとしたところに、極至近距離で現れるフィデレ。
おだヴィットリオの叫びがリアルでもう面白い(笑)
ヤスも絶妙な間が上手くて…。
やっぱり、芝居上手いのって喜劇こそ発揮されますよね(笑)
⁡⁡
⁡🌙S5
死神が、言った通りニコライ・サーキとして訪ねてくる。
ヴィットリオとフィデレのビビり散らし様ったらまた面白いんだけど、それを更に面白くするあの、ドアの叩きっぷり(笑)
死神って一々訪ない入れなくてもどこでも入れるから、訪問の仕方があんましわかってないんだろうなっていう感じ?(ドアから入るってだけはわかってた...と🤣)
その分からなさっぷりが、本当に少年の様で...。なんでこんなに無邪気なんだって思うほど。

あの扉の向こうのシルエットが映像なのかリアルなのか気になったんだけど、扉空いた時、照明の灯体どこに転がってるか分からなかったんですよね~。
で、音と若干ズレてたから...映像かなって思うんですけど、どうですか?(誰に聞いとんねん)

フィデレに「ニコライ・サーキ」として扱って貰ったことで、きっと自分の計画が思いの外上手くいきそうなのと、「人間一年生」なのが嬉しかったんだろうね(笑)って位のテンション高め(笑)
フィデレは、それどころじゃなかったみたいだけど(笑)

そのはしゃいだままヴィットリオに改めて会った時の「もう触れても大丈夫だ❤」ってしたウインクがもう...最高にお茶目でした(笑)
彼的に、楽しい秘密を共有している「仲間」に対する合図って感じが、死神であるサーキと人間の(ビビり散らしてる)ヴィットリオとの力関係的な温度差に感じました(笑)こうゆう所が「空気読まない」ってとこなのね(笑)

その声を聞きつけた面々に挨拶するとこ、「(身分高い)人間の男はこういう感じ」って死神が学習したか想像したかしたんだろうなって思ったら面白くて仕方ない(笑)
大変エレガントですね、殿下(爆)

ただ、さち花ねーさんのステファニーに、紹介された時、悪意なく彼女の傷を抉る言葉を言ってしまうところも、空気読まないというか「人の気持ち」を理解出来ないんだなあって思えます。
本人、至って真面目にしてるだけに💦⁡
でも、コサックダンスみたいなポーズはアレやと思うぞ(笑)

まあ、一寸変わってるけど、「美しいものは美しい」って感覚が共通しててよかった(笑)
グラツィアを助けた時に(顔とか)見てなかったのかな。...あ、  や...見てたとしても、自分の精神状態と、グラツィアが事故で死んだ状態だったら、全く印象違うか...。
とはいえ、この段階では、この2人の間に何かが芽生えるという予感が、うっすらしか感じられなかったのは、さすがの演技力だなと思ってみたり...。
二人の恋愛のきっかけ(?)が「一目惚れ」でなく、「共通の死生観」であるから、ここでは抑えないとね。
🌙S6⁡
⁡用意された寝室で、多分フィデレが用意したピンク(!)のパジャマで寝ていたサーキが飛び起きるのが可愛い(笑)
一瞬「え?なに?」ってなってる感じが可愛くて仕方ない❤️

ポスタービジュアルが出てからというもの、ずっと「これはなんぞや?」ってなってた目玉焼きの謎がここに来て解明されましたね(笑)
や、「朝食のメニュー」位には想像出来てたけど、それが死神にとって「ALIVE」...生きている象徴なんだと。
寝て起きて、太陽の光浴びて、花の薫り楽しんで、朝ごはん食べて、新聞に目を通して...極当たり前の朝のひとときに目を輝かすサーキ。

蛇足なんだけど、フィデレがカーテン開けつつ「サニーサイドアップでございます」って言った時、皇子ったらそれが目玉焼きの事じゃなくて、朝日が登ってる(いいお天気の)事だと思ったんじゃね?って心配しました(笑)でも、フライドエッグって知ってたから大丈夫か…(笑)

話戻して…ベッドで飛び跳ねるの見た時、あの死神が?!って思ったのと同時に「れいこちゃんが?!(笑)」ってなりました(笑)このお役、振り幅というか...テンションの高低差...広すぎじゃね?...なのに、一人の人(人?)としてちゃんと成立してるからすごいよね。

(私が)噂に聞いていた、お色気メイドのソフィアの桃ちゃんのお尻に目がいくサーキ。
なんというか...ベッドで飛び跳ねてるの見る限り、そういうとこ結構子供なのかなって思ったりしたんだけど、「なんかすごいの見たぞ」って首振りながらベッドに腰掛けようとして、高速で横に来たソフィアにびっくりはしてたけど、免疫ないだけで大人なのかしらって感じも受けたのよね。
「他にお望みは」って聞かれて、「ないです」とは言わずに「タオルがまだいるかもしれない」って返す辺りが(笑)
色っぽい視線受けて絶妙にハートが飛んだの見た時はワロタわ(笑)

...それはそうと、この曲、普通に聞いてたけど、とんでもない文字数歌ってるよね。
れいこちゃん、滑舌よくて聞き取りやすいから(その上踊ったり着替えたりしてんだもんな💧‬)なんも気にしてなかったよ(笑)
ほんと、すごいわ。

アンサンブル(旅客)のダンス可愛いなって、みうみんに何故か目がいく私がおりました。
⁡⁡
⁡🌙S7
庭園のテラスに集まる人々が、7月の満開なバラに驚き、ダリオが身体の不調が取れたと喜んでいる。
この奇跡が、死神がここにいる(休暇を取ってる)おかげだと知るヴィットリオ一人浮かない顔をしている。

そこへ現れるサーキ。もちろん絶好調(笑)

人当たりよく、穏やかな性格の皇子になってる死神だけど、この段階ではまだズレてるのよね。
「愛」とは何なのかと...朝には重めの話題をナンパしてきた(?)デイジーに振ったり(※余談なんだけど「デイジー」って発音、「ディズィー」ちゃうんや!って客席で笑い噛み殺したよ)、ダリオ医師の「真実の愛」を聞いて「(恋敵であるマリオでなく)あなたが死ねばよかったですね」とか言っちゃう辺り(笑)
それに穏やかに返すじゅんこさんのダリオが素晴らしい。
物凄い愛の深さと一生押し通す覚悟を感じました。

ここで多分一番「その時」に近く、認知症出てきてるエヴァンジェリーナが、ひと目でサーキの正体を見破ってしまうのもなかなか皮肉効いてるなって思ったり...逆に、心(脳だけど)の病気だから一番ピュアなのかなとか思ったり。
二人で肩寄せあって「私を連れ去りに来たんでしょ?」「魅力的なお誘いですが...」っていうくんだり、なんか好きです。
てか見た目はそうだけど、エヴァンジェリーナのが本当は「お若い方」なのよね(笑)

これぞミュージカルナンバーって楽曲の「Life's A Joy」中でグラツィアと挨拶交わして、何となくいい感じになっていくとこも可愛い。
決して生命を救った(見逃した)女性で、それが(その段階では)恋心からではないって...そうわかる雰囲気に感じました。
思い返せば、これだけくらげの方からの気持ちが強いの、初めてじゃないかな。

そんな気持ちをいち早く察知(嫉妬)する婚約者コラード。
本当なら世界で一番幸せな二人でいるはずなのに、事故以来全くつれない彼女に驚きと苛立ち感じて詰め寄る。

そこへ絶妙なタイミングで口をはさみ、話の腰を折る皇子(笑)

皇子的には、別に邪魔をするつもりなく、自分の事言われてたから答えて、疑問に思ったから聞いたまでなんだけど、そもそもそこがいけないんだと分からないんですよね(笑)

そのおかげかグラツィアが上手いこと逃げて、ショック受けたコラードが「呑まずにやってられるかいっ」てキッチンに消えると、グラツィアが行くと言った湖に興味を持つサーキ。

場所をね、ダリオ医師に聞く時の穏やかな口調!
先生も穏やかで親切に教えてあげるこのくんだり、好きです。
本当に「完璧な紳士」ですよね。

婚約中の娘であるグラツィアとサーキ皇子の関係が心配なのは、その両親だけ(心配の種類は違うけど)で、先生は楽しそうで若い二人の女子は羨ましがってる(笑)
唯一真相を知ってるヴィットリオが、どう言っても…濁した言葉では事の重大さを理解して貰えない。挙句に義母は「彼が旅立つ時に誰かが一緒に行くことになる」なんて、知らないはずの事をウキウキ言い出すし(笑)
心労たるや察して余りあるって感じよね(笑)「バカなこと言わないで下さい~」って情けない声上げるの、面白かったです。

🌙S8
湖の波打ち際で遊ぶグラツィア。
照明(映像)とSEの波の表現が、殊の外リアルに感じて、くらげのダンス…というか動きと相まって、セットあまり変わってないのにちゃんと波打ち際に見えるのが凄い。2階席からはほんとに綺麗でした。

その姿見つけて近付く皇子。
彼女が濡れてることに気付いて、サッと上着脱いで渡そうとするとこ、めっちゃ紳士やん~!って思いつつ、「どこで覚えた…?死神よ…」ってなりました(笑)

一寸前後するんですが、死神は、この世に「時」が生まれて以来ずっと存在してるから、この湖が出来た時も知ってるのはいいんですけど、人のね、それこそ数多の人の魂導いて来たのに、誰のも愛おしそうに「…覚えてるよ…」って呟くのがね。
なんというか…きゅんてしました。
例えば自分が、大っきい事故とか天災とかで、一気に数千単位の人と一緒に死んだとしても、その死を、自分という人間の最期を、ちゃんと見届けて覚えていてくれる存在があると思うと…一寸だけ死が怖くない気持ちになりました。
ま…これも余談ですが(笑)

水辺で遊ぶグラツィアは、生命力に溢れてて、快活で美しい。

自分の中に湧き上がる気持ちの名前を彼はまだ知らなくて。
知りたくて、確かめたいからと彼女に見つめて欲しいと頼む…恋人同士のようにと。

紳士なんだけど、まるで初恋もまだな少年の様な皇子。
「知りたいんだ。…怖い?」ってセリフに心臓撃ち抜かれましたわ(笑)

この段階で好意は持ってるけど、大人な対応をみせてたグラツィアも、彼の瞳の奥を覗いて惹かれていく自分を自覚する。

別れ際の二人のいい雰囲気は、間違いなく「恋の始まり」だよね。
そりゃパパ血相変えて飛び込んで来るわな(笑)
他の男ならいざ知らず、死神と恋に落ちるだなんて、先には不幸しか無いもの。

でも、本当の姿を知らない娘は、「私はもう大人よ」と反抗する。
…親の心子知らずってやつですよね(笑)⁡
⁡⁡
⁡⁡🌙S9
休演になったまのあ澪ちゃんの代役でコーラを演じる奏羽美緒ちゃん(あら、二人とも「みお」ちゃんだ!)が持ってきた婚約祝いのケーキを、やけ酒煽った上に床にうち捨てるコラード。
昨日の今日で婚約破棄されたらそりゃそうなるわな。
なんか、グラツィアったら「婚約は破棄するわね。じゃあね」位の軽さで指輪返してたものね。
ある意味自業自得なんだけど、一寸可哀想ね。

昨日の今日で…なもう一人…フィデレはヴィットリオ以外で唯一サーキ皇子の正体を知っていて、恐怖と二人を見張るために一睡もしないまま午後を迎え、目の下にクマまで作っていた。
もうさ、ヤス。凄すぎるねん、クマ(笑)真っ黒て(笑)
最初、メガネの影かと思ったよ(笑)
忠実な使用人頭だけど、こういの苦手なのねって(笑)
ビクビクしてる彼を不思議そうに見つつヴィラでの休暇を満喫する皇子(笑)
たったこれだけで面白いわ。

🌙S10
ほっつき歩い…じゃない…色々満喫してる皇子が、楽しげな音楽に誘われて部屋に入ると、グラツィアの兄ロベルトの妻アリスがいて、ダンスに誘われる。
「踊ったことなんて(ない)」ってしり込みする皇子に「逃げようたってダメ」と強引に誘うとこが、アメリカの女子らしいし、人妻だった大人の女性っぽいよね。

それにしても、りりちゃん!今作品の敢闘賞と助演女優賞ものでしたね!
パワフルな歌とダンスで、トップスター月城かなとを振り回すんだもの。
見ていて気持ちよかった。

アンサンブルが踊ってる時に、タップシューズに履き替えてるんだけど(早替わり)、れいこちゃんのシューズのヒール…普通にメンズだから、最初から一寸パンツ丈が短いのよね。
男役さんの靴下(とゆーか足首💕)がチラ見えするのに萌えたのは私だけかな(笑)
れいこちゃん、タップ15年振りとか...。⁡
⁡…確かにねぇ…雪組じゃタップあるような海ミュ回って来なかったもんね~。月組に来た後もね。
や、でも、ちゃんと音出てたのは凄いと思う(マイクもちろん仕込んでたけど)。
ダンサーちゃうからね、期待値低め設定なんで、もう感動ものですよ🤣←コラ。⁡
そういえばアンサンブルのタップの時、ミニエッフェル塔やミニ凱旋門のセット(小道具?)が出てきて、もう、「CASANOVA」思い出しましたよ。あの演出大好きでした♥️

テンションの上がったアリスが、皇子にキスをする。
咄嗟のことに固まる皇子(笑)

れいこちゃん…じゃない…皇子…ファーストキスを年上の女性(本当は違うけど)に奪われるとかって…なんか…なんか…なんか...やね←伝われっ💦

初めてのキスに、何かを感じたものの、「もう一度キスしましょう」と言われて、咄嗟に拒否したのは、「これは愛じゃない」ってわかってきたから。

でも、夫を亡くし、奔放に生きてるアリスに「(いつ死ぬか分からないんだから)今を楽しみましょう」と誘われて、一寸試してみようという気になる皇子。

皇子...や、死神って、自分に向けられる「好意」に弱いんじゃなかろうかなと思うわ(笑)

カウチに倒れ込むように、彼女の目を見てキスしようとした直前、誘った本人が「やっぱりダメ!」と飛び退る。
色々言い訳してたけど、愛する人を亡くし、きっと「死」の淵を覗いた事があるアリスにとって、サーキの瞳は怖かったんだろうなと感じました。
本気じゃなかったと問われて素直に答える皇子(笑)
聞いといて「冷たいのね」と言い放つアリス。
「そういう種族なんだ!…私たちロシア人は…」って一寸ロシアの方からクレーム来そうな事言ってましたけど(笑)
このやり取りが、こういうこと初めてに感じない位大人なんですよね~。
走り去った彼女追うことなく、悔しそうな悲しそうな、なんとも複雑な顔をした皇子が、いい男すぎました💕
どういう心情だったんだろう。「傷つけた」って感じたのなら一寸成長したやんってなるな(笑)
⁡🌙S11A
デイジーが「後で来る」と言っていた兄のエリックがパイロットスーツ姿で現れた。
遅く着いたのは、エンジントラブルで飛行機が墜落したから。
…この人も「死神の休暇」の恩恵受けたのね(笑)

あ、パイロットスーツの引き抜き、めちゃくちゃ綺麗に決まってて、だいぶ(桃ちゃんとヤスと)お稽古したんだろうなって思わずにはいられませんでした(笑)

「生きてるのが不思議」と言いながらどこか冷静なのは、死が身近にあったからなのかな。
だからこそ、サーキをひと目見て(なんだったら二度見して)「前に会ったことが…?」って思ったんだろうな。

2人が顔を合わせたのを見てフ~っと倒れそうになるヴィットリオと、慌てて支えるフィデレが絶妙に面白い(笑)

サーキがこの家との繋がりとしていた「亡くなったロベルトの友人」という設定。一番の親友(一蓮托生レベルの)が現れて、どうなる事かと思ったけど、…嘘がお上手で…殿下(笑)ま、嘘ではないけど友人かって言ったら…そうじゃないからね(笑)
🌙S11B、S11C
親友の(自分の知らない)「亡くなる少し前の友人」と聞いて、昔のことを思い出すエリック。
NOW ON で話してた「(ページ)めくってもめくっても、まだある(歌とセリフ)」の所ですね。
若かりし頃(といってもそんな昔じゃない)のエリックとロベルト。

飛行訓練場からずっと一緒だった二人。
身分や国籍関係なく、絆で結ばれたフライトパートナー。…バディってやつですよね。⁡
ここの場面見てて、紅の豚が脳裏をかすめつつ、キャンディキャンディ思い出してました。ああ、子供の頃はよくわかってなかったけど、あの時代って、第一次世界大戦前後の頃だったんだ。⁡
単座 の複葉機。スピードも後の戦闘機に比べたら可愛いものだから、紅の豚では、声や銃弾が届いたり石(レンガ?)投げたりしてましたよね(笑)キャンディキャンディでも、主人公の友人と敵軍のパイロットがお互いを認識し合ってたってとこありました。
ので、戦って散っていく敵、友人の最期の姿を目の当たりにすることもままあったでしょう。
親友となったら尚更辛い記憶になるでしょう…てかPTSDものですよね。⁡
その親友が死んだ時、彼のあの目を見た気がした...。

戦争中、何度も逃れたはずの死神の爪先を思い出す目。

ここも映像とダンスナンバーが物凄い効果的で...。

激しい空戦と、恐ろしく美しい死神の目。
悪魔のようなドイツ兵(ゲリーってドイツ兵の蔑称であってます?)の機体。⁡
⁡⁡
⁡落ちていくロベルトの、恐怖に満ちた笑顔。⁡
⁡ヤングロベルトの七城くん、言い方アレですけど、ほんとにいい顔してたと思います。
一寸心えぐられました。

戦争ってやっぱり残酷だ。こんな簡単に人が死ぬ。人の命がこれ程軽くあることなんてないだろう。
死神が人の魂を求めてる訳ではないけど、彼に魅入られたらそれは死を意味する。
この中にあって軽い命ではあるけど、彼から逃れたい…。
そう思って戦ってた。

アリスと同じくエリックもまた、ロベルトの死を目の当たりにして、サーキ皇子に違和感を感じる。

ロベルトって、回想シーンしか出てこないけど、この作品のとても重要な役どころだなと思います。後の場面でもあるけど、彼という人がいたから今生きてる人の命や人生が浮き上がってくる気がします。そして、一寸した(?)警告に…。

⁡⁡
⁡🌙S11D
夕食の後の団欒に、サーキが入ってくると、気まずさからか少しの恐怖からか、逃げるように出ていくアリス。
少し追おうとして、諦める皇子。
その様子に全く気付かないグラツィア。⁡
ふと振り返ると彼がいる。
はにかむグラツィア。⁡
…グラツィアサイドから見たら、これって一寸アレだわね。
あんなに盛り上がったすぐ後に他の子(それも義姉!)とキスして未遂とはいえ押し倒しかけたんだからねえ(ま、グラツィアも婚約者いたけどさ)。
観てる私たちがドキドキするわ🤣

ま、そんななんやかやあって、何となく暗い雰囲気を払拭したいママステファニーが、「今からは、愛やロマンスの事しか話してはいけない事にしましょう」と提案する。

大恋愛やロマンス…運命の恋人たちには、悲劇的な「最期」が多い。
決して明るくはないんじゃないかなと、言外に匂わせてダリオ医師が茶化す。
案の定、この家に伝わる悲劇の「洞窟の恋人たち」の話が持ち上がって、辟易するステファニーをよそに、「聞きたい」という皇子(とデイジー)の為に、グラツィアが話し出す。

愛のために自ら死を選んだ二人。
サーキ…死神にとって、人間の死生観を知る上でとても興味ある話だろうな。

愛とはなんなのか…深遠を探りたい。

でも、今は、死神としてより、生きてるニコライ・サーキとしてそれを知りたいと思ってる様に感じました。

グラツィアが話しはじめると、その恋人たちが現れて、踊り出す。⁡
客席的に物語の補填的なイメージ的な意味合いの登場だと思いきや、それにただ一人気付いて、じっと見つめる死神の視線で、彼らの魂…や、残留思念的なものかな…だと思い知る。

そして、死神は彼らが死して尚、手を固くにぎりあい、「永遠に一緒にいられる唯ひとつの道」を選んだのだと…あの時導いた二人だと知る。

自分と同じことを思ってると知ったグラツィアは、皇子を洞窟に案内してあげると言い出す。⁡
もちろん夜だし、年若い(それも貴族の)娘のすることではないし、ヴィットリオ的には死神と娘を二人っきりにする訳にはいかない。⁡キツめにそれを叱責する。
グラツィアに優しく「先に行ってて」と囁いていたサーキを、ヴィットリオは、強く責める。
それを聞いて、ここにいる(ヴィットリオ以外)誰も聞いたことの無い低く恐ろしい声で、「邪魔をするな」と逆に激怒するサーキ皇子。⁡
こ…怖い…ヴィットリオじゃなくても「どうぞお好きになさって下さい」ってなるわね💦
それを聞いてまた、温和な皇子に戻って「Buona notte」って出ていく。

お茶目に惑わされてたけど、この人(人?)死神だったわって、冷水浴びせられた気分だよね。
🌙S12
洞窟の恋人たちに誘われるように洞窟に入ってきた二人。
このセットがね、やっぱり「ファントム」彷彿とさせるんですわ。
つる性植物のカーテンに気温の低そうな薄明かり。控えめに反響する声。
思ったより広めな中に祭壇が置かれている。

ここに子供の頃から1人で来てたとか、グラツィア…ロマンチストとか、そんな話じゃなくないかい?(笑)

何不自由なく家族や周りのひとから愛情を受けて育っても、彼女の本質は違うものを求めていたのかもしれない。

心のままに生き、そして死ぬ。
一人の人間として、それは自由でいたい。
それが例え、無茶した事故でも、恋しい人の為でも、戦争に従軍したとしても…自分で決めた結果ならいいと…そういう考えなのかな。
ま、ロマンチストだからそこに愛がなけりゃ…なんだろうけど。
…そう考えると、よくコラードと婚約したな…グラツィア(笑)

なんとなく、死が愛する人達を引き離す…良くないものなんだなと理解し始めたサーキは、死は常に悲劇的なんだろうか…と、自分(死神)のアイデンティティを恨めしく感じる。
だが、グラツィアは「必ずしもそうでは無い。少なくともこの二人には」と断言する。
それを聞いてホッとした顔する死神。
…なんだろう…グラツィアは彼の正体を知らないのに、こんなに彼を励ますことが出来る。
そういう魂の持ち主だからなんだろうな。

洞窟の恋人が残した日記を読み聞かせるグラツィア。
二人が永遠に一緒にいられるのなら、死をも厭わない。

彼女の言葉に呼応するかのように恋人たちが二人の周りで踊る。確かに幸せそうだ。

日記の、力強くキッパリとした言葉に、自分自身を重ね合わせる二人。
彼女にとって、死は恐怖では無い。
自分を恐れない、この美しい人に抱くこの感情こそが「愛」なのだと…そしてそれは、離れ難い強い思いなのだと、死神は…知った…や、知ってしまった。
⁡⁡
⁡続きます!⁡
⁡次から2幕ですー💦