遅筆な上に長文という、最悪スタイルになってしまいましたが、私個人の「チケット半券に見る2019年観劇記録」(①はこちら)…続けたいと思います。

※書き上げるのに時間がかかりまして、年が変わっておりますので……文中の今年は2019年、来年は2020年でお読み下さいませ※






観劇記録(月を跨いでいる公演は、初日月にカウント。☆はOG出演公演、※はその他の公演)




1月
星組大劇「霧深きエルベのほとり」  2回。
月組国際フォーラム「ON THE TOWN」1回。
月組バウ「Anna Karenina」2回(うち1回ライビュ)。


2月
☆ブリーゼ「GIRLS REVUE」3回。
 花組大劇「CADANOVA」1回。


3月 
月組大劇「夢現無双」10回(うち1回新公)。
雪組バウ「PRPRince」2回。
※オリックス劇場「六本木歌舞伎 羅生門」1回。



4月
宙組大劇「オーシャンズ11」2回。
         

5月
星組DC「鎌足」1回。
月組東宝「夢現無双」2回(うち1回ライビュ)。
雪組大劇「壬生義士伝」7回(うち1回新公)。


6月
☆ブリーゼ「囚われのパルマ」3回。
       

7月
星組大劇「食聖」2回。
月組青年館「チェ・ゲバラ」1回。
月組梅芸「ON THE TOWN」1回。

8月 
月組DC「チェ・ゲバラ」3回。
花組大劇「A Fairy Tale」1回。
雪組東宝「壬生義士伝」1回(ライビュ)。
 

10月
月組大劇「IAM FROM AUSTRALIA」9回。
☆メルパルクホール「NARUTO」2回。
雪組全ツ「はばたけ黄金の翼よ」1回。
雪組DC「ハリウッド・ゴシップ」1回。
  

11月
星組梅芸「ロックオペラ モーツァルト」1回。
宙組大劇「EL Japon」1回。


12月
月組東宝「IAM FROM AUSTRALIA」3回(うち1回ライビュ)。
☆eplus「ビバGIRA×2」1回。
梅芸 「タカラヅカスペシャル」1回(ライビュ)。


総評続きです。

雪組は。
引き続き、良作に恵まれトップコンビの充実と相まって、今年1番勢いのある組だと思います。
なのに…ひとこちゃん(永久輝せあ)が花組に移動が決まり、またもや「和物の雪組」継承の件が心配になってきました。

私的にひとこちゃんのバウ初主演作品「「PRPRince」」が、今年の(雪組の)初観劇だったんですけど…。
今作品がデビューの町田菜花先生の、びっくりするくらいイマドキな脚本と、和物なら任せろ!なイメージが強い雪組若手の、やたら軽めの芝居が絶妙にマッチして、本当に楽しくて楽しくて…大好きな作品でした。
本当に…この子達なんでも出来るんやな…と感じましたし、若手の先生のデビュー作は力が入ってて楽しいなと感じました(笑)2回観られて嬉しかったです(笑)

そして、「壬生義士伝」!
これが…原作は未読ながら、新選組ファンですから、映画とドラマはしっかり見た作品でしたので、月組の「夢現無双」と逆にダーイシ(石田昌也先生)やで?!絶対スベる!と、せっかくの幕末ものなのに残念やと初日前まで嘆いていたんです。
ところがっ!
蓋を開ければ(ダーイシの)今までの幕末ものとは違い(笑)、大変良い作品でした。
ダーイシ演出というだけでなく、宝塚の作品としては泥臭く地味な主役の話ですから、色々心配はしていたのですけど、だいもん(望海風斗)はじめ、組の演技技巧者や殺陣専科(笑)のメンバーが本領発揮とばかりに実力をみせて…本当に…「宝塚ビギナーにまず見てもらいたい作品」に入る程のものだったと…リピートしながら思いました。
…とはいえ、やっぱり邪魔な場面が鼻を付き(明治の場面)、せっかくの盛り上がりをぶち壊してしまってましたね。つくづくダーイシとは合わないんだなぁと痛感しましたえーんそれだけ、本当に残念でした。

続く全国ツアーの「はばたけ黄金の翼よ」は、むかしむかし、知人から布教活動(笑)でテレビサイズにカットされていたショートバージョンでしたけど、ビデオテープ(←時代っ!)を借りて見ました。面白くて、原作も買って(原作めっちゃ好き!)、結構思い入れのある作品になってたんです。
ので。再演を両手を挙げて喜びました。
ただ、やっぱり昔の脚本なので(知人から昔の脚本見せてもらった)、そこは奈穂子ちゃん(小柳奈穂子)先生なんとか良いようにしてね…と思いつつでしたけど。
で。
もぉ、結構無理お願いしてチケット1回分だけ取って頂けたんですけどね…。
みなさん、「よかった」と仰ってましたので、私が期待しすぎただけなのか…と思うのですが…。
結果として、「思ってたのと違う~←前回との比較に在らず」となってしまい、後味の悪い観劇になってしまいました。
宝塚だから仕方ない…といえばそれまでなんですけど、とにかく余計なキャラが多すぎて、肝心なメインキャラの行動が端折られ過ぎて…もぉ…。
昔の脚本やなぁ…奈穂子ちゃん先生、なんで変えてくれへんかったん?って思いました。
きーちゃん(真彩希帆)のクラリーチェは、流石に天使♥と思いましたけどね(爆)
この作品を最後に、ひとこちゃんとひらめちゃん(朝月希和)が花組へ…。

DCの「ハリゴシ」は、主役張り倒すヒロイン再び!なじゅんはな(潤花)に惹かれて観たのですけど(爆)
…見る前に一寸ネガティブな感想聞いてたんですけど、これはまた…とてもよかった。さきな(彩風咲奈)のお役も、翔くん(彩凪翔)のお役も、とっても人間くさい…一寸やな奴で(笑)逆に好感持てるわ(や、友達にはしたくないけど)って感じましたし。
なにより、田渕(大輔)先生、よくぞこんなお役を翔くんに当てましたねと、や…いっそ感動しました。
やー…観ようによったらこれ、イヤミだよねぇ…。集合日に、読み合わせした時の翔くん…どんな気持ちだったかしらって…そう思ったんですけどね、逆にこの役やり遂せるのは、彩凪翔しかいない!とも思いました。
本当に…怪演でした。役者として、素晴らしかった。
怪演といえば、みとさん(梨花ますみ)を挙げない訳にはいきません!
年下の元恋人が生死の境をさ迷っている時、傍に行くことも出来ず平気なフリを装ってるんだけど、泣いてメイクが崩れたのにも気付いてない位動揺してる…あの場面を観た時、息を飲みました。
素晴らしかった。
田渕先生…もしかして、こっちサイド(翔くん側)を主役に描きたかったんじゃないの?と思った程でした(笑)

ま。何れにしても、雪組は安定しかない位安定してますから、何持ってきても見る価値はありました。来年の雪組も楽しみですね。




星組は。
べに(紅ゆずる)とあーちゃん(綺咲愛里)が夏に退団すると発表して、代替わりの1年になりました。
てっきりくらっち(有沙瞳)が次代の娘1だと思っていたので、ひっとん(舞空瞳)の組替え→娘1就任には驚かされました。
2人の相性が良いようでそれはよかったんですけど。くらっち…せおっちとの相性も良いですよね。でも…個人的には…「月にお嫁においで~」な気分です(笑)

で。
お正月公演「エルベ」から始まりましたね。
作品どうのというよりも、台詞の単語が古すぎて、いちいち耳に障ってしまい、どうしても入り込めなかった残念な作品で…。初めてウエクミ(上田久美子)先生の作品作りに疑問を感じました。
元の作品が大好きなのは良いし、確かに良い作品だとは思いますが、…現代の観客に見せる工夫をもう少しして欲しかったと思いました(詳しくはこちら)。
や、初演ご存知の方は、「だいぶ演出変わってる」とは仰ってましたけどね…。
べにの芝居がよかったのは、本当によかった。そして、星組のパパ(今回はママか…(笑))、じゅんこさん(英真なおき)が出演してくれてて、本当によかった。

そして、5月のDC「鎌足」。
べにたちが退団発表されての公演だったので、観られて良かったですけど、それなしにしても…本当に…よかった!羨ましい程に…!流石です!ナマタ(生田大和)先生!脚本が本当に素敵でした。
べにの鎌足、みつる(華形ひかる)の入鹿、せおっち(瀬央ゆりあ)の中大兄。
3人の想いがすごくて…息苦しい程によかった…。
後、ヒロさん(一樹千尋)とミッキー(天寿光希)…そして、くらっち!この3人も本当に良い芝居を見せてくれました。
さよなら公演ではないけど、星組の「トップに向ける集中線(笑)」を熱く感じました。

そしてとうとうべにの退団公演「食聖」。
ポスター出た時からどよめいてましたけど…これは100%期待しかなかったです(笑)
べにの退団公演は、笑えて泣けてお祭り騒ぎな感じだろうと思っていたので。
そして、本当にそんな感じの作品で。
どうしても2回しか観られなかったんですけど、もっと観たかったです。
人間として、役者として、私はべにが大好きです(ご贔屓とかとは別次元)。紅ゆずるという、稀有なトップスターをリアルタイムで観ることが出来ている貴重さを、もう少し噛み締めていたかった。そんな感じでした。


その後の、息付く暇もない勢いで、まこっちゃん(礼真琴)とひっとんのプレお披露目「ロクモ」がありました。
ご好意で初日観たんですけど…いやはや…やっぱりダーイシやな…な作品でしたね(どこまでいじってるか知りませんけど)。
何言いたいか分からないし、キャラ(性格)安定してないし、場面繋がらないし…。
もぉ、本当に申し訳ないですけど、2幕はみんなのお歌堪能するのみに集中しましたよ。
あー、ホント、歌は全く問題ないし、芝居だってみんな上手い。もちろん期待もしてる。
だけど…先行き(どんな先生に当たるだろうか)不安になった、プレ公演でした。



宙組は。
今年の初めに「生え抜き組子」の愛ちゃん(愛月ひかる)が専科に移動となり、(ファン的に)不本意ながらも、同期2番手3番手(?)な立ち位置が解消されて、宙組の体制がこれで固まったかなと思いつつ、密かな不安も湧き出たりして…来年も落ち着かない気がするなぁと、他組ながら心配してます。

で。
びっくり「オーシャンズ11」再演から始まった宙組ですが。
今の宙組にはぴったりな作品だと感じました(笑)
イケメンだらけで、現代的(いつの現代かはアレですけど)で、スタイリッシュで(笑)
元星担としましては、やっぱりマカゼくん(真風涼帆)のダニーと、キキちゃん(芹香斗亜)のラスティーを「大きくなってぇ~」と母な気持ちで見てしまいました(笑)
まどかちゃん(星風まどか)の大人の女もなかなかに良かったと思います。ま、可愛いんだけどねー。ダニーが構いたがるのわかるわーって感じ?(笑)
それにしても、ずんちゃん(桜木みなと)の(路線スターとしての)成長は著しいですね!初演のべにや、再演のだいもんとはまた違うアプローチで、ある意味1番野心家に見えたと感じました。


年末の「ハポン」は、久しぶりのタクジー(大野拓史先生)の和物(?)でしたので、めっちゃ楽しみにしていました。
まぁ…私の期待していた「タクジーの和物」ではなかったですけど(笑)かなり面白かったです。
歴史的にあまり注目されにくい事柄をクローズアップするって所は、やっぱりタクジーだなとは思いましたけど(笑)

キキちゃんのお役が賛否あったみたいですけど、私は結構美味しいお役だったなと思ってます。初見では盛大笑って驚かされました(笑)
人買いに攫われた娘たちの、お国言葉がバラバラだったのが、密かにツボでした(笑)
ショーの客席降りは、なかなか腰砕けもので面白かったですね。台詞でなくてアドリブだったらもっと良かったのに…と、こっそり思ったのは内緒(笑)



で。今年の1番好きだった作品なんですけど。
今年は難しい…ですが…「CASANOVA」です!
脚本、演出(生田大和先生)、音楽(ドーヴ・アチア氏、太田健先生)、装置(二村周作先生)、お衣装(有村淳先生)、演者、全てに於いて素晴らしかった。見応えがあったし、なんといっても、ヒロインへの感情移入がハンパなかったのが素晴らしかった(笑)
カサノバなのに、大人な話でなくて冒険活劇ってのもよかったです。



来年も、心躍る楽しい作品が沢山出てくれたら嬉しいなと思います。若い演出家のデビューも楽しみですし、組替えした人たちや、下級生ちゃんの成長も沢山見たいですね。
個人的には、れいこちゃん(月城かなと)の主演とか…観たいなぁ(笑)




観劇後、感想を書かずの作品が多くなっていましたので、感想がてらの総評となり、いつにも増して長くなってしまいました。
申し訳ございません。
ここまで読んでくださったみなさま…ありがとうございました。