私が初めて星組の舞台を観たとき、シメさんは2番手さんだった。
すでに大スターさんだった。
すごい個性で、なのに正統派の、なんとも魅力的なスターさんだった。
縁あって、ある方の応援をさせていただいていたので、ものすごく注目して観ていたわけではないのだけど・・・。
やっぱり、この人の芝居、好きだわ。
大阪弁でいうところの「しゅっとした」スターさんなのに、下町?とも思えるほどに人情あふれてる、温かい人柄が滲み出たその演技が・・・。
エリザベートのトート。
すでに何人もの役者が演じた役。
私は全部観た訳じゃないけど、「こんな演じ方があったか!」と膝を打ちたくなった。
初演、「これでいっちゃんは退団なのか」と、ある意味ビックリするほど人間離れした怖さを感じた。
続演、いつもはなんやかんやで、優しさを捨てられないキャラが多かったまりこちゃんが、やっぱり一寸人間的に演ってた。ダンスのぞくぞくするセクシーさがたまらなかった。歌になると客席が心なしか緊張していたような・・・(笑)
3作目、ビデオで見ただけだけど、前回と真逆に(笑)、ずんこちゃんの歌のパワフルさが、熱いトートに感じた。
4作目、観てないわ・・・残念。
5作目、も、観てないわ・・・残念。
6作目、意外にお気に入りだった、ミズの現代的なトート閣下。強気なとなみ・エリザと、つかみ合いになるんじゃないかと思うほど、感情をぶつかり合っていたのがかえってよかった。
7作目、ヨユーのあさこちゃん・トートは、可憐すぎる少女のようなエリザに、ガラス細工に怖くて手が出せないってとまどいを感じた。
で、シメさんだよ。
なんかねー。
いい意味で、ワガママ王子。
自分の言うことを誰にも否定されたことがない、子供が大人になった人。
いい意味で!
だから、今まで一人だったし、かしずくひとがいっぱいいるから寂しくないし。
それ以前に、死だし。
エリザを最初に見たとき、生きる喜びに満ちあふれている少女に心奪われた。
だから返した。
いつか自分の元に(自ら望んで)来るはずだと、そう思った。
なのに彼女は、いっこうに自分を求めない。
ちらちら見るくせに、駆け寄っては来ない。
「なんでやねん。」と一寸イライラする。
でもこっちから「来て欲しい」って言うのはシャクに障る。
段々腹が立ってきて、意地になってきた。
「腹立つー!!なんで俺の思い通りにいかへんねん。」そんな心の声が聞こえる。
態度に出る。
で、一寸困らせてやろうと、旦那の浮気を知らせたり、子供を代わりに自分のモノにしたりした。
けど、彼女は来ない。
腹が立つ。けど、ヒトにとっては長い時間を待つことにした。
あせってはいけないと思ったのかも知れない。
彼女自らこの胸に飛び込んできて貰わなければ、意味がないのだから。
時が来て、彼女を胸に抱く日が来た。
死というモノ、ヒトにあらざるモノである自分に、こんな幸せを感じる心があったのかと、身体を震わせて思った。
「愛」というものの意味を知った。
そんなトート(笑)
関西弁なのは、シメさんと私が関西人だから(爆)
初めて。
トート観て、にやにやしたの。
可愛いと思ったの。
シメさん・・・よく考えなくても、今日のキャストで最上級生だよねぇ。
てか、初風諄さんだけよね?上級生・・・。
なのに、ものすごく若くて可愛いトートに思えた。
や、もちろんそれだけじゃないよ。
オープニングとかフルキャスト出て、みんなを従えてるとことか、一人すーっと出てくるトコとか、さすがの迫力。
何年も舞台に立っていなかったなんて、絶対思えないオーラがある。
色々凄すぎて、鳥肌立つわ、涙は出るわで、忙しかった。
ほんっとに好き。
シメさんトート。
大阪でもう一度観られるのが楽しみだ。
パワーアップしてるかも(笑)
あ、・・・すずみんが何年かしてトートやったらこうなるかなって思えたのは蛇足(笑)