人々の生活の大きな助けになっているIT技術だが、悪意ある第三者が利用して個人情報を盗む事件も多発している。ハッキングをはじめとするサイバー攻撃には、高い知識とスキルを持って対処しなければならない。そうしたクラッカー側がしかけるサイバー攻撃を防いだり、攻撃を受けた場合に迅速なリカバリ対応したりする人材として重要になるのがホワイトハッカーだ。ハッカーという言葉にマイナスイメージを抱く人は多いが、コンピュータに関する高い知識とスキルを有する人全般を指す言葉であり、悪意のあるハッカーはクラッカーやブラックハッカーと呼ばれる。

ホワイトハッカーは企業のシステムのセキュリティ対策や脆弱性診断を行い、機密情報やシステムを利用するユーザーの個人情報を保護する役割を担う職種だ。だが、実際にはホワイトハッカーという名称で仕事に就いているケースは少ない。ホワイトハッカーはその仕事内容から、セキュリティエンジニアという名称で仕事にあたることが多いのだ。セキュリティエンジニアは名前の通り、システムやネットワークのセキュリティを担保する役割を担い、セキュリティ性を高めるプログラム改修や運用保守を行う。厳密には、セキュリティエンジニアがセキュリティに特化しているエンジニアなのに対し、ホワイトハッカーはコンピュータ全般の知識に特化した人という違いがある。企業ではセキュリティ保護のためにホワイトハッカーを雇うケースも多く、どちらも密接な関係にあるのだ。