人々の生活の大きな助けになっているIT技術だが、悪意ある第三者が利用して個人情報を盗む事件も多発している。ハッキングをはじめとするサイバー攻撃には、高い知識とスキルを持って対処しなければならない。そうしたクラッカー側がしかけるサイバー攻撃を防いだり、攻撃を受けた場合に迅速なリカバリ対応したりする人材として重要になるのがホワイトハッカーだ。ハッカーという言葉にマイナスイメージを抱く人は多いが、コンピュータに関する高い知識とスキルを有する人全般を指す言葉であり、悪意のあるハッカーはクラッカーやブラックハッカーと呼ばれる。
ホワイトハッカーは企業のシステムのセキュリティ対策や脆弱性診断を行い、機密情報やシステムを利用するユーザーの個人情報を保護する役割を担う職種だ。だが、実際にはホワイトハッカーという名称で仕事に就いているケースは少ない。ホワイトハッカーはその仕事内容から、セキュリティエンジニアという名称で仕事にあたることが多いのだ。セキュリティエンジニアは名前の通り、システムやネットワークのセキュリティを担保する役割を担い、セキュリティ性を高めるプログラム改修や運用保守を行う。厳密には、セキュリティエンジニアがセキュリティに特化しているエンジニアなのに対し、ホワイトハッカーはコンピュータ全般の知識に特化した人という違いがある。企業ではセキュリティ保護のためにホワイトハッカーを雇うケースも多く、どちらも密接な関係にあるのだ。
IT業界において、サイバー攻撃から大切な情報を保護する役割を担うホワイトハッカーは極めて重要な存在だ。優秀なホワイトハッカーは企業のいち社員としてだけではなく、国の重要なシステムを保護する仕事に就く場合もある。ITが普及した今、情報に大きな価値が出てきているため、ホワイトハッカーのような職種の需要は高まり続けることが予想できるだろう。だが、ホワイトハッカーを目指す場合は非常に難易度が高い。サイバー攻撃をしかけるクラッカー側も、非常に高いコンピュータスキルを駆使してくる。そのため、保護側も相応のスキルを持って対処にあたらなければならないのだ。
優秀なホワイトハッカーを目指すには、あらゆる分野の学習を入念に行う必要がある。システム開発に関する知識は不可欠で、システムをサーバー攻撃から守るためにシステムの仕組みを理解しておかなければ、脆弱性診断も十分にできない。システムを構成するプログラムを理解するには、プログラミング力も磨いておこう。そして、セキュリティやネットワークに関する分野の知識も必要だ。サイバー攻撃はネットワークを介して行われるため、どんな通信のもとで攻撃されているのかネットワークを理解しておかなければ理解できないだろう。併せてセキュリティの知識をつけておくことで、攻撃を封じる施策を打つことができる。このようにさまざまな分野を勉強する必要があるため、ホワイトハッカーを目指す場合は高いモチベーションを維持して知識習得に取り組もう。その足がかりとしてこちらを読んでみると良い。