4月13日 ストロンチウム、4号機 小出裕章氏
http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/04/13/tanemaki-apr13/

小出裕章助教のお話は、毎回とても重要です。

出来る限り短くまとめましたので、絶対読んで下さいね。



司会)レベル7の話は大きな衝撃だったが、過大に見ている人もいれば、遅すぎたという人もいる。

小出さん感想を。

小出氏)今さら何も言う事はない。紛れもなくレベル7で、余りにも遅すぎと思う。

司)原子力安全委員会の、ある委員が「3月23日の時点で、福島第一原発からの放射性物質の放出量がレベル7に該当する可能性が高いと解っていた」と言った。

小)当然だ。もっと前に解っていた。

夕刊には、3月15日から17日の間に、既に解っていたと書いてあった。

司)この時に急に放出量が増えた。

近藤氏)それは、我々の心理的影響とかを考えに入れながら情報を操作しているという事なのか。

小)そうだと思う。要するに政府としては、事故を小さく見せたいという動機がずっとあったと思う。

近)言い方も訳の解らない言い方をして、結局は避難しなくてはならないという結論に至る、そういう情報操作に似ている。

このレベル7というのは、国際的にも色々な声があるが、もっとマイナスの要素を考えておかなくてはいけないという訳か。

小)それは事故がどんな事故だったかという事を評価するための尺度だ。

レベル7というのは最悪な事故というレベルだが、比較的放出量が少ない事故も、もっと大きな事故も、全てレベル7に含まれてしまう。

現在、福島の事故はレベル7に入っているが、まだ比較的放射能放出量が少ないという段階にある。

ただし、困った事と言うか恐ろしい事とは、まだ事故が進行中という事。

近)ある種の覚悟をしておけ、と言われているような気がする。

1~3号機が7で、4号はそうではないのか?

小)4号機は、原子炉自身が止まっていたという事が、おそらく尺度から漏れている理由だと思う。

でも本当は、4号機まで含めなければいけないと思う。

近)1~4号機、4つも抱えているから7だという言い方も可能か?

小)そう、今の放出されている放射能は、何号機から来たのかを区別して調べる事ができない。

福島原子力発電所からどれだけ出て来たかを、今推定している訳で、それを合算すると確かに7の領域に入っている。

その中には、4号機からの影響もあるので、4号機も含めて言うべきだと思う。

司)その4号機の使用済み核燃料プールの水温が90℃まで上昇しているという情報があるが、これはどういう事か?

小)普段は使用済み燃料プールの水も温度が上がって来るので、ポンプを使って冷却している。

だが、そのポンプが回らないので、今は注水だけで温度を下げようとしている。

通常の冷却回路が失われているので、どうしても温度が上がってしまうのは仕方がない。

普通は40℃位。

司)これに、水をどんどんと注入している。

小)ずっと東京消防庁の消防車が行ったり、あるいはコンクリートを流すためのホース車が行ったりしてやって来た。

司)水を入れれば、温度は下がるのではないかと思うのだが、どうして上がってしまうのか。

小)多分しばらく入れるのを止めていたのではないかと思うが、物凄い被曝環境下なので、水を入れるという作業も困難を伴っている。

しばらく水をいれないうちに温度が上がってきてしまったのではないか。

司)以前に、4号機は水素爆発をしているが、その前日の温度が84℃だったというデータがある。

それを上回る90℃、この事についての懸念は?

小)もちろんある。「使用済み燃料プール中の放射性物質の濃度が高くなっているので、燃料が破損しているかもしれない」と東京電力は言っている訳だが、そんな事は当たり前。

ずっと前に4号機の使用済み燃料プールの建屋で爆発が起きている訳で、水素が出たという事は、燃料棒の被覆管という金属のさやが、水と反応していたという事を示している訳で、もうぼろぼろに壊れているはず。

だから、中から放射能が出て来るという事は当たり前で、今回の90℃という事も、ひょっとすると燃料棒の頭が水の上に出ているのではないかと心配している。

司)東京電力が、4号機のプールの水に含まれている放射性物質の量などを調べた結果、「燃料の一部が破損しているが、大部分は健全」と発表した。

小)たぶん燃料棒の被覆管が壊れているという事は、認めたのだと思う。

ただし、金属のさやの中に入っているのは、ウランの燃料ペレットという本体だが、それがどの程度破損しているかは、私にもよく解らない。

たぶん東京電力も正確には把握出来ていないと思うが、そのウランのペレット自身がどれだけ溶けているかに関しては、まだそれ程でもないと東電は言っているのだと思う。

司)ただプールの6m上空で計った放射線の量が、通常の10万倍以上だという話だ。

小)それは、水位が減っているからだと思う。

もともとプールの深さは10m位あるべきものなのだが、多分もう深さが5mだとか、あるいはもっと減っていて燃料棒の一部が水面から出ているのではないかと私は疑っている。

司)水面から出ると何が困るのか。

小)水の中に浸かっていないと、冷却が殆ど出来ないという状態になるので、燃料棒被覆管のジルコニウムが水と反応して、水素が出た。

そういう状態は以前にもあった。今回も同じ状態になっているのではないかと心配している。

司)これも、水をどんどん送りこむ以外ないのか?ただそうすると、汚染された水がまた増えてくるというジレンマに陥るが。

小)そうだ。私は、その使用済み燃料プールがどこかで漏れているのではないかと心配している。

水を入れても、結局漏れてきてしまい、それがタービン建屋の下に溜まったり、あるいはトレンチに溜まったり、そして環境に出て行くというルートが出来てしまっているのではないか。

司)この燃料棒も取り出してしまおうという考えもあるようだが。

小)出来るなら、やった方がいいが、とてつもない危険物なので、もちろん人間が近づく事も出来ないし、全てを遠隔操作でやらなければいけない。

そんな事が今、ぼろぼろに破壊された建屋の中で行えるのかと考えると、非常に難しいだろうと思う。

近)その難しい事を検討しているのは、余程の事だと。

小)いずれにしても、やらなければいけない。

いつの時点になるかは解らないが、どちらにしても、それはやらなければいけないので、検討は早くから始めた方が良い。

司)福島県で採取した土壌と葉物野菜から、一部ストロンチウム89と90というのが検出された。

このストロンチウムが検出されたのは、今回の事故では、僅かであっても初めての事だと聞いた。

小)世界では、1950年代から60年代にかけて、大気圏内の核実験というものが大量に行われた。

原爆・水爆というのが爆発させられて、大量の放射性物質が大気中にばら撒かれた。

そして、全世界を汚したが、生命体に対して一番沢山の被曝を与えたものがストロンチウム90だった。

次にセシウム137。

セシウム137は半減期が30年、ストロンチウム90は半減期が28年。

一度環境に出してしまうと、汚染が減らないという代表格の放射性核種。

どうして今日まで検出されなかったかというと、ストロンチウム90は、ガンマー線という放射線を出さないから。

ベーター線という放射線だけしか出さないというかなり特殊な放射性核種で、ガンマー線は簡単に測定出来るが、ベーター線をきちんと測定するのはとても難しい。

それがストロンチウムの分析作業が遅れた原因だと思う。

司)やっとベーター線の測定が出来て、ストロンチウムが解っただけであって、今初めて出て来たのではない?

小)はい、初めから出ていたはず。

その意味では、プルトニウムという物質も随分前に福島原子力発電所の敷地の中で見つかったという報道があったが、それも、かなり初期から出ていた。

ただし、プルトニウムやストロンチウムという放射性核種は、殆ど揮発しないという性質を持っている。

だから、現在の時点では、環境に出て来ている量は、ヨウ素やセシウムに比べるとはるかに少ない量でおさまってくれているという状態。

非常に毒性の高い放射性核種なので、そういうものが出て来ないように、何とか事故を収束させなければいけない。

司)それは具体的に、どういう形で人間に困る物質なのか。

小)ストロンチウム90は、カルシウムという物質と同じ挙動を取る。

カルシウムは、骨を作る主要な物質なので人体にとても必要なものな訳で、ストロンチウムが環境に出て来てしまうと、人間はそれをカルシウムだと思って体の中に取りこんで、骨に蓄積して行く。

骨は血液を作る所。

その骨が被曝する事で、白血病になったり、あるいは骨のガンになったりする。

司)今は安全な値ではあるが・・・

小)安全という事はない。

ヨウ素やセシウムと比べれば、比較的汚染が低い程度で留まってくれている。

近)これは福島の30km圏外で出たそうだ。
そうすると、福島原発辺りで留まっているのか。

小)そんな事はない。風に乗ってあちこちに行っている。

司)菅総理が、原発の近くにはもう20年住めないのではないかと発言をし、またそれを後で撤回していた。

これについては?

小)とてつもない汚染なので、住むという事はもちろん好ましくない。

ただし、ずっとそこの土地で歴史を刻んで来た人達を、その土地から引き剥がすという事は、またとてつもない重さを彼らに負わせる事になる。

どんな汚染があってもそこに残りたいという人はいるのではないかと思う。

司)本当に、ストロンチウムの事も含めて、4号機の行く末も何とかこれ以上の事にならないようにと祈っている。

<まとめ終わり>



misaさんのブログより転載
http://ameblo.jp/aries-misa/entry-10862234223.html#main