ご機嫌いかがですか?


遅くなりました。体調が落ち着きません。

昨日献血に、たまたま出くわしまして。

困っておられるのならと、献血に協力してきました。


運動はできないですよと言われてましたが、結局、筋トレを軽くしてました。


朝に、図書館で、判例六法を片手にじっくりと法律と向き合いました。


習慣を変える予定です。GWで新パターンデーで取り組みます。


さて、本日は下記の通り

 

▪️知識編

⚫︎民法8

先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は330条の規定による第一順位の先取特権者と同一の権利を有するとされています(334条)。そして、動産売買の先取特権は、33013号に規定されています。そのため、動産質権者が優先することになります(3301項柱書)。もっとも、動産質権者が、動産売買先取特権が存在することを知っていたときは、動産質権者は優先権を行使することができません(3302項)。

記述ウは、動産質権が常に先順位となるよう記載しているものと思われます。そうすると、3302項の場合があることから、誤っていることとなります。


⚫︎民法31 抵当権者の物上代位と、賃借人(第三債務者)による相殺の優劣の問題です。

判例は、抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権をもって、抵当権者の差押え後、相殺はできない(抵当権者=差押債権者に対抗できない)としています。

設問において、AYに対する貸金返還請求権は、Xの抵当権設定登記後に取得したものです。そのため、Aは、Xの差押え後には、相殺をXに対抗できないため、Yに対する貸金相当額についてXに対して支払いを拒絶することはできません(差押えがされる前であれば相殺が可能です)。

なお、この判例は、「抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権」の相殺が対抗できないとしており、「抵当権設定登記前から賃貸人に対して有していた債権」については判断していないといえます。

また、抵当権者の差押えではなく、一般債権者の差押えの場合は処理が異なりますので(最大判S45.6.24)、注意が必要です。

 判例 最判平成13313

「抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後は、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって、抵当権者に対抗することはできない」



⚫︎民法11 

 399条は「債権は、金銭に見積もることができないものであっても、その目的とすることができる。」と定めています。

⚫︎憲法3 判例は、「現行の法制度の下における氏の性質等に鑑みると、婚姻の際に「氏の変更を強制されない自由」が憲法上の権利として保障される人格権の一内容であるとはいえない。」として、憲法13条に反しないとしています。

したがって、記述ウは、婚姻の際に「氏の変更を強制されない自由」が憲法上の権利として保障されるとしている

⚫︎民法18 時効は当事者が援用する必要がありますが(145条)、その当事者(=援用権者)とは字義どおりの当事者(契約当事者や不法行為における加害者・被害者など)だけでなく、(消滅時効の場合、)消滅時効による権利の消滅により直接利益を受ける者をいい、間接的に利益を受ける者は含まれないと解されており(大判M43.1.25、最判S48.12.14)、改正により「保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む」とされました。

抵当不動産の取得者は第三取得者に当たるため、消滅時効を援用することができます。


これに対し、後順位の抵当権者は、先順位の被担保債権の消滅時効を援用できないと解されています(最判H11.10.21)。理由としては、「後順位抵当権者は、・・・先順位抵当権の被担保債権が消滅すると、後順位抵当権者の抵当権の順位が上昇し、これによって被担保債権に対する配当額が増加することがあり得るが、この配当額の増加に対する期待は、抵当権の順位の上昇によってもたらされる反射的な利益にすぎない」とされています。


⚫︎民法4  失踪の宣告後、取消し前に善意でした行為の効力は、取消しによって影響を受けないとされています(321項後段)。この場合の善意は、当事者双方が善意である必要があると解されています(大判S13.2.7)。

設問の場合、Bが悪意であるため321項後段の適用はなく、Aは、Cに対し、当該不動産の返還を請求することができます。

⚫︎民法69 ※ 不法行為による損害賠償の方法は原則として金銭とされます(7221項、417条)。

不法行為の対象となる他人の権利又は法律上保護される利益には、名誉も含まれます(710条)。そして、他人の名誉を棄損した者に対しては、名誉を回復するのに適当な処分を請求することができます(723条)。具体的には謝罪広告の掲載などを請求することが考えられます。

また、不法行為を原因として、差止めの請求が認められることもあります。

※不法行為の成立要件は、一般的に、①故意または過失、②法律上保護された利益の侵害、③損害の発生(とその数額)、④因果関係とされます。(⑤違法性を別個の要件とする見解もありますが、②に含める見解もあります。)

Aは建築基準法に違反して自宅を増築していることから、少なくとも①過失が認められます。

判例によると、居宅の日照・通風は②法律上保護された利益に当たるとされ、Aの過失行為により侵害されたといえます。

何を③損害とするかは難しい問題ですが、日照・通風が妨げられたことによる日常への悪影響や不動産の価値の低下などが考えられます。

そしてAの行為により損害が発生したことは明らかであるため、④因果関係が認められます。

もっとも、自宅の増築で他者の日照・通風が妨げられた場合に直ちに不法行為が成立するとすると、逆に自由が侵害される恐れもあります。判例は、行為が一般的に被害者において忍容すべき程度を越えたと認められるときに、違法性を帯び、不法行為責任を生じさせるとしています。このような考え方は受忍限度論などと呼ばれ、受忍限度を超えない場合は違法性を帯びないため不法行為責任は生じないと考えられます。

受忍限度を超えたか否かは個別具体的に判断されますが、設問のAにおいても、その増築が違法であったとしても、受忍限度を超えず、不法行為に基づく損害賠償義務を負わない可能性があります。

 判例 最判昭和47627

「居宅の日照、通風は、快適で健康な生活に必要な生活利益であり、・・・法的な保護の対象にならないものではなく、加害者が権利の濫用にわたる行為により日照、通風を妨害したような場合には、被害者のために、不法行為に基づく損害賠償の請求を認めるのが相当である。」

「家屋の建築が北側家屋の日照、通風を妨げた場合は、もとより、それだけでただちに不法行為が成立するものではない。しかし、すべて権利の行使は、その態様ないし結果において、社会観念上妥当と認められる範囲内でのみこれをなすことを要するのであつて、権利者の行為が社会的妥当性を欠き、これによつて生じた損害が、社会生活上一般的に被害者において忍容するを相当とする程度を越えたと認められるときは、その権利の行使は、社会観念上妥当な範囲を逸脱したものというべく、いわゆる権利の濫用にわたるものであつて、違法性を帯び不法行為の責任を生ぜしめるものといわなければならない。」



▪️キーワード編

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