ご機嫌いかがですか?

おはようございます。喉風邪をこじらせています。


原因わかりませんが、ここ全くやらないとわけではなくて、最低限の事はやって寝たいと思います。


さて、本日は下記の通り

 

▪️知識編

⚫︎民法9

抵当権の存在を知ったうえで時効取得した場合、抵当権は消滅しないとするのが古くからの判例です。

そして記述エのような事情がある場合も、判例は、「不動産の取得時効の完成後、所有権移転登記がされることのないまま、第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において、上記不動産の時効取得者である占有者が、その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続したときは、上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り、上記占有者は、上記不動産を時効取得し、その結果、上記抵当権は消滅する」としています(最判H24.3.16)。


⚫︎刑法7

原因において自由な行為の理論については、ある行為(全体)が一つの意思決定に貫かれており、その意思決定が責任能力のある状態でなされていれば、行為者に行為全体についての責任を問うことができると考えます。

しかし原因において自由な行為の理論が妥当する場合であっても、原因行為時の認識には無かった範囲の行為は、一つの意思決定に貫かれているとはいえず、責任を問うことはできないといえます。

設問では、飲酒をすると他者に暴行を加えることを認識しているにとどまっており、住居侵入や窃盗については事前の認識はなく、それらの行為が責任能力のある状態でなされた一つの意思決定に貫かれているとはいえません。そのため、住居侵入罪や窃盗罪の罪責を問うことはできません。


⚫︎民訴法39

隣接する土地の境界確定の訴えは、隣接する土地の所有者・共有者の間で合一にのみ確定すべきで、訴訟共同の必要がある固有必要的共同訴訟と解されます。

そのため、共有者の1人でも当事者となっていない場合、当該訴訟は不適法却下されます(最判S46.12.9)。設問のように、共有者の1人が行方不明であっても同様であり、このような場合は、必ずしも甲土地側が原告、乙土地側が被告とならなければならないわけではなく、いずれかの立場で訴訟に関与していればよいと解されるため、Cも被告として(行方不明であるため公示送達によることになるでしょう)訴えを提起すればよいことになります(最判H11.11.9参照)。

このように、固有必要的共同訴訟であるのに、原告が足並みをそろえることができないような場合、その者を被告とする手法が考えられ、入会権の確認訴訟においても同様に考えることができます(最判H20.7.17)。


⚫︎民訴法37

既判力は、訴訟当事者にのみ及ぶのが原則であり(11511号参照)、その他は当事者や係争物と特別な関係にある者に及ぶこととされています(11512号~4号)。

第三者Zはこれらに該当しないため、第1訴訟の既判力は第2訴訟には及びません。そのため、審理の結果Zの請求が認められ、XZ間では甲土地の所有権はZにあるとの結論になる可能性もあり得ます。


⚫︎刑法55

まず甲は、Vを包丁で脅して現金を奪っているため、強盗に当たります。そして姦淫しようとしていることから、強盗・不同意性交等罪が成立します(241条。同罪の未遂規定の適用は強盗および不同意性交等がいずれも未遂で、死傷結果が生じていない場合に適用されます(同条2項)。)。

その後殺意を持ってVを死亡させている点について、2413項の強盗・不同意性交等致死罪が成立するかが問題となります。

判例は、(当時の)2413項の強盗強姦致死罪は、いわゆる結果的加重犯として、殺意の無い場合にのみ成立し、設問のように殺意がある場合は強盗殺人罪(240条後段)と強盗強姦罪が成立し、観念的競合となると解しています(最判S33.6.24)。

したがって、判例の趣旨によれば、設問は正しいといえます。

(この点につき、2413項の文言が、改正前の「よって」から、改正後は「により」とされたことから、改正後の2413項は殺意がある場合も含むと理解する学説もあります。この学説に従えば、設問の場合は2413項の一罪のみが成立することになります。)

 判例 最判昭和33624

「被告人は、・・・「通行中の婦女を襲つて姦淫した上金品を強取しようと企て」、次で・・・「同女を強いて姦淫した上、自転車その他の金品を強取しようと決意し」て、判示のように同女の前頸部を扼して失神させ、自転車を隠す等の行為に出で、強姦の点は未遂に終つた後、犯行の発覚をおそれ、殺意を生じ、殺害して財物を強取した、というのである。それ故第一審判決がこれに刑法二四〇条後段、二四一条前段、二四三条、五四条一項前段を適用したのは正当(である)」


⚫︎民法6

※このような請求原因に対しては、当該動産が所有者から他者へ売却されたことを主張・立証すれば、請求原因事実を覆すことができるため、所有権喪失の抗弁となります。

これを主張立証するためには、当該動産が、所有者から他者へと売却されたことを主張する立証する必要があります。

記述1は、動産甲が「BからCへ」売られたことを主張・立証しなければならないとしており、これを主張・立証したとしても、Aが所有権を失ったことにはなりません。

記述2は、動産甲が「AからBへ」売られたこと及び「BからCへ」売られたことを主張・立証しなければならないとしています。しかし「AからBへ」売られたことのみで、所有権喪失の抗弁となります。したがって、記述2は誤っています。

また、AがBC間の売買契約に無効原因があることを主張・立証しても、再抗弁とはなりません。この点においても誤っています。

※記述1の解説のとおり、AからBへ売られたことを主張立証することで、所有権喪失の抗弁となります。

その結果、請求原因事実が覆されるため、Aが再抗弁として適切な主張・立証をしなければ、Aの請求は棄却されることになります。


⚫︎商法46

合名会社の社員は無限責任社員ですが(5762項)、常に債務の履行を求められる立場にあるわけではなく、当該合名会社の財産をもってその債務を完済することができない場合や(58011号)、当該合名会社に対する強制執行が功を奏しなかった場合(同項2号)に、自己の全財産をもって責任を負うことになります。


⚫︎民法2

意思無能力の状態でした法律行為は、絶対的に無効となりますので(3条の2)、後見開始の審判を受けていなくても、その契約の無効を主張することができます。


⚫︎憲法45

判例は、「本件安全保障条約は、前述のごとく、主権国としてのわが国の存立の基礎に極めて重大な関係をもつ高度の政治性を有するものというべきであつて、その内容が違憲なりや否やの法的判断は、その条約を締結した内閣およびこれを承認した国会の高度の政治的ないし自由裁量的判断と表裏をなす点がすくなくない。それ故、右違憲なりや否やの法的判断は、純司法的機能をその使命とする司法裁判所の審査には、原則としてなじまない性質のものであり、従つて、一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外のものであつて、それは第一次的には、右条約の締結権を有する内閣およびこれに対して承認権を有する国会の判断に従うべく、終局的には、主権を有する国民の政治的批判に委ねらるべきものである」としています(最大判S34.12.16)。いわゆる統治行為論と呼ばれています。


⚫︎刑訴法3

※ 緊急逮捕した被疑者を検察官に送致する手続は、身体を拘束されたときから48時間以内にしなければなりません(211条、2031項)。

※現行犯逮捕は、犯罪と犯人が明白であり、誤認逮捕のおそれがないため令状主義の例外とされているものであり、私人でも行うことができます(213条)。そのため、現行犯逮捕には裁判官の裁判は不要です。

緊急逮捕をした場合は、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければなりません(2101項)。そのため、裁判官の裁判が必要となります。


⚫︎行政法28

権限の不行使の違法性については、「国又は公共団体の公務員による規制権限の不行使は、その権限を定めた法令の趣旨、目的や、その権限の性質等に照らし、具体的事情の下において、その不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときは、その不行使により被害を受けた者との関係において、国家賠償法1条1項の適用上違法となる」と解されています(最判H26.10.9など)。


⚫︎行政法22

行訴法36条は「無効等確認の訴えは、当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないものに限り、提起することができる。」と定めています。

文理的に解釈するいわゆる一元説の立場からは、①『当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者』か②『その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者』であることを前提として、③『当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないもの』であるときに原告適格を認めます。そのため、処分の取消訴訟を提起できるとき(③の要件を満たさないとき)は、無効等確認の訴えを提起することはできません。

他方、原告適格を広く認めるべきであるとする二元説は、①を満たす場合か、②と③の両方を満たす場合のそれぞれの場合に原告適格を認めるので、③の要件を満たさなくとも、無効等確認の訴えを提起し得ることになります。


⚫︎商法21

委員会等設置会社には1人又は複数の執行役が置かれ(4021項)、執行役が業務の執行を行い(4182号)、取締役は原則として業務を執行することができません(415条)。


⚫︎刑法41

強要罪は、害悪を告知して脅迫又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の妨害をしたことにより成立します。

害悪の告知が、義務のないことを行わせるためにされた場合には、脅迫罪は成立せず、強要罪が成立することになります(大判S7.3.17)。

甲の行為は、財産に対し害を加えるものであり、一般に人を畏怖させるものといえるため、脅迫に当たります。そして、土下座というVに義務のないことを要求していることから、脅迫罪ではなく強要罪が成立することになります。しかし、結果としてVは土下座をしていないことから、甲が土下座を要求した時点で強要の実行の着手があり、強要未遂罪のみが成立することになります。


▪️キーワード編

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