続きです。先に言っとくけど恐ろしく長いよ。

4枚目「電気グルーヴ/20」
ユニコーンが復活したり、
黒猫チェルシーや踊ってばかりの国やズットズレテルズ(解散してるけど)
などといった恐ろしい十代が登場したり、
いろんなバンドが何周年を迎えたりと、
活躍した人はいっぱいいましたが個人的に今年は電気の年でした。
ヒロトとマーシーに対抗しうるコンビはここ日本じゃ卓球と瀧しかいない!と信じて疑わない。
これすなわち盲目。
こんなファンはとある界隈では「電オタ」と呼ばれて嫌われたりもしてるらしいですが。
人を盲目にさせるほどの影響力と中毒性を兼ね備えたメタボリックテクノユニット電気グルーヴ。
通称「汚いパフューム」の20周年アルバムが本作です。
前置きが長くてキモいのは仕様です(キリッ
「電気グルーヴ20周年のうた」から始まるわけだけどいつもにも増してふざけてる。ナメてる。
だが売れる。こんなアルバムが売れるなんて日本はまだまだ大丈夫だ…いやもう駄目なのか…。
ちなみにファンクラブ会員証シングルに収録されている、
「電気グルーヴインフォメーションのうた」はこの曲の兄弟みたいな感じです。語彙貧乏でごめん。
続く「タランチュラ」は歌モノ枠。石野卓球の美声に酔いしれる私は多分盲目!
歌詞もうまいことエロス。終盤のチョッパーベースみたいな音がカッコイイです。
「ポンコツ幻想曲」を聴いて思うのはこの人たちは言葉のチョイスがすごいんだよと。
音にうまく乗る単語を熟知してる。組み合わさるとだいぶアシッドだけど。
ポンコツから「何枚だ?」の繋ぎがもうすごく良いですよね!
これかなり好きな曲なんですが次の「猫とイスラエル」もすごく好きです。
どことなくアダルト。ミニマル。二人でボーカル録ってる曲が基本的に好きなんだぜ。
一音一音が絶妙に決まるのがキモチE。
中盤のウィスパーボイスには鳥肌が立ちます(褒めてるんだかけなしてるんだか)
「エキゾティカ」も歌モノ枠でやっぱり卓球の美声が堪能できる。
瀧のテノールっぽさ(あくまで "っぽい")も良いです。
哀愁漂うというかどこか寂しいのがまたズルイ。
「エンジのソファー」はもうひどいの一言に尽きる!(嬉しそうに言うな)
タキシードの胡散臭いおっさんが目に浮かぶ。また歌詞がひどい変態を描いていて怖い怖い。
そして来ました「ピエール瀧の体操42歳」!
PVが最高なのは周知の事実ですが曲も十分楽しめる。
短いトラックの中でも目まぐるしく変化するそれはドラマ。
楽しそうにこれを作ってる卓球が目に浮かぶ…。
なんだかんだでこの曲は1番作り手の楽しさが伝わる気がします。
早くも最後の曲「フォックス」。
夕暮れ時のような下校・閉店時に流れる音楽のような「もう終わりか…」という切なさがある。
それにしてもこのアルバム短いんだよね。35分くらい。
でもそれくらいがちょうどいいのかも、って70分超のアルバム『VOXXX』を聴いたら思いました。
電気みたいな毒とアクの強い人達の曲って長時間聴いちゃいけないような。脳が溶けるよ。
かの名言「ここから腐るぞ」じゃないですけど。
今ならまだ残ってると思うので購入するならぜひ初回盤を!

5枚目「フジファブリック/CHRONICLE」
フジファブリックは2ndの『FAB FOX』が好きすぎるのだけどこのアルバムも張るぐらい好きだ。
「バウムクーヘン」から始まり「いきなりポップだな!」と驚かされるんですが、
よーく耳を傾けると歌詞がキツい。ポップでわかりやすいがゆえにキツい。
心当たりがある人にとっては胃が痛くなるような指摘なんです。
「僕は結局優しくなんかない 人を振り回してばかり」
「こわいのは否定されること 僕の心は臆病だな」
「すぐに泣いたら損する気がして 誰の前でも見せません」
とかもうね…。志村おまえはエスパーかと。
私の心の内を読んでそれを歌にして全国へ発信するってドSだなぁオイ!
と枕に顔を埋めつつジタバタしたくなるほど歌詞がキツい。
子供がよくする質問「赤ちゃんはどこからくるの?」とベクトル的には一緒ですよね。
真っ白すぎて胸が締め付けられる提示というか。
そして続く「Sugar!!」はワクワクピコピコハッピーなイントロで高揚感がヤバイ。
「36度5分の太陽」って志村ぁあああ何うまいこと言っちゃってんのぉおおおぉお(落ち着け)
続く「Merru-Go-Round」は君のみだらな姿を見れたらサイコーォーーー!
イーーーィエーーーーーーー!!!!(昼から何を書いているんだ)
これはポップ寄りのカッコイイ曲です(英語の例文風)
さりげなくえげつないこと言ってるのに爽やかなんだよなー。
4曲目「Monster」はフジでは珍しいハードロック枠。
ギター山内くん大活躍!ドラムがダイナミックで重くて非常にイイです。
「フジファブリックっぽくないことをやりたい」
的なことを志村が言っていましたが本当にやりやがりましたね。
そして表題曲「クロニクル」、次の「エイプリル」、「Clock」。
さっきのから一転してこれはフジファブリックらしい。
バンドのパブリックイメージにしっくりくる感じ。
でも私はギャップ萌えなんですよね(出た、無駄な豆知識!)
それからシムラップこと「Listen to the music」に続きます。
とりあえず最初にシムラップと言い始めたやつを表彰したい。
これも新たな方向性を模索してる一曲です。
ただ「ミュゥジック!」というコーラスを聴き鼻で笑ってしまった事を全力でお詫び申し上げます。
で、私がこのアルバムで1番好きなのはコイツさ!「Laid Back」!
なぜかイントロ聴いた瞬間から泣きそうになるぜよ…。
山内くんのギターソロがまた心の底をエグる。
本能的に好きだと感じる曲と出会えたときの嬉しさは言葉にできない…
と浸っている余裕は与えてくれません、続くは「All Right」。本作二度目のハードロック枠。
志村の絶叫が堪らないぜ!
ダイちゃんのキーボードが炸裂してるのでただのハードロックではない。
志村とハヤシは仲良いだけあってPOLYSICSとフジには近いものを感じる。
この勢いで最後まで突っ走ろうとした私を諭して引き止める「タイムマシン」。
その泣きたくなるピアノなんとかしてくれ…
最後の「Stockholm」…最期とは言いたくない。あの日以来ようやく聴けるようになりました。
フジファブリックに対する想いはいろいろあるけど、1番は未練たらたらですよということ。
今の私には志村が足りない。志村を欲している。まだまだ私の中では終わりません。
志村はいなくなったけど私が見た志村はいなくならない。
好きになってからまだ浅いけど、ありがとう志村正彦。

まだ続く…(疲弊)