「面倒くさい」がなくなるワンランク上のギター耳コピ術 | 大阪府大阪市のエレキギター&アコースティックギター教室

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こんにちは、
ギター講師の西田です。

今回は、「面倒くさい」がなくなる
ワンランク上のギター耳コピ術
をお届けします。

今回のポイントをおさえれば
耳コピの重要性時間をかけずにスムーズに
耳コピをするコツ
がわかるようになります。

耳コピに対する抵抗や
あ~面倒くさいなと思う気持ちがなくなり、
音楽性がとても豊かになって、
本質的なギターの上達を見込めるようになります。


逆に今回のポイントを知らないと、
効率の悪い耳コピに何時間も
費やすことになってしまいます。

『ギターの音が全然聞き取れない!』

『ギターの耳コピにチャレンジしたものの
挫折してしまいました』

『耳コピなんて難しくてできない!!』

・・・etc

という感じで挫折してしまいかねません。

今回のポイントをおさえれば、
普段は譜面ばかり使ってギターを練習している人でも、
スムーズに耳コピのスキルを磨いていくことが
できるようになりますし、
ギタリストとしての実力も
ワンランク上がりますので、

是非参考にしてみてくださいね。

それでは早速紹介していきます。


耳コピをする大きなメリット


耳コピとは、楽譜を使わないで
音楽を自分の『耳』で聴いて
それをそのまま『コピー』することです。

しかし、慣れない初心者には
ギターの音だけを抽出して聴いたり、
音程を正確に把握したりすることは難しく、
なんといっても時間がかかる
という問題があります。

『あ~耳コピめんどくさーい』

『この曲の譜面があったら
パッとコピーできるのになぁ~』


確かに!その気持ちとてもよくわかりますよ~。

しかし、長い目でみれば、
耳コピは私たちの本質的な音楽力を鍛えてくれるので、
『譜面見ればいいじゃーん』って人でも
耳コピの力は磨いておいたほうがいいです。

耳コピを普段から行うことで、
音感を鍛えることに対しての意識も高くなりますし、
音楽を聴く力、分析する力が養われていきます。


ただ単に流れてくるフレーズの音程が取れたら
いいってわけではなくて、
『それがどういった譜割りになっているのか』
ということも意識していかないといけないので、
リズムに対する意識も高くなります。

そして、譜面を見てコピーしたものは
すぐに忘れてしまいやすいですが、
耳コピをして覚えたものは、
音楽そのものが自分の身体に染みこんでくるので、
忘れにくくなります。


仮に忘れたとしても
あとで思い返したときに、
とても思い出しやすくなります。

ギターの音だけを抽出して聴く作業も
ギターの音色に対するアンテナを
敏感なものにしてくれますし、

『こういったサウンドを出すためには、
どんな弾き方をすればいいだろう?』


と考えるようになるので、
非常に本質的なギタースキルが身につくようになります。

逆に耳コピを全くせずに、
譜面ばかりを使ったコピーをしていると、
音色や表情付けに対する意識が薄くなり、
音楽的にすごく退屈で表情のない演奏をする
ギタリストになってしまう危険性があります。

まずは譜面よりも音楽ありきってことですね。

その音楽の世界へ
ダイレクトに飛び込んでいくのが
耳コピなんですね。

複雑な速弾きフレーズや
慣れないコードなどは
時間がかかる場合もありますが、
それ以上に音楽力を底上げするメリットがありますので、

『総合的な音楽力を磨く』
という意識を持って耳コピに取り組んでいきましょう。

すると耳コピがただ単に『音程を探る』という
機械的な作業ではなくなってくるので、
あなたの耳コピに対する心構えが変わり、
『面倒くさい』という気持ちが薄れていきます。

ということで耳コピのコツをご紹介していきますね。


耳コピに絶対音感は必要?


耳コピをするにあたって、
絶対音感があるということは
非常に大きなアドバンテージです。

私が昔組んでいたフュージョンバンドのメンバーに
絶対音感を持っているメンバーが二人いたのですが、
なんとガラスを叩く音やおならの音なんかも
すべて音程で聴くことができるんですよ。

なんだそりゃって感じですが、
音楽をやる上では非常に便利で
とても羨ましいなと思いました。

しかし、絶対音感がないと耳コピできないのか
というと全くそんなことはありません。

大切なのは『相対音感』の方です。

実は自称『絶対音感』の人でも
厳密に調べていけば、
高度な『相対音感』だったという場合があるんです。

絶対音感は、一般的に5歳ぐらいまでに
音感を身につけるような音楽教育を
受けた場合に身につくと言われていますが、
一説によると『絶対音感は先天的な才能である』とも
言われています。

どちらにしても、
私たちの脳には『クリティカルエイジ』と呼ばれる
遺伝的に決まっている能力の習得時期があるので、
幼少期に音楽教育を受けていないと
一般的に絶対音感を手に入れるのは難しいです。

何事も早く始めたほうが
有利だってことですね~。

でも落ち込む必要はありませんよ。

音楽は『競争』ではなく『表現』なので、
本質を捉えていけば、
『絶対音感があるかないか』は
そんなに重要なことではないんですね。

もちろん絶対音感はあると便利ですが、
相対音感でも十分っていう感じで
捉えていくほうがいいですね。

ということで、
運良く絶対音感がある!という人以外は
相対音感を磨いていくことを
意識していきましょう。


相対音感を鍛えていく簡単なエクササイズは
最後の方にまたご紹介しますね。


耳コピに必要な音感以外の要素とは?


音感を鍛えていくと
耳コピがしやすくなるのは間違いないですが、
実はそれだけでは不十分です。

もっと耳コピを効率的に行うために必要な要素があります。

それは『解釈力』を磨いていくということなんです。

何かフレーズや曲をコピーするときに
『その曲のKeyは何か?』
『コードの流れはどうなっているのか?』
『どこからどこまでが
ワンフレーズとしてまとまっているのか?』

・・・etc

といった感じで、
音楽そのものを解釈する力があると
耳コピはとてもスムーズに行うことができます。

『耳コピ力』=
『音感の良さ』×『音楽の解釈力』


と覚えておいてください。

解釈力を磨くためには、
まずはコード理論を学ぶことが大切です。

そうして、コードと調性の関係や、
コードとメロディーの関係、
コードとスケールの関係が
徐々にわかってくれば、
少しの音を探っただけで
簡単に全体の見通しが立つようになります。

例えば、コード進行を耳コピするときに、
ルートの音が『G』⇒『E』⇒『C』⇒『D』で
Key=Gだとわかったとします。

このときに、コード理論を知っていると、
コードの響きを具体的に探っていかなくても、
おそらくそのコード進行は
『G⇒Em⇒C⇒D』だろう、
もしくは『Gmaj7⇒Em7⇒Cmaj7⇒D7』だろうと
簡単に予想ができるわけです。

なぜならKey=Gのダイアトニックコードが、
『G、Am、Bm、C、D、Em、F#dim』もしくは、
『Gmaj7、Am7、Bm7、Cmaj7、D7、Em7、F#m7b5』
だからです。

コード理論を知っていると
ルートが『G』だとわかった瞬間に
「Gmかな?Gdimかな?Gaugかな?」
と余計なことを考えずに、
おそらく「GかGmaj7だろう」
ピンポイントで探っていけるわけですね。

あとは実際にギターでコードを響かせながら
最終チェックをしていけばいいので、
音楽に対する解釈力があればあるほど、
耳コピが楽になっていきます。


色々なパターンを知れば耳コピはどんどん楽になる


解釈力を磨いていくためには、
自分の中に認識のパターンを
たくさんもっておく
ことも重要です。

例えば、
『ギターならではの定番フレーズを知っておく』
『コピー元のギタリストの手癖を知っておく』
『個々のスケールの響きの特徴を知っておく』

・・・etc

といった感じです。

これは簡単にいえば、
自分の中の音楽性を
豊かにしていくということですね。


耳コピをすることで、
音楽性は豊かになっていきますが、
音楽性が豊かになることで、
さらに耳コピ力もスキルアップしていくんですね。

つまり、経験があればあるほど、
自分の中に認識のパターンが増えていき
それに伴って解釈力も磨かれていくので
どんどん楽に耳コピできるようになります。

これは私たちの脳が
目の前の物事を一定のパターンで
認識するようにできているからです。

これを認識のフレームといいます。

ある一定のまとまりあるパターンで
私たちは目の前のことを捉えているんですね。

例えば、『いつやるの?』って言われれば、
『今でしょ!』って2013年の頃なら言いたくなるはずです。

『セブン♪イレブン♪』と言われれば、
『いい気分♪』と言いたくなります。

他にも、マクドナルドにいけば、
最初に注文してお会計を済ませてから
食事をしますよね?

これも一連の認識フレームのひとつで、

【マクドナルド】=
『注文』⇒『会計』⇒食事
というふうに、
私たちは一定のパターン通りに行動するんです。

逆に【レストラン】であれば、
『注文』⇒『食事』⇒会計』というパターンになります。

私たちは文化的に埋め込まれたものも含めて
無意識のうちにいろいろな認識のフレームを持っています。

そしてそのフレームに基づいて
行動を起こすようにできています。

つまり、そういったフレームの数を
自分の中にたくさん持てば持つほど、
認識の幅が広がる、
つまり解釈力が磨かれて
耳コピが早くスムーズにできるようになります。


ギターパートをなかなか聴き取れないときは?


「チューリップ」と「ぶんぶんぶん」の
メロディーが同時に流れてきたとき、
二つの曲が頭の中で混ざり合って
別の曲に合成されて聴こえることはありませんよね?

これは弾かれた音の一つ一つを
「曲としての塊」(つまり一定のパターン)
で個別に認識できているからです。


しっかりと自分の中に
一定のパターンが出来ていれば、
それに合致するものは認識できます。

例えば、たくさんの音楽が
同時にかけられていても、
その中に「チューリップ」の曲が流れてくれば、
ちゃんとそれだけをつまみとって
聴くことができるんですね。

もし『ギターパートが全然聞こえない』
『色々な音が鳴っていてよくわからない』

という場合は、
『ギターってこんな音がするよね』
『ギターってよくこんな風に弾くよね』

という一定のパターンを
自分の中にストックしていきましょう。

これはフレーズだけでなく
コード進行のパターン、
コードボイシングのパターンなどもすべて同じです。

そうすれば次第に認識の幅が広がり、
ギターの音がクリアに聴こえるようになっていきます。

そういう意味ではある程度ギターの奏法を
譜面を使って身につけてから
耳コピにチャレンジするほうがいいかもしれませんね。

ギターならではの定番フレーズなどを
たくさん知っていると
同じようなフレーズが出てきた時は、

『どんなテクニックを使っているのか』
『何スケールを使っているのか』
『どこのポジションで弾いているのか』

といったことがすごくよく分かり、
ギターパートもよく聴こえてくるようになります。

慣れてくるとギターの音を聴いただけで、
指の動きがイメージできるようになります。

アコギの弾き語りができる方ならわかると思いますが、
ギターストロークの音やリズムを聴けば、
弾いて確認しなくても
だいたい右手の腕の振り加減を
ビジュアルでイメージできますよね?

ギターの演奏を聴いたら
頭のなかで「この辺で弾いてるんだろうな」
というイメージが湧いてくれば大したものです。


耳コピをするときの心得


耳コピをするときの心得を
お伝えしておきますね。

まずは当たり前ですが、
ギターのチューニングをしっかり
正しく合わせてから耳コピを行ってください。

そして、ギターパートの出力が小さかったり、
音色的にギターが聴こえにくい場合は、
イコライザーを色々変えて、
何度も音源を聴くようにしてみてください。

あとは、『スピーカー』『ヘッドフォン』『イヤホン』と、
音源を聴く環境も色々と切り替えて
チャレンジしてみてください。

それぞれの環境によって
音源の聴こえ方が変わるので、
色々な気づきを得ることができるようになりますよ。

次に覚えておいてほしい心得としては、
『口ずさめるものはギターで再現できる』
ということです。

フレーズやメロディラインのコピーをするときなどは、
闇雲に聴いた音を順番に拾っていくより、
まずは一度、しっかり音を聴いて
口ずさめるようにすることが大切です。

逆にコピーできないものは
口ずさむことも難しいはずです。

まずは自分の中に
コピーしたいフレーズやメロディを取り込むことです。

だからこそ耳コピにチャレンジすればするほど
自分の中の音楽性が豊かになっていくんですよね。

仮に速弾きの場合でも
スロー再生して、
歌える速度まで落とせば大丈夫です。

ただし、なんでもかんでも
スロー再生すればいいってもんじゃないので、
そこは注意してください。

速度が遅すぎると、
一定のパターンとしての認識が
作りにくくなります。

例えば、何か好きな曲を
5%ぐらいにまでスロー再生して聴いてみてください。

混沌としたサウンドが広がるだけで、
なんのこっちゃよくわかりませんよね?

これでは耳コピどころではなくなります。

耳コピでは、
フレーズをまとまりのあるパターンとして
認識することが重要になるので
そのあたりのバランスはしっかりとっていきましょう。


耳コピのクオリティを上げるためには?


実は耳コピは音程を取るだけの
作業ではないんですね。

もちろん場合によっては、
音程を取るだけの作業で済む場合もあるでしょう。

ただし、ギタリストとしての実力を
しっかりとつけていくためには、
色々な切り口で音を捉えて
耳コピのクオリティを上げることが大切です。

例えば、音程以外の要素としては、

リズムのタイミングはどうなっているか
『音の強弱はどうなっているか』
『音の長さ(音価)はどうなっているか』
『ハンマリングやスライドなどの
細かいニュアンスはどうなっているか』
『音作りや音色のタッチはどうなっているか』

といったことを念頭において
耳コピしていってほしいところですね。

単に『音程だけわかればいっか~』
という感じで耳コピに取り組んでしまうと
表情豊かな演奏をすることができなくなってしまいます。

多面的に判断していき、
聴こえてくる音を立体的に掴んでいきましょう。

耳コピのクオリティをあげるためには、
音源や演奏ミュージシャンの情報が
あればあるほど有利です。

ミュージシャン本人が演奏している映像を
YouTubeや教則ビデオなどで
観ることができれば最高ですよね。

生で手元を観ることができれば
言うことありません。

こうなったらもはや耳コピではありませんが・・・

まぁ・・・『耳目コピ』ですね(笑)

あと、中級者以上の方は耳コピしたものを
譜面に起こす作業をしてみてくださいね。

こうすることで、
リズムの構造がよくわかるようになって
譜割りを把握していく能力が
とても鍛えられますよ。


おすすめの耳コピソフト&アプリ


ここで私がよく使っている耳コピに役立つ
フリーソフトとiphoneのアプリを紹介しておきますね。

■聞々ハヤえもん(フリーソフト)

これは最高のフリーソフトだと私は思います。
昔からめちゃくちゃ愛用してます。

『区間リピート』『テンポの変更』
『Keyの上げ下げ』『イコライザー』
『aac,mp3,wavの再生&保存』
などなど
耳コピに必要な機能と
「こんな機能あったら便利だな~」
が個人的にはすべて揃っています。

設定でよく使う機能を
パソコンのキーボードに結びつけておけば、
ワンクリックで音楽を1秒だけ戻したり、
区間リピートを設定したりできるので、
ありえないほど使いやすい!

私は自分のギターの生徒さん
全員にオススメしています。

有料ソフトやMTRなどにも
耳コピ支援機能などがついてますが、
私は『聞々ハヤえもん』がひとつあれば、
他はすべて不要だと思います。

なんといっても操作性が抜群!
これは本当に素晴らしいフリーソフト!

最近はiphoneのアプリ版も
リリースされているので確実にゲットでしょ。

公式サイトはコチラ⇒【聞々ハヤえもん


■バンドプロデューサー(有料ソフト)

このソフトに曲を読み込むと
その曲のコード進行を検出してくれます。

何がいいかというと、
手軽に分析してくれることと
検出したコード進行を
リード・シートに書き出せることです。

もちろんコードの検出も完璧ではないので、
音楽理論の知識はあったほうが良いと思います。

大まかなコードの流れを把握して、
細かいところは自分で修正していく、
といった感じですね。

音楽理論をしっかりとマスターしている人であれば、
リード・シート表記は簡単に全体像が知れるので、
とてもありがたいはずです。

リード・シートに記載されている
コード表記の段落配置を編集できると
私的にはさらに最高なんですけどね。

アコギの弾き語り譜面を
作成するときなどでとても重宝してます。

他にも色々な耳コピ支援機能がありますが、
私はあまり使っていません。

他の機能は『聞々ハヤえもん』ですべて解決。

バンドプロデューサーは
無料30日間の体験版もあるので
一度使ってみてはいかがでしょう?

公式サイトはコチラ⇒【バンドプロデューサー


ということで今回は最後に
音感を鍛えるトレーニングを紹介しておきますね。


Today's Activity


ステップ①


ギターのチューニングを正しく
合わせてください。

ステップ②


メジャーコードの『ド・ミ・ソ♪』
マイナーコードの『ド・ミb・ソ♪』
をギターで弾きながら歌う練習をしてみましょう。

最終的にはギターで弾かなくても歌えるように、
特に、『ミ』と『ミb』の違いを
自分の中で明確に歌い分けられるレベルを
目指してください。

ステップ③


3和音に慣れてきたら、
同じ要領で4和音にもチャレンジです。

今度は『ド・ミ・ソ
『ドシb
『ドミbシb
をギターで弾きながら
それぞれ歌っていきましょう。

7thの『シ』『シb』の響きを掴んでいってください。


こうすることによって、
それぞれのコードが持つ色彩感が
すごくよくわかるようになります。


半音の違いが
自分の中で明確になっていくので、
コード進行を耳コピするときも
フレーズを耳コピするときも
とてもやりやすくなっていきます。

是非今回のポイントを参考にしてみてくださいね。

本日も最後までお読みいただき、
本当にありがとうございました。