どうも人の言葉が聞き取り難く、電話応対は特に苦手で嫌いだ、と子供の頃から思っていた
親はもちろん、友達にもそれを説明する術も知識も持っていなかった為、
それは双極性障害で倒れるまで、ずっと心にしまい込んでいた悩みの一つだった
会話している言葉の捕らえ難さは、本当になんとも説明しがたい
仕事上でも悩み、思い立って耳鼻咽喉科も受診したが、低音の聞き取りがややできてないかな?という診断がせいぜいで、
オージオはいつも正常だった
結局悩みは深まるばかりだった
広汎性発達障害と診断された後々のある日、発達障害の講演を聞く機会を得て参加した
そこで見たDVDの映像に衝撃を受けた
脳が定型発達(一般的な発達)である人の音の聞き取りは、私とは全く違ったからだ
普通、人は自分に必要な音や言葉を聞く時、自然に周りの音を弱く遮断しているというのだ
周りに溢れている全ての音からなんとか拾い出そうと苦労していたのに……
それが困難なのは全ての音量を同じレベルで聞いてしまうという特性が原因と知れた一方で、
これにも一生付き合うのか……と心に重いものが残ったのだった