
ついに最終巻

セローを購入しライダーとなったベティーナと共に、ノッチが追い付いてきた。思いがけない再会に、嬉しい反面、道を違えるという以前の決断もあるだけに困惑も。また一緒にいかないかという提案があったが、そこは断りラルフを待つ。
一方、いっこうに連絡のなかったラルフも、ついに追いついてきた。
持ち前の運の悪さで、修理してもらい追い付くまでに1ヶ月もかかり、さらにその修理があまりにも酷いものだと判明。さらに手を入れることに。
これにより、アリエルたちの世話になり、居候すること1ヶ月半。彼らの整備技術、人間性に触れ、そしてあまりにも楽しい毎日を送ったため、出発のあとヘルメットの中で涙と嗚咽が溢れる。
別れのときのアリエルの複雑な表情。これを見るために旅していたんじゃないか、そんな風に思えるほどの出逢いと別れをし、意識が一気に「日本へ帰ること」に向かう。
南米大陸最南端へハイペースで進む。フェリーでマゼラン海峡を渡りフエゴ島へ。最果てらしく、荒涼とした風景が続く。が、最南端の町ウシュアイア付近は緑あふれる穏やかな雰囲気。走行中にチェーンが外れるというラルフのトラブルもあったが、無事到着。
最南端は、僻地らしからぬ穏やかな雰囲気のためかそれほどの感慨はなく淡々としていた。
そこから最終地点に決めたブエノスアイレスへ。到着直前に、またもトラブルがいくつも発生。前回の旅からずっと身に付けていた「お守り」をなくしたり、タイヤが派手にバーストしたり…そしてラルフは顔面を蜂にさされたり。
大都市ブエノスアイレスでは、街を満喫することもなく、短い日にちで安い航空券探しやバイクの発送に奔走。旅行代理店のお姉さんの提案に乗り、偽の大学在学証明で学割チケットをGETするなんて荒業も。。
どうにか準備が整い、空港でラルフと飲む最後の酒、最後の写真が寂しさを誘う。。。
「これで私の旅は終わり」と断言しているので、きっとバイク旅の続編は無いのでしょう

残念だけれども…これまで本当に、楽しませてもらいました

自分もバイク旅に出よう!と強く思わせてくれた作品です。
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