乳がん検診は何歳から受ければよいでしょうか?
前回、平成 23~25 年度がん研究開発費「科学的根拠に基づくがん検診法の有効性評価とがん対策 計画立案に関する研究班」が作成した『有効性評価に基づく乳がん検診ガイドライン 2013 年版』について説明しました。
このガイドラインは40歳から74歳を対象にした基準です。
それ以下の年齢については検討されていません。
30歳台から若い方の乳がん検診はどのようになっているのでしょうか。
乳がんにかかる年齢は、40歳から増加して45歳ころにピークになります。
30歳台で乳がんになる方もいますが、頻度は低いです。
乳がん検診の目的は、症状のない方を検査して乳がんを発見することです。
乳がんになる確率の低い年齢層に積極的に検診を勧める根拠はないようです。
ただし、乳がんのリスクの高い方は、20歳から必ず乳がん検診が必要です。
乳がんのリスクは、つぎのサイトに詳しく掲載されています。
「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の情報サイト」http://www.familial-brca.jp/
まとめると、次のような方がハイリスクとされています。
☆40歳未満で乳がんを発症した血縁者がいる
☆年齢を問わず、卵巣がんになった血縁者がいる
☆年齢を問わず、血縁者に原発乳がんを2個以上発症した人がいる
☆血縁者に男性乳がんになった人がいる
☆乳がんになった血縁者が自分を含め3人以上いる
☆遺伝性乳がんの遺伝子(BRCA)変異が確認された血縁者がいる
☆トリプルネガティブ乳がん(ホルモン受容体陰性+HER2遺伝子増幅なし)の血縁者がいる
以上です。
家族に乳がんの方がいなくても、20歳台から30歳台で乳がんになる方はいます。
症状のある方は、検診ではなく、乳腺科や乳腺外科に受診してください。