雨風暗雲青天驟雨的雷
 ごちゃまぜの天気で台風の予感と実感。
 こういう日は映画を見るに限るね。
 あった、あった。芥川龍之介原作の「トロッコ」。好きな短編が映画になってたんだ。知らんかった。舞台は台湾になっていたけど、うまいね、脚本が。往路の楽しさと復路のどうしようもない哀しみをそのままに、台湾が日本に従属したがために起きた悲劇を重ね合わせ、日本批判をとても稀釈しながら描いた名作。日本語が出来る外国人の持つ悲哀がとても生々しい。けれど、内容には芥川の「トロッコ」が見事に浮かび上がる。
 今は、もう永井荷風熱は冷めてしまったけれど、「断腸亭日乗」は、いまだにパラリとめくる。その荷風の日記と、彼の名作「墨東奇談」を混ぜ合わせた脚本による映画「墨東奇談」もなかなかに良かった。津川雅彦の荷風振りもさることながら、お雪役の墨田ユキの体当たり的な演技がすばらしい。彼女の芸名はわざわざ映画の中から取ったのだろう。「トロッコ」もそうだけど、女優さんが本気になった時のすごさは、男優の比ではない。ぜひとも「冷たい熱帯魚」の黒沢あすかをご覧あれ。映画「墨東奇談」は、荷風先生の生涯を分かりやすく描いているとともに、漫画家滝田ゆうの「寺島町奇談」のよきガイドをも果たしてくれている。どちらも圧巻は空襲と戦争。やな時代だった。
 ゴダールの「勝手にしやがれ」は、多分、いまさらの映画なんだろうが、一度は見ておいて損はない。とか言って、初めてみました。すまん。
で、「気狂いピエロ」の時も書いたけれど、あのラストシーンは見ているんだよね。どうなんだろうか。ほんとうは全編見たんだろうか。思い出せない。でも、どう考えても、見たという記憶をたどれない。困ったもんだ。
怒涛の三連発、被害に遭った方たちには申し訳ないが、台風が襲ってきそうなので、引き籠って見られた三本立でした。
最後にお詫びを。墨東の墨はさんずいが入りますが出ません。奇談のきは糸へんですが出ません。ついでにいうときちがいも出ません。あと、このブログから飛べるチャットには使えない言葉がありますが、それは活用のいかんにかかわらずのはねられてしまいます。電子の言葉狩りは相当ディープなものとなっておりますのだ。でも、断腸亭日乗は一発で出ますが、プラマイゼロの問題ではないことは明白である。