みなさま、こんにちは!

インパルスのブログです。

 

今回は奥深いエンジンセッティングの話をします。

最近はエンジンセッティングの問い合わせを受けることがあるのですが、インパルスが4AGエンジンのパーツを作っているからなのかもしれません。

 

インパルスにとって4AGエンジンのセッティングのスタートはこの頃です。

17年前にyoutubeに載せた映像のエンジンです。

https://www.youtube.com/watch?v=69OFUXpVs0U

AE86の4AG20バルブエンジンのパワーフィールがノーマルのAE111(車)と違うのはなぜ?という疑問から始まりました。

 

AE111のレビントレノを新車で購入した後輩の車に乗った時に、ノーマルながらに速さを感じました。それから数年が経ち、AE86に搭載された4AG5Vが速くないのはなぜ?となるわけです。理由は簡単ですが、答えから言ってもつまらないので、話を続けますが、

 

その理由を探るべく、私のレース時代にお世話になったガレージでエンジンベンチにかけエンジンを分析することから始めました。

最初に10万キロ程度走行した4AG20VBTをエンジンベンチにかけます。

使用したECUは当時から流行っていたフリーダムコンピュターです。

エンジンに合わせセッティングをしていくと、MAXパワーはベンチ上で165馬力程度出たと思います。ファンネル・直管ですが、カタログスペックが出たことになります。

 

ここでフリーダムECUの問題点が分かります。

フリーダムの良さと問題点の両方が分かった、という意味です。

問題点と書くと、すべてが問題、と思う人がいるので、良い部分と悪い部分が見つかった、という意味です。

 

そして、そのエンジンをOHし、ハイコンプピストンとハイカムを組み、エンジンベンチにかけます。馬力は200馬力出ました。

4A1600のままでCIVICのEK9のN1エンジンを越すトルクとパワーでした。

 

話が脱線しますが、AE86にホンダのVTECを積みたかった人は多いと思います。

それを4AG5Vのメカチューン仕様が達成してくれました。

あの時は感動しましたね。

 

クランクは純正ノーマルでバルブもスロットルもノーマルです。16バルブはビッグバルブや鍛造クランクや4スロ、かなり改造しないと200馬力は出ないと思われていた時代ですから、4AG20Vの素性の良さを感じました。

 

実際に搭載した車を走らせた時、横乗りした人は皆さん感動していました。

4AGってこんなに速いの?って。それからインパルスで5バルブスワップが流行っていきました。あの車に試乗すると、このエンジン欲しいってなりますよ。

このエンジンは工場で眠っています。誰か積みますか?

 

こういう話だけを読むとエンジンベンチって馬力甘いでしょ、という人が出てきますが、このエンジンをボッシュのシャシダイにかけると240馬力か250馬力を表示したので、速さが分かると思います。何馬力出たのが、重要なのでなく、このエンジン欲しいと思うポテンシャルがあるかどうかだと思います。

 

このときのエンジンを制御したのはフリーダムではなく違うフルコンを使いました。ハイカムハイコンプにすると、フリーダムから性能の伴うフルコンにすると明らかに速くなります。その理由が、フリーダムの問題点です。

反面、街乗りでは扱いやすい部分もありました。今では化石のようなECUですが。

 

エンジンブローの話をしますが、エンジンが壊れるには理由があります。

 

物理的には、バルブとピストンが当たった、コンロッドボルトが伸びてピストンがヘッドに当たり、コンロッドが曲がった、バルブとバルブが当たった、などでしょうか。組み方やオーバーレブ、強度不足などもあるかもしれません。

 

たぶん一番多いのがメタルクリアランス不良か、オイルが原因のトラブルです。

メタルとはベアリングのことで、クランクとブロック、コンロッドの回転を保持するものです。車でトラブルが多いのが、メタルクリアランス=隙間です。この隙間にオイルが流れ、互いに当たらない隙間を保つのですが、元より隙間が狭かったりすると、焼きつきが起こります。どこか極端に広いとそこで油圧が逃げ、その影響が出ることもあります。

クリアランスが正常だったとしても、オイルが原因で壊れます。

多いのがオイル量不足による焼き付き、または、横Gでオイルを吸わなくなる偏りによる焼き付き、最後は油温が上がり、オイルが沸いて空気が噛み、油圧低下、焼き付き、となります。

 

削り出しのオイルパンは内部構造が重要で、少ないオイルでも偏らず、吸い上げる構造に設計しています。単にオイル量を増やしても意味がなく、高級オイルの交換に1L増えただけで出費大ですから、無駄なくオイルを活かす、を考えたオイルパンです。

エンジンブローは、ほとんどが外的要因です。すなわち人為的ミスです。

一般車の場合、エンジンブローのほとんどはオーバーヒートか、オイル量不足でしょう。故障と点検の問題です。

 

しかしチューニングエンジンの場合はECUのセッティング不良も多いです。

特にピストンが溶融するなど、棚落ちと呼ばれる現象が起きている場合は、セッティングが原因のことがほとんどです。ハイオクガソリンの仕様にレギュラーガソリンを入れると壊れますが、同じ理由で異常燃焼です。

 

ターボ車なら強度不足でピストン粉砕とか耳にすることはありますが、ピストン溶融により白煙、ブロックからコンロッド飛び出した、燃えなかったらラッキーです。

 

こんな話をしたのは、重なる時は重なるもので、そういった問い合わせや相談がありました。ブログを読んでいる方なら自分のこと?と思うかもしれませんが、

 

そのような話、多いんですよ。

 

一つ前のブログに品質管理のことを書きましたが、チューニングでエンジンセッティングをしている人が、性能評価装置を使ったことない、とか、セッティング工具を使っていない、とか、あるあるの業界です。

 

私の場合は、なぜなに?からエンジンベンチを選びました。なぜなら、シャシダイって長時間負荷をかけられないんです。冷却が追いつかず、エンジン以外にもミッションやデフもブローしてしまいます。走行風がないので当然ですが。

 

その点エンジンベンチは強制冷却出来るので、何時間でも全開走行出来ます。レーシングエンジンでも全開走行時間は時間コントロールされているので、4AG9000回転1時間とか100%壊れますからね。10分でも怖いです。それほど過酷な状態を作り出せるのがエンジンベンチなんです。20年近く前からベンチで解析してきたものをフィードバックしているがインパルス流です。品質管理というよりも、良い(状態の)ものを安全に提供したかった、というのが本音です。

 

なので、お分かり頂けるかと思いますが、他社で組んだエンジンのセッティングなんてやりたくないですし、エンジンが悪ければセッティングしても速くなりません。昔に何度か受けたことがありますが、良くならなかったですね。データが物語っています。

 

こんな文字だらけの文章を最後まで読んでくださった変態さん、何事も原理原則があります。壊れるには壊れる理由がある。なぜ壊れたのか、次も壊れるのか、次は壊れないようにするのか、未来は誰にも分かりません。

 

ですが、品質を考えるだけで、知識不足か、経験不足か、どこに原因があるか探すことが出来ます。エンジンセッティングは、パソコンを開けばだれでも出来ます。

 

出来るのと、品質を提供出来るのは、全く異なります。

 

余談中の余談ですが、アライメントテスターを作っていると、テスターの品質=精度なのですが、テスターの精度管理を意識されていないショップさんがほとんどなんです。一般のユーザーさんが何を信じるかですが、ユーザーさんを裏切ることだけは避けたいです。

 

インパルスの流儀のようなものですが、もちろんパーフェクトなものを目指してもパーフェクトとは程遠いです。こればかりは一生懸命に努力するに勝るものはないと思います。基礎知識や学問があってこその努力根性論です。

 

メーカーの車開発って、実車を使ってテストを繰り返します。これだけ技術が発展してもデスクワークで良い車は作れないんです。

 

ざっと書いたので、日本語おかしなところもあるかもしれませんが、お許しください。

 

それでは、また次回!

本日のインパルスブログでした。

 

頑張ってブログ継続中です。image

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