日本の食料自給率はカロリー換算で40%であり、欧米諸国は100%に近い国が多いという話はよく耳にする。http://www.e-shokuiku.com/jyukyu/13_2.html

 一方で、ドイツのカロリー換算の自給率は80%以上であるが国民一人当りの農産物輸入額は日本の1.5倍になるそうだ。カロリーが高いジャガイモの生産は多いが野菜や果物の輸入が多いいためこのような結果になるそうだ(毎日新聞2010829日「勝間和代のクロストーク」)。



 この様な状況のなかで近年39歳以下の国内の新規の農業就業者が増えているそうだ。1990年約4300人、200814,430人である。わが県のW町に東京から定住したN橋さん(34歳)は「お金だけを追い求める生き方でいいのかと疑問に思い、農業にたどり着いた。体を使って働くことは健康的だし、おまけに楽しい」と話している(福井新聞2010921日「里山発いのちの環」)。



この若者のような考えを19世紀の半ばに主張し、実践したのがヘンリー・デイビット・ソロー(1817-1862)である。彼はハーバード大学を卒業したが、「人間性の真の向上に貢献することもなく、環境を奪い、実は必要でないものを買うためのお金を稼ぐだけで、本当の喜びをもたらしはしない」ような職業とのかかわりをさけ、非暴力を唱え畑仕事で簡素な生活を送ることを実践した。彼の非暴力の思想はガンディーやキング牧師へとつながっていく(「平和をつくった世界の20人」ケン・ベラー他、岩波ジュニア新書)。宇根豊さんの考えもこれに通じている「農は過去と未来をつなぐ――田んぼから考えたこと (岩波ジュニア新書) 宇根 
)。

 

食糧自給率≒0であり、いわば“いくとこまでいった”東京にいたN橋さんはその異常さになにか突き抜けたように気がづいて、本当に必要なものだけを求めてW町に“百姓”として定住したということなのだろう。このような現場での流れを邪魔しないように国や地方自治体は努めなければならないと考える。

 

 先日の土曜日にM台教授のT市での講演会の打合せをした。打合せの中で30代、40代のスタッフの参加を募るという話の中である50代の人が「最近の若いやつは人のために何かしょうというやつがいない。」と自らのまちの自分より若い者のことを評価していた。俺は思った。「それって、50代以上の者がこれまで、人のために十分にやるべきことをやってこなかったことを忘れて責任転嫁しているんじゃないのか。」と。



 人と人のつながりは横もあれば縦もある。批判してもしょうがない。いずれにしても協力してよくしていこうと努力できるように配慮することの方がよっぽど有意義なはずだ。

このことを自分への戒めにもして肝に銘じる。

おわり