版画家・君島龍輝 オフィシャルブログ☆たっちゃんの今日は何食べる?☆ -83ページ目

版画家・君島龍輝 オフィシャルブログ☆たっちゃんの今日は何食べる?☆

私が各地で出会った美味しくて不思議な一品をご紹介。さーて今日は何を食べようかな。

絹豆腐を買ってきた。


四等分にして片栗粉をまぶし揚げる。


深めの器に入れ、出汁を張る。


おろし生姜が良い。


揚げだし豆腐の完成である。


今夜は日本酒と洒落込もう。


版画家・君島龍輝 オフィシャルブログ☆たっちゃんの今日は何食べる?☆-揚げだし豆腐


               揚げだし豆腐



日光や那須高原の近郊では豆腐が何故か美味い。


そして山の温泉にも美味い豆腐屋がある。


坂道の途中にある「安井豆腐店」である。


本当は「臼井豆腐店」と言ったそうだが「うすいとうふ」と、具合が宜しくない。


そこで「やすいとうふ」にしたそうである。




戦後間もなくして山原屋旅館に勤めた親父は毎日安井豆腐店に使いに出された。


それは毎日、オカラを貰いに行く為であった。


しかし食べる為では無い。


温泉地のトタン屋根は硫黄でやられてしまい非常にもろい。


その屋根をオカラで磨くのである。


ワックスの代用なのだ。


旅館では必ず豆腐を使う、豆腐屋もお得意さんには無料であげたらしい。


生活の知恵?とは凄まじいものである。


・・・ ある日 ・・・


「そういえば山原屋旅館の補修工事って始めてですね」羽柴さんに聞いてみた。


「そうなの?確かに・・・私が板場に来てから10年は無いね・・・」無関心である。


それより羽柴さんはいつもの事だが元気が無い。


山原屋の建物は戦前の木造であり、50年は経っている。


「おう、オレが磨いてきたから持ってんのよ」横から親父が割り込んできた。


「補修工事だって?新築にした方が早いでしょうに」お袋も加わってくる。

「しかし、何処直すのさ」ビールを置いて去っていく。


「お風呂場を直すと言ってました」ビールを飲み干して・・・「そういえばことぶき屋の旦那」


「ん!なんだ、どうした?」ビールを飲み干して親父が覗き込んだ。


「や、実は変な客が泊ってんです・・・」羽柴さんの顔が一瞬暗くなった。


「オメーん所工事中に客泊めてんのか?」親父は不思議そうにビールを飲み干した。


「はい」と、羽柴さんも飲み干した。


なぜ?この人たちは一言ごとにビールを飲み干すのだろう?その方が不思議だった。




あれ?いつの間にか、たぬき屋の旦那と剛次郎がいる。


しかも一緒にビールを飲んでいるではないか!


「剛次郎!それオレのビールだろう!」勝手な奴だ。




「それでどうした?」再び親父が聞いた。


そして、羽柴さんの話は・・・今日、夕食の時に天汁を松子さんに運んでもらおうとしたら女将さんの用事で居ない。しょうが無く羽柴さんが運ぶことにした。3人分なので、お盆で持って行った・・・


「ハイ、どうぞ」と言われ客間に入って初めて客の顔を見て驚いた。どう見ても犯罪組織の面々であり、奥の荷物の間に1mほどの筒状の物と布で包まれた物が有り見てしまった。


羽柴さんいわく日本刀と拳銃だと言う、更にアタッシュケースが置いてあった。温泉地には不似合いであるから、中身は麻薬か現金だと付け加えた・・・


羽柴さんの話が終わる頃には全員酔って出来あがっていた。


「羽柴!大変な物を見てしまったな。目撃者は消されるぞ!」親父が勝手なことを言っている。


「とほほ・・ホントですか?旦那」いたって真面目である。


「そうだ、今日は飲んで忘れろ!そしたらお前は目撃者ではない」・・・ホントか親父?


「よーし二次会はスナックインドにいくぞー」たぬき屋の旦那と親父で盛り上げっている。


羽柴さんも大変だなーと思いつつ、私と剛次郎は遠慮して共同浴場へ行った。




そして・・・山原屋旅館の3人組と出会ってしまうのだった・・・つづく!